HubSpotは、マーケティング・セールス・カスタマーサポートに必要なサービスが全てそろったCRMツールです。無料で使えるCRMを軸に、5つの製品から構成されています。
そこで今回は、主にマーケティングオートメーションを目的に提供されている「Marketing Hub」の魅力や機能・料金を解説します。「本格的な導入に踏み切れない」と悩む方は、ぜひ参考にしてください。
Marketing Hubの活用方法に関しては、こちらの動画で詳しく解説しています!
コンテンツ目次
Marketing Hubの魅力とは
Marketing Hub(マーケティングハブ)とは、HubSpot(ハブスポット)が提供するMAツールです。
MAツールには、マーケティング活動を効率化する幅広い機能が搭載されています。
特にMarketing Hubは、サイト集客や見込み客への転換、分析など、MAツールのなかでも機能が充実しているのが特徴です。そのため、Marketing Hubを活用すれば、リードジェネレーションからリードクオリフィケーションまで、マーケティング活動を最適化するプロセスが一気通貫で実現します。
- リードジェネレーション:
潜在顧客の状態から見込み客へと転換をはかる活動。Webマーケティングでは、Webサイトからの問い合わせや資料請求などでリード情報を取得し、ハウスリストを作成するのが一般的。 - リードナーチャリング:
取得したリード情報を活用し、見込み客の購買意欲を醸成させる活動。オウンドメディアやメールなどを用いて、見込み客との継続的かつ良好な関係を築く。 - リードクオリフィケーション:
購買意欲を醸成させた見込み客のなかから、特に成約確度の高いリード情報を抽出し、営業部門へと送客する活動。営業担当は成約の可能性が高い見込み客のみにアプローチできるため、営業効率が高まる。
また、HubSpotは、Marketing Hubとは別に無料のCRMツールを提供しています。CRMツールとは、見込み客・顧客の属性データや行動履歴情報などを一元管理するためのツールです。
両方のツールを連携することで、Marketing Hubから取得したコンタクト情報やハウスリストをCRM上で管理できます。メールやチャットの機能を活用する際は、CRMに登録した見込み客の情報を瞬時に呼び出せるため、コミュニケーション活動を効率化できるのもポイントです。
Marketing Hubのメイン機能
Marketing Hubは、4種類の料金プランによって利用できる機能が異なります。
Marketing Hubで活用できる代表的な機能は、「訪問客を惹きつけるための機能・訪問客を見込み客へと転換するための機能・マーケティング活動を改善するための機能」の3つに分かれます。ここでは、主要な機能の特徴をご紹介します。
ユーザーを惹きつけるための機能
ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し、関係構築を目指す手法をコンテンツマーケティングといいます。見込み客を獲得するには、さまざまなコンテンツを駆使してタッチポイントを増やし、ユーザーを引き付けることが重要です。
Marketing Hubには、さまざまなコンテンツを作成し、マルチチャネルを構築するための機能が充実しています。
- ブログ
- SEO
- 広告分析・管理
- SNS管理
- 動画
- チャット
ブログ
Marketing Hubには独自のブログ編集ツールが搭載されています。エディタ画面にテキストを入力したり、画像や動画を埋め込んだりするだけで、Web上に記事を公開できるのが特徴です。過去にWordPressをはじめとするCMS(コンテンツ管理システム)を使用していた方でも、仕様が似ているので扱いやすいでしょう。
エディタ画面にはコメントやフィードバックを残せるほか、複数ユーザーの共同編集にも対応しています。執筆を行うライターや、その記事を校正するディレクター・エディターなど、記事制作にかかわるメンバー同士でスムーズなコミュニケーションをとれるのがメリットです。
SEO
あらゆるコンテンツ制作をサポートする、SEO(検索エンジンの上位表示を狙う施策)機能が搭載されているのも特徴です。Marketing Hubは、Webサイトや記事コンテンツの内容を自動的に読み取り、SEOの施策が不足している箇所をアドバイスしてくれます。
例えば、「画面の表示領域に合わせてページ幅を統一してください」といったアドバイスを行うほか、その施策がSEOに与える影響を「低・中・高」の3段階で表示します。また、月間検索数をもとに、検索キーワードごとのアクセス数を予測できるのも特徴です。
広告分析・管理
広告分析・管理機能を活用すれば、GoogleやFacebookなどで出稿している広告のキャンペーン管理や効果測定を行えます。リスティング広告やSNS広告など、さまざまなWeb広告を一元管理したいときに便利です。
対応する広告プラットフォームは、Google、Facebook、LinkedInの3つ。各広告プラットフォームで計測したリード獲得数やROI、インプレッション数などの指標を、1つのダッシュボードに可視化します。また、CRMの見込み客情報を活用し、条件ごとに分類したハウスリストを作成できるのも特徴です。
Google広告と連携させる方法は、こちらの記事「HubSpotにGoogle広告やGoogleサーチコンソールを連携させる方法を解説!」で詳しく解説しています。
SNS管理
SNS管理は、TwitterやInstagram、Facebookなどのアカウントを一元管理するための機能です。各SNSプラットフォームの投稿やコメントを、Marketing Hubのダッシュボード上で管理できます。また、ダッシュボード上から直接コンテンツを投稿できるのもメリットです。
Marketing Hubで作成したブログとSNSを連携すれば、記事を公開した時点で自動的にSNSでも投稿が行われます。
さらにMarketing Hubには、特定のキーワードを指定して追跡できるモニタリングストリーム機能が搭載されています。ターゲットユーザーがSNS上で指定キーワードに関する投稿を行った際、マーケティング担当や営業担当に自動でメールが通知されます。
動画
HubSpotのシステムに動画ファイルをインポートするための機能です。インポートした動画をブログの記事内に埋め込んだり、SNSに投稿したりと、既存のコンテンツをリッチ化できるメリットがあります。
また、インポートした動画にはフォームやCTAを配置できるため、リード獲得手段として活用することも可能です。
チャット
Webサイト上にチャットボットを実装できる機能です。チャットボットを作成した経験がなくても、テンプレートが用意されているため、スムーズにシステムを導入できます。あらかじめ用意されているコピー文章に微調整を加えるほか、質問文に対応する選択肢を追加するだけで済みます。
また、HubSpotのCRMツールと連携すると、チャットボットでやり取りを行った履歴がコンタクト情報として蓄積されます。見込み客とのコミュニケーション履歴をチーム内で一元管理したい場合に便利です。
ユーザーを見込み客へと転換するための機能
Marketing Hubには、ブログや広告などで集客したユーザーを、見込み客へと転換させる機能が搭載されています。また、見込み客の成約確度を見極め、効率的にアプローチできる機能を活用すれば、マーケティング活動や営業活動の最適化につながります。
- LP(ランディングページ)作成ツール
- フォーム作成ツール
- メールマーケティングツール
- ワークフロー自動化
- スコアリング
LP(ランディングページ)作成ツール
広告からアクセスしたユーザーを見込み客へ転換させるには、LP(ランディングページ)作成ツールを活用すると良いでしょう。
Marketing Hubでは、ページ内のタイトルやキャッチコピー、画像などの要素を、ドラッグアンドドロップの操作で配置できます。LP用の豊富なテンプレートも用意されているため、テキストの内容や細かい配置などを微調整するだけで済みます。
さらにHubSpotのCRMツールとの連携により、システムに蓄積されたコンタクト情報をもとに、ページ内のコンテンツを動的に表示できるのが特徴です。例えば、ユーザーの属性に合わせてフォームの質問内容を自動的に調整してくれるため、訪問者一人ひとりに最適化されたコンテンツを提供できます。
フォーム作成ツール
ブログやLPにフォームを設置すると、問い合わせや資料請求などのアクションを促してリード情報を取得できます。Marketing Hubでは、担当者名や所属部署、メールアドレスなど、取得したい情報を質問項目として簡単に設定できるのが特徴です。
具体的には、フォームのプレビュー画面を見ながら、質問項目やボタンの色・サイズ、ロゴの種類などをドラッグアンドドロップで配置します。感覚的に操作できるため、コーディングやプログラミングの知識は不要です。
フォームに送信された情報は、HubSpotのCRMツールと連携してコンタクト情報に集約できます。
フォームを作成して、このようにWebサイト上へ埋め込むこともできます。
メールマーケティングツール
メールマーケティングツールは、プロ仕様の配信メールをドラッグアンドドロップの操作のみで作成できる機能です。LPやフォームによって見込み客を獲得した後、そのリード情報をもとにリードナーチャリングを行う際に効果を発揮します。
Marketing Hubのメールマーケティングツールは、CRMツールに蓄積されたコンタクト情報にもとづき、メールの件名や内容、添付ファイルなどが自動的にパーソナライズされるのが特徴です。また、A/Bテストを実施して、配信前にメールマーケティングのパフォーマンスを確認できるため、より効率的に施策を実施できます。
弊社のメールもMarketing Hubを活用して作成しております。
ワークフロー自動化
マーケティング活動で生じるワークフロー(業務の一連の流れ)を自動化するための機能です。
例えば、次のようなワークフローが発生するとします。
- ユーザーからWebサイトへの問い合わせ
- 送信内容のキーワードをもとにコンタクト情報から該当企業を検索
- 担当者の振り分け
- 担当者へのメール通知
あらかじめ、フロー間で発生する作業をMarketing Hubに登録しておけば、データベースからの照合やメール通知などを機械が自動的に行ってくれる仕組みです。それぞれの担当者は雑務を行う必要がなく、マーケティングや営業のコア業務に集中できるメリットがあります。
Marketing Hubのワークフロー自動化機能は、各タスクをドラッグアンドドロップで配置できるのが特徴です。さらに、各タスクに設定するプロパティや値をコピーできるため、ワークフローを作成する手間を抑えられます。
スコアリング
見込み客との関係構築によって購買意欲を高めた後は、リードクオリフィケーション、すなわち成約確度の高い見込み客を見極めることが大切です。Marketing Hubのスコアリング機能は、蓄積されたリード情報のそれぞれに自動で点数を付けてくれます。
例えば、フォームから問い合わせを行えば10点、チャットボットで質問をすれば5点といったように、特定のアクションを起こすたびに点数を加算します。総合点が一定のラインを超えた場合は「優良な見込み客」と認定し、積極的に営業アプローチを行います。
Marketing Hubでは、あらかじめ自社要件に合わせて細かい独自ルールを設定できるのが特徴です。後は、そのルールに従って自動的に各見込み客のスコアリングを行ってくれるため、効率的に成約確度の高い見込み客を特定できます。
マーケティング活動を改善するための機能
Marketing Hubには、効果検証やシステム連携による機能拡充など、マーケティング活動をより良く改善するための機能が搭載されています。
- マーケティング活動の分析
- Salesforceとの連携
マーケティング活動の分析
Marketing Hubで作成したブログやLP、メールなどのアクセス解析ができる機能です。セッション数やPV、コンバージョン率、メールの開封率などの情報をグラフで表示できるため、効率良くマーケティング活動の効果検証を行えるメリットがあります。
また、リードジェネレーションやリードナーチャリングなど、マーケティングプロセスごとに成果指標を表示できるのも特徴です。カスタマージャーニーの流れに沿って、成果が現れている箇所と改善が必要な箇所を特定できます。
Salesforceとの連携
SFA(営業支援システム)の代表的ツールであるSalesforce(セールスフォース)と連携できるのも特徴です。SFAは、案件情報や商談の進捗状況、担当者別の営業成績といった営業活動のデータを一元管理するためのツールなので、Marketing Hubと組み合わせれば、マーケティングと営業のスムーズな部門間連携が実現します。
Salesforceとの連携方法については、こちらの記事「HubSpotとSalesforceの違いとは?連携方法や使い分け方法についても解説!」で詳しく解説しています。
Marketing Hubの料金プランと選び方
Marketing Hubには、4種類の料金プランが用意されています。
無料プラン | Starter | Professional | Enterprise | |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 無料 | 5,400円〜 | 96,000円〜 | 432,000円〜 |
統合プラン(CRM Suite) | 無料 | 5,999円〜 | 213,599円〜 | 600,000円〜 |
コンタクト数の上限 | 1,000件 | 1,000件 | 2,000件 | 10,000件 |
メール配信の上限 | 2,000件/月 | 5,000件/月 | 20,000件/月 | 200,000件/月 |
本格的にMAツールを活用するなら、オムニチャネルに対応したワークフロー自動化やSNS管理、SEOなどの機能が搭載されたProfessionalプランがおすすめです。また、スコアリングやカスタマージャーニー別の分析機能などが使える、Enterpriseプランを検討するのも良いでしょう。
お試し感覚でMAツールを活用したい場合は、無料プランやStarterプランが向いています。両者には、ブログやフォーム、メールマーケティングツールといったMAツールの基本機能が搭載されているため、Marketing Hubの機能性や操作性を低コストで検証できます。
また、無料プランやStarterプランは、CRMツールのコンタクト情報管理機能が使える統合プランを割安で契約できるのも特徴です。
ただし、無料プランやStarterプランで作成したブログには、ページ内にHubSpotのロゴが付記されるので注意が必要です。
Marketing Hubの導入がおすすめな企業の特徴
次のような特徴に当てはまる企業は、Marketing Hubと好相性だといえるでしょう。自社に合うMAツールを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハウスリストを活用したい企業
すでにハウスリストを保有しているものの、うまく活用できてない企業には、Marketing Hubがおすすめです。ハウスリストをうまく活用できないのは、「ターゲットが明確に絞り込めていない」「ボリュームばかりが多くて鮮度が低い」といった事由が考えられます。
Marketing Hubの場合、スコアリング機能を活用し、いますぐアプローチすべきホットリードやもう少しリードナーチャリングが必要なウォームリード、優先度が極めて低いコールドリードの選別が可能です。見込み客の行動履歴をもとに、自動でアプローチの優先順位を決めてくれるため、ターゲットが絞り込めない課題を解消できます。
また、Webサイトへのアクセス情報やコンタクト履歴、チャットでのやり取りなどのデータはシステム内に蓄積されます。常にアップデートされた状態のハウスリストを活用できるのが、Marketing Hubの特徴です。
自社のマーケティング活動を可視化したい企業
マーケティング活動の有効性を客観的に判断するなら、Marketing Hubを活用しましょう。マーケティング活動が属人化し、担当者レベルでしか施策の成果を把握できていない企業には特に効果的です。
Marketing Hubには詳細な効果検証機能があり、各チャネルでのパフォーマンスを一目で確認できます。Webサイトのアクセス数やメールの開封率、フォームでの転換率などの指標を図式化して表示できるため、KPIの策定や予実管理を行う際にも便利です。
HubSpotの導入方法・流れ
いままでMAツールを利用した経験がない方が、いきなりツールの導入や初期設定を行うのは難しいものです。そのため、Marketing Hubを導入する際は、HubSpotが提携しているサービスプロバイダの導入支援サービスを活用すると良いでしょう。
サービスプロバイダはHubSpot製品の導入方法や使い方に精通しています。経験豊富な専門家からサポートを受けることで、最短ルートでツールの導入から定着までの流れを構築できるでしょう。
サービスプロバイダごとに得意分野や強みが異なるため、詳細はHubSpotの公式サイトをご確認ください。
まずはHubSpotの無料相談会を活用しよう
Marketing Hubは、マーケティング活動の効率化やパフォーマンス向上につながる機能が充実しています。まずは無料プランで機能性や操作性を確かめ、さらに必要な機能があれば、上位プランを検討すると良いでしょう。
ただし、MAツールを使ったことがない方にとっては、導入方法や初期設定方法がわからず、なかなか一歩を踏み出せないケースも多いのではないでしょうか。このような方は、Marketing HubをはじめHubSpot製品の活用方法をご紹介する、以下の相談会の活用をご検討ください。
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