
2025年9月、HubSpotの年次イベント「INBOUND 2025」で、CRM運用の在り方を大きく変える新機能が発表されました。
Self-Generating CRM Dataと言い、AIがメール・会話・商談メモなどの日常的なやり取りを読み取り、CRMデータを自動で更新・補完するHubSpotの新しい機能です。
Self-Generating CRM Data により、商談メモや重要情報が自動で整理・反映されるため、チーム全体の情報共有が一気にスムーズになります。
更新漏れや確認作業の手間が減り、誰でも最新データにアクセスできる状態を維持しやすくなる点がポイントです。
本記事では発表時点での公式情報をもとに、Self-Generating CRM Dataの概要や既存機能との違い、どのように活用できるかを整理して解説します。
CRM運用の精度向上や負担軽減につなげたい方は、ぜひ参考にしてください。
これまでも部署や役職レベルはHubSpotのスマートプロパティで抽出できていました。今後は、コールの文字起こしデータから必要な情報を自動で取り込めるなら、入力の手間が一段と減りそうですね。
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コンテンツ目次
HubSpot新機能「Self-Generating CRM Data」とは?

Self-Generating CRM Dataは、HubSpotがINBOUND 2025で発表した、CRM運用の負担を根本から見直すための新しい機能です。
メール・コールログ・商談メモなど、普段のコミュニケーションに含まれるテキストをAIが読み取り、必要な情報を自動で整理します。
HubSpot公式も、この機能を「CRMデータを自ら生成し、整えるための新しいアプローチ」と紹介しています。担当者の作業量を減らしつつ、データの鮮度を保てる点が大きな特徴です。
営業・マーケティング・カスタマーサクセス(以下、CS)など、複数部門がHubSpotを使う企業では、情報の更新スピードや粒度の差が課題になることも少なくありません。
Self-Generating CRM Dataを有効化すると、これまで商談ノートやコールのメモに埋もれていた情報が自動でプロパティに反映されます。
担当者は手入力をしなくても、商談レコードを開くだけで最新の情報がそろった状態を確認できるようになります。
入力ルールを揃えるのって意外と難しいですが、AIが自動で要点を整理してくれるなら、チーム全体のデータ品質も保ちやすくなりそうです。
HubSpot新機能「Self-Generating CRM Data」はどのようにデータを自動生成するか?

Self-Generating CRM Dataは、HubSpotに記録された日々のやり取りをAIが解析し、取得情報をCRMへ自動で反映する仕組みです。対象となるのは、メール・ミーティングノート・通話の文字起こしなど、営業や顧客対応の中で自然に蓄積されるテキストデータです。
AIはこれらの内容を自然言語処理(NLP)によって解析し、文章の中から重要なキーワードや数値情報を読み取ります。例えば、導入時期や想定予算、競合といった商談に関わる要素を自動で判別してくれます。
抽出された内容は、関連するDealやContact、Companyなどのプロパティに反映されるため、情報の更新漏れや反映の遅れの心配がありません。
結果として、担当者は手間なく、最新の情報に基づいて営業・マーケティング活動を実施できるようになります。
情報の記録漏れって、気づいた時には手遅れなこともあるんですよね。AIがカバーしてくれるのはとても心強いです。
HubSpot新機能「Self-Generating CRM Data」の特徴

Self-Generating CRM Dataは、AIが会話やメモから得た情報をCRMに活用できる形式に整えるための機能です。
主な特徴は下記の3つです。
- 非構造データからCRMに自動で情報を反映する
- AIが新しいプロパティを自動生成できる
- 記録された情報から自動でインサイトを導き出せる
非構造データからCRMに自動で情報を反映する
Self-Generating CRM Dataの大きな特長は、商談ノートやコールログといった記録が、そのままCRMの情報として活用できる点にあります。
これまでのHubSpotでは、こうした非構造データは保存するだけで、内容の確認や入力は担当者の手作業に頼る必要がありました。情報の反映に時間がかかったり、入力の抜け漏れが起きたりするケースもあります。
Self-Generating CRM Dataでは、AIが記録の中身を読み取り、関連する属性情報を自動でCRMに反映する仕組みです。
AIが新しいプロパティを自動生成できる
Self-Generating CRM Dataは、AIが会話やメモの内容を読み取り、必要に応じて新しいプロパティの候補を提示することもできます。この機能は、従来のSmart Property(スマートプロパティ)をさらに発展させたものです。
>>HubSpotスマートプロパティ(AI内蔵プロパティ)で法人番号を自動で取得してみた
例えば「導入予定時期」や「競合名」といった情報が会話に含まれていれば、AIがその内容を検知し、プロパティとして追加する案を自動で提示してくれます。
現時点では、完全な自動生成というより「提案型」に近い形ですが、フィールド設計やデータ入力の手間を大きく減らす方向で進化が進んでいます。必要な項目が自然と揃うことで、記録の抜け漏れも防ぎやすくなる点がメリットです。
記録された情報から自動でインサイトを導き出せる
Self-Generating CRM Dataは、記録された商談や会話の内容を、AIが要約・整理する機能とも連携が進められています。現時点では、HubSpotのAI(Copilotなど)が会話の要点を抽出し、CRM上に提示するところまでが主な活用範囲です。
しかし、発表資料では「インサイト抽出」というキーワードも挙げられており、将来的には軽微な分析や判断材料の提示といった機能拡張も想定されています。
商談レビューやパイプライン管理など、意思決定の場面で活用される日もそう遠くないかもしれません。
会話やメモの中から必要な情報を自動で拾ってくれるなら、手入力に追われることも減りますね。記録がそのままCRMに活きるのは、思っていた以上にありがたいかもしれません。
HubSpot新機能「Self-Generating CRM Data」のメリット

Self-Generating CRM Dataの導入によって得られる効果は、役割ごとに少しずつ異なります。ここでは、営業・マーケティング・カスタマーサクセスなど、それぞれの立場で感じられるメリットを整理しました。
具体的には、次の3点です。
- 営業担当の入力負担の削減
- マーケ・CS間のデータ連携強化
- ABM・パイプライン戦略の精度向上
営業担当の入力負担の削減
メールやチャット、コールログなど、商談の前後に発生する情報をAIが整理してくれるため、手動入力の負担を大幅に軽減可能です。
記録漏れや更新遅れが起こりにくくなり、担当者は顧客対応や提案活動に時間を割けるようになります。結果として、営業プロセス全体のスピード改善にもつながります。
マーケ・CS間のデータ連携強化
Self-Generating CRM Dataによって、営業・マーケ・CSの間で情報を共有しやすくなります。最新データが自動で整理された状態でHubSpotに揃うため、施策づくりや引き継ぎの精度も上がります。
営業で得た情報をマーケがすぐ活用できたり、CSが過去の経緯を正確に把握できたりと、顧客対応の流れを揃えやすいです。ABMやNPS改善のように部署横断で進める取り組みでも、土台となるデータ環境づくりに役立ちます。
ABM・パイプライン戦略の精度向上
CRMのデータが常に整った状態になることで、ターゲットアカウントや商談状況を正確に把握できます。
判断材料の質が安定するため、営業マネージャーやマーケ担当者は、これまでより信頼性の高いデータを基に意思決定しやすくなる点が特長です。
ABM戦略の立案やパイプライン分析にも活かしやすくなり、全体の見立てもズレにくくなります。データを起点にした判断が取りやすい環境が整うことは、大きなメリットです。
営業・マーケ・CSのどこから見ても、情報がそろっているだけで判断がしやすくなりますね。もし自社でどう活かせるか迷う場面があれば、HubSpot相談会をご活用ください。
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HubSpot新機能「Self-Generating CRM Data」の注意点

Self-Generating CRM Dataは便利な一方で、活用にあたって以下の2点は押さえておきたいポイントです。
- AIの精度はログの品質に左右される
- セキュリティとプライバシーを意識したデータ運用が必要
AIの精度はログの品質に左右される
Self-Generating CRM Dataを正確に活用するには、入力されるデータの質が大きく影響します。
HubSpot公式サイトには、以下の記載があります。
| your AI is only as good as the data that powers it. |
「あなたのAIは、それを動かすデータと同じだけの良さしか持たない」と明記されており、データの質が低いままだとAIの判断も不安定になりやすいことを示しています。正確に動かしたいほど、元となるログの整理が欠かせません。
メール本文や会話記録の書き方を統一する、企業名・担当者名を明記するなど、最低限のルールを整えておくことが大切です。AIが読み取りやすいデータが蓄積されていけば、抽出の精度も安定しやすくなります。
セキュリティとプライバシーを意識してデータを運用する
Self-Generating CRM Dataでは、メールやコール内容といったデータをAIが解析するため、個人情報の扱いを事前に整理しておく必要があります。
HubSpotは、SOC 2 Type II(外部監査基準)やGDPR(EUの個人情報保護)など国際基準に沿ったセキュリティ体制を整えています。しかし、ツール側の対策だけで安全性が保証されるわけではありません。
企業側でも、アクセス権限の設定やデータ共有の範囲といったルールを明確にし、運用に反映させることが欠かせません。AIを安全に活用するためには、HubSpotの仕組みに加えて、社内ガバナンスを整えることが重要です。
HubSpotのセキュリティ対策は下記の記事でも詳しく解説しています。
>>HubSpotで実施できるセキュリティ対策とは?設定手順を解説!
便利な機能だからこそ、メールやコールなどの記録の残し方や、誰がどこまでデータを見られるかといった権限設定は事前に決めておきたいですね。最低限の運用ルールが整っていれば、Self-Generating CRM Dataも安心して活用しやすくなりそうです。
HubSpot新機能「Self-Generating CRM Data」を活用して働き方をアップデートしよう

Self-Generating CRM Dataの大きな価値は、日々のやり取りを自動で整理し、チーム全体が同じ情報を共有できる状態を作れる点です。情報が自動で整理されれば、入力作業に追われる時間を減らし、顧客対応や提案など本来やるべき業務に集中しやすくなります。
また、AIによってCRMが常に最新の状態で保たれるため、営業・マーケ・CSの間で情報のズレが起きにくくなり、意思決定のスピードも上がります。複数部門でHubSpotを使う企業ほど、その効果を実感しやすくなります。
AIを活用したCRM運用は、業務効率化にとどまらず、組織全体の働き方をアップデートするための第一歩です。
活用を検討していても「どこから手をつければいいのか」「自社でも運用できるのか」と悩むのではないでしょうか?そのような場合は、HubSpot相談会をご活用ください。
専門スタッフが課題を整理し、自社の業務フローに合わせた活用方法をご提案します。導入を迷っている段階でも問題ありません。一緒に最適なステップを考えていきましょう。
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