
HubSpotには標準で名刺スキャナー機能が搭載されていますが、実務では「OCRの精度が低い」「登録できる項目が限られている」といった課題もあります。そのため、多くの企業はHubSpotと外部の名刺管理ツールを組み合わせ、より効率的な営業活動を進めているのが現状です。
本記事では、HubSpotの名刺管理機能の使い方と注意点を整理した上で、Eight TeamやSansanをはじめとする主要ツールを比較していきます。自社の規模や目的に合った最適な名刺管理の仕組みを選べるよう、最新情報を紹介します。
自社に最適な名刺管理の仕組みを選べるよう、最新情報を整理しました。最後まで読んで、導入を検討する際の参考にしてください。
名刺って、つい紙のまま埋もれがちですよね。しかし、CRMと連携できれば、営業チーム全体で活用できる資産になります。名刺管理とCRMツールの連携を検討している方は下記からご相談ください。

「名刺情報を管理しているが、営業活動に十分活かせていない」
「CRMと連携できておらず、名刺データが分散してしまっている」
こうした課題をお持ちの企業様に向け、
株式会社FLUEDが 無料オンライン相談会(30分) を実施いたします。
特定のツールに偏らない中立的な立場で、貴社の予算・体制に最適なソリューションをご提案します。
▼【無料】オンライン相談会を予約する
コンテンツ目次
HubSpotの名刺管理機能とは?2つの方法を解説

HubSpotの名刺管理機能とは、紙の名刺をデジタル化し、顧客情報としてチーム全体で共有できる仕組みのことです。
名刺をHubSpotに取り込む方法は、大きく分けて次の2つです。
- 外部の名刺管理ツールをHubSpotと連携して使う方法
- HubSpotが提供する名刺スキャナーアプリを使う方法(無料)
それぞれの方法を簡単に紹介します。
HubSpotと連携可能な名刺管理ツールを使う
HubSpotの名刺管理をより実務的に活用したいなら、外部の名刺管理ツールと連携する方法が有効です。
一例として、下記のツールをアプリマーケットプレイスから追加すれば、OCRで読み取った名刺情報をそのままHubSpotに取り込めます。
- Eight Team
- Sansan Standard
- SmartVisca
- mソナー
- PHONE APPLI PEOPLE Standard
また、ツールによってはデータの精度向上や登録項目の拡張も可能です。このような機能を活用することで、営業活動全体の効率化につなげられます。
HubSpotの名刺管理アプリを使う
コストを抑えて名刺をデジタル化したい場合は、HubSpotが提供する無料の名刺スキャナーアプリが使えます。スマホで名刺を撮影するだけで、氏名や会社名、メールアドレスなどの情報を自動で読み取り、HubSpot CRMの「連絡先」として登録できます。
ただし、読み取り精度はあまり高くなく、実務での利用には物足りない印象で、おすすめはできません。
HubSpot純正スマホアプリもありますが、やはり本命はEightやSanSanなどの名刺管理ツールとHubSpotを連携することです。次は、HubSpot連携可能な名刺管理ツールをご紹介します。
HubSpotと連携可能なおすすめの名刺管理ツールを比較

HubSpotと連携できる名刺管理ツールはいくつもありますが、製品ごとに対象となる企業規模や連携方式、導入コストが大きく異なります。そのため、目的や体制に応じて最適なツールを選ぶことが重要です。
以下の比較表では、代表的なツールを「規模」「連携方式」「料金」「強み・注意点」といった観点で整理しています。
<比較表>ツールの数が多いので、横にスクロールしてください
製品 | Eight Team | Sansan Standard | SmartVisca | mソナー | PHONE APPLI PEOPLE Standard |
想定規模 | 数名〜100名くらいまで | 300〜500名 | 100名〜大手 | 大手 | 10〜500名 |
CRM連携方式 | HubSpot・kintone連携 | HubSpot含め多数のツールとAPI連携可能(CSV操作も選択可) | Salesforce一体型ツール。自動連携 | Salesforce / HubSpot企業同期 | Salesforce連携 |
月額料金 | ¥18,000〜 | 要問合せ15万程度〜 | 1ID¥1,300〜 | 要問合せ | ¥6,600〜 |
主な強み | HubSpot連携安価 | 名寄せ項目が多く精緻な顧客情報を蓄積できる | Salesforce運用に最適化されている | ABM向けの階層+リスク分析が可能 | 名刺管理機能は簡易的 |
注意点 | 手動同期が必要 | 高価格帯で中小企業には不向き | ID課金方式で人数増加で高額 | 価格体系は要問い合わせ | 名刺管理機能は簡易的 |
Eight Team
Eight Teamは、HubSpotと連携できる名刺管理ツールの中でもコストパフォーマンスに優れた選択肢です。特に中小企業や小規模チームでの導入実績が多く、初めてCRMと名刺管理を組み合わせたい企業に向いています。
Eight Teamの最大の特徴は、低コストで導入できる中小企業向けの設計にあります。HubSpot連携ツールの中でも価格は最安水準で、名刺交換日や共有タグなど実務で必要な情報を網羅できる点が強みです。
ただし、HubSpotとの連携には月額5,500円(税込)の有料オプション契約が必要で、自動更新・解約期限に注意しましょう。
また、2025年6月の仕様変更により、同期できる項目が拡充され、CRM情報の精度を高めやすくなりました。
詳しい連携方法については、以下の記事をご確認ください。
>>HubSpotと名刺管理アプリ「Eight Team」の連携方法は?Eightプレミアムとの連携方法も解説
【2025年6月】Eight Teamの仕様が変更された?
2025年6月のアップデートにより、Eight TeamのHubSpot連携機能は大きく改善しました。
これまでは、氏名や会社名といった基本的な項目だけが同期対象でしたが、新仕様ではより多くの情報を取り込めるようになっています。具体的には、名刺交換日や所有者、共有タグ、プロフィールURLなどの情報です。
また、同期の条件も見直され、従来の「メールアドレスが完全一致した場合のみ更新」という制約が緩和されました。既存項目が空欄であれば上書きできるようになり、CRM上での情報補完や鮮度維持が容易です。
今回の変更により、名刺情報の補完や鮮度維持が容易になり、CRM上での一元管理がさらに実用的になりました。
Sansan

Sansanは、名刺管理市場で高いシェアを持つ代表的なツールです。
中小企業でも導入しやすいプランから、大企業の全社展開を前提とした高セキュリティ対応のプランまで幅広く提供されています。自社の規模やセキュリティ要件に応じて、最適なプランを選べます。
HubSpotと連携すると、企業データや役職データなどの外部データを組み合わせることが可能です。
その結果、営業活動のターゲティング精度がより高まります。
ただし、プランによっては導入コストが高額になりやすいです。申し込みする際に、初期費用やランニングコストを確認することをおすすめします。
Sansan Lite
Sansan Liteは、Sansanの中で最もシンプルなプランです。名刺の基本情報をデジタル化してHubSpotに取り込めるため、まずは低コストで名刺管理を始めたい中小企業に適しています。
取得できる情報は氏名や会社名、部署、役職などの基礎的な属性に限られますが、導入コストが抑えられている点が大きなメリットです。小規模チームの初期導入や、まずは名刺を一元管理する体制を整えたい企業に向いています。
一方で、高度な属性付与や外部データとの連携には対応していないため、データの拡張性を求める場合は上位プランを検討する必要があります。
Sansan Standard
Sansan Standardは、中堅から大企業向けに設計された標準プランです。名刺情報だけでなく、約100万件の企業データや20万件以上の役職データと連携できます。
豊富な属性情報を活用することで、顧客のターゲティング精度を高めやすく、営業活動の効率化につながります。特に、見込み客のスコアリングやセグメント設計といったマーケティング施策の基盤づくりに有効です。
一方で、Sansan Liteに比べるとコストは高めに設定されているため、活用の幅や期待する成果を明確にしたうえで導入しましょう。
Sansan Enterprise
Sansan Enterpriseは、大企業での全社利用を想定した最上位プランです。SAML認証や権限管理といったセキュリティ機能を標準搭載しており、組織全体での利用に適しています。
また、名刺情報を全社的に一元管理できるよう設計されているため、部門を横断した営業活動や情報共有を支援します。大企業におけるセキュリティ要件や統制を満たしつつ、営業DXを推進したい場合に有効な選択肢です。
ただし、費用はSansanの中で最も高額なプランです。コストに見合うだけの規模や運用体制があるかを慎重に検討する必要があります。
Sansan + Data Hub
Sansan + Data Hubは、既存のSansanプランに追加できる拡張オプションです。HubSpotと20分単位で双方向に自動連携し、名刺情報に加えて企業規模・業種・役職など最大100種類以上の属性情報をCRMに付与できます。
Sansan + Data Hubを活用することで、スコアリングやセグメント設計、ABMの強化など、営業・マーケティング活動に直結した活用ができます。
ただし、Data Hubは単体で利用できず、ほかのSansanプランとの併用が前提です。追加費用も発生するため、必要な機能や活用シーンを踏まえて導入を検討する必要があります。
詳しい連携方法については、以下の記事をご参照ください。
>>HubSpotとSansanの連携方法を解説!メリットや注意点も
SmartVisca
SmartViscaは、Salesforceと完全に統合できる名刺管理ツールです。名刺を取り込むと自動的にSalesforce上のデータが更新されるため、手作業での入力や同期にかかる工数を大幅に削減できます。
HubSpotと連携できる柔軟性に加え、名刺データを正確かつ効率的に取り込める点も大きな利点です。特に大規模組織で、膨大な名刺情報を迅速に共有・更新したい場合に適しています。
一方で、Salesforceとの親和性が高く設計されているため、HubSpot専用の機能は限定的です。導入の際には、自社の利用CRMと運用フローに合っているかを確認することをおすすめします。
mソナー

mソナーは、名刺情報の管理だけでなく、企業階層の分析や反社チェックといったリスク管理に強みを持つツールです。ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)に対応しており、重要顧客の階層構造を可視化することで、より戦略的な営業活動を支援できます。
HubSpotとの連携にも対応しています。企業属性の同期や反社リスク情報の付与を自動化できる仕組みは、安心して運用するために欠かせません。
また、HubSpotとの連携マニュアルも提供されているため、導入後の設定や運用も安心です。その結果、営業チームは顧客情報を単なる名刺データとしてではなく、信頼性の高い営業資産として活用できます。
一方で、料金体系が公開されていないため、導入規模や必要な機能に応じて見積もりを取得する必要があります。
PHONE APPLI PEOPLE
PHONE APPLI PEOPLEはプランにより提供機能・対象規模・価格帯が異なります。
PHONE APPLI PEOPLE Lite
エントリープランにあたるPHONE APPLI PEOPLE Liteは、名刺情報の管理に加えて、社員間の連絡帳や安否確認など基本的な機能を搭載しています。比較的リーズナブルな価格帯で提供されているため、小〜中規模の企業に適しています。
Microsoft365やTeamsとのAPI連携にも対応しており、社内コミュニケーション基盤としても活用可能です。名刺管理に特化しているわけではありませんが、最低限の名刺データを一元管理する仕組みとして機能します。
PHONE APPLI PEOPLE Standard
スタンダードプランにあたるPHONE APPLI PEOPLE Standardは、Liteで提供される基本機能をベースにしています。加えて、ユーザープロファイルの可視化や詳細な組織管理、外部サービスとの連携にも対応しています。
主な強みは、社内ポータル的な役割を果たし、部門間の情報共有やナレッジ活用を促進できる点です。名刺管理機能自体は、Liteと同程度ですが、社内コミュニケーション支援機能が大幅に拡張されています。
社員数が多い企業や業務情報の見える化を重視する企業に適したプランです。
料金はLiteより高めですが、機能拡張分を考慮すると十分に導入価値があります。
どのツールを選ぶかで、名刺管理が単なる記録から営業資産に変わります。比較して検討する価値は十分ありますね。もし迷ったときは、FLUEDの名刺管理ソフト×CRMの連携支援サービス相談会でご相談いただくのもおすすめです。

「名刺情報を管理しているが、営業活動に十分活かせていない」
「CRMと連携できておらず、名刺データが分散してしまっている」
こうした課題をお持ちの企業様に向け、
株式会社FLUEDが 無料オンライン相談会(30分) を実施いたします。
特定のツールに偏らない中立的な立場で、貴社の予算・体制に最適なソリューションをご提案します。
▼【無料】オンライン相談会を予約する
HubSpotの名刺管理アプリの使い方

HubSpotの純正アプリを使えば、スマホで簡単に名刺をデジタル化し、CRMに登録できます。ここでは、基本的な操作の流れを紹介します。
1.HubSpotモバイルアプリをセットアップし「+(作成)」をタップ

まず、App StoreまたはGoogle PlayからHubSpotアプリをダウンロードし、アカウントにログインします。
▼App Store
▼Google Play
画面下部中央の「+」アイコンをタップすると、名刺スキャンを含む作成メニューが表示されます。

2.「名刺をスキャン」を選び、名刺を撮影する

メニューから「名刺をスキャン」を選択し、スマホのカメラで名刺を撮影します。
初回はカメラへのアクセス許可が必要です。

名刺全体がフレームに収まるように撮影し、必要に応じて四隅を調整して完了します。
3.OCR結果を確認し、コンタクトに保存する
スキャン後、OCRによって自動抽出された氏名・役職・メール・電話番号などの情報が表示されます。内容を確認し、必要に応じて修正した上で保存しましょう。


保存した情報はHubSpot CRMの「連絡先」として登録され、リスト作成やワークフロー自動化など、営業活動全般に活用できます。
名刺をその場で登録できるため、入力漏れを防止できます。小規模チームならこれだけで十分に運用できそうです。
HubSpotの名刺管理アプリの注意点

便利に使えるHubSpotのデフォルトの名刺スキャナーですが、実務ではいくつかの注意点があります。導入を検討する際は、次のような点を理解しておきましょう。
- 姓名が反対に登録されることがある
- 会社名が空欄で登録されることがある
- OCRの識字率が低い場合がある
それぞれの内容を順に解説します。
姓名が反対に登録されることがある
HubSpotの名刺スキャナーでは、OCRが日本語の姓名を正しく識別できず「姓」と「名」が逆に登録されるケースがあります。例えば「山田 太郎」という名刺を読み取った際に「太郎 山田」として登録されてしまうケースも少なくありません。
このような誤登録は、そのままCRMで活用しようとするとリスト作成やメール送信に支障が出る恐れがあります。営業活動でのトラブルを避けるためにも、スキャン後は必ず内容を確認し、必要に応じて手動で修正することが大切です。
会社名が空欄で登録される
名刺に記載されている会社名は、ロゴや装飾の影響を受けやすく、正しく読み取れないときがあります。結果として会社名が空欄で登録され、後から検索やフィルタリングする際に不便になりがちです。
特に企業名はBtoB営業において重要な管理項目であり、欠落すると顧客情報の精度に大きな影響を及ぼします。名刺をスキャンした後は、会社名が正しく登録されているかを必ず確認し、不足している場合は追加入力する運用を取り入れましょう。
識字率が低い
HubSpotの名刺スキャナーはシンプルで使いやすいものの、OCRの精度は完璧ではなく、読み取り結果が乱れるケースがあります。特に、手書き風のフォントやデザイン性の高い名刺、外国語表記の名刺では誤認識が目立ちやすい傾向があります。
誤った情報がそのままCRMに取り込まれると、後々修正の工数が発生し、かえって効率を損なうリスクが高いです。
そのため、スキャン結果を営業担当者が確認し、必要に応じて修正するルールをあらかじめ定めておけば、実務での運用が安定します。
無料で手軽に使えるのは便利ですが、読み取り精度や登録の抜け漏れには注意が必要ですね。社内の運用ルールを整えておけば、安心して活用できそうです。
HubSpotと名刺管理ツールを連携して顧客情報を資産化しよう

名刺は営業活動における基本的な接点ですが、紙のままでは十分に活用できません。HubSpotの名刺管理機能を使えば、デジタル化した情報をCRMに取り込み、チーム全体で共有できます。
ただし、HubSpotの名刺スキャナーだけでは対応しきれないニーズもあります。その場合は、Eight Teamをはじめとする外部の連携ツールを活用することで、業務効率を大幅に改善可能です。
小規模チームでコストを抑えたい場合は純正アプリ、大規模体制で精度や拡張性を重視する場合は外部ツールとの連携が有効です。用途・規模・予算に応じて適切な方法を選定することが重要と言えます。
本記事で紹介した比較表やユースケース別の提案も参考にしながら、自社に最適な名刺管理の仕組みを検討してみてください。
弊社では、HubSpotと名刺管理ソフトの連携支援サービスを提供しています。導入や運用に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

「名刺情報を管理しているが、営業活動に十分活かせていない」
「CRMと連携できておらず、名刺データが分散してしまっている」
こうした課題をお持ちの企業様に向け、
株式会社FLUEDが 無料オンライン相談会(30分) を実施いたします。
特定のツールに偏らない中立的な立場で、貴社の予算・体制に最適なソリューションをご提案します。
▼【無料】オンライン相談会を予約する