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BtoBホワイトペーパーの作り方をターゲット特定から書き方まで徹底解説!

2021.12.05

2023.06.08

BtoBマーケティング

ホワイトペーパーはBtoBのリード獲得において重要な手法の1つであり、取り入れる企業が増加しています。しかし、「BtoBホワイトペーパーの作り方がわからない」という企業担当者も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、ホワイトペーパーの役割や種類をおさらいし、BtoB向けホワイトペーパーの作成手順や書き方を徹底解説します。

ホワイトペーパーは競合他社と似通ったものができやすい傾向にありますが、差別化するコツもお伝えするのでぜひ最後までご覧ください。

株式会社FLUEDではBtoBのマーケティングにお悩みの方へ、無料のオンライン相談会を実施しております。

数多くの企業様をご支援してきた経験からBtoBマーケティングに関する質問、疑問にお答えいたします。

ホワイトペーパーとは

ホワイトペーパーとは、ユーザーにとって有益な情報を提供するコンテンツ資料のことです。通常、企業ホームページやメディアに設置されており、ユーザーは連絡先や氏名などの情報を提供する代わりに、ホワイトペーパーをダウンロードできます

ホワイトペーパーはもともと、「白書」と呼ばれる欧米の政府や公的機関が配布する、調査報告資料を指していました。現在では、公的機関だけでなく企業が自社製品やサービスの紹介、導入事例、調査データを提供するために使われています。

役割

ホワイトペーパーは、リード獲得のマーケティング手法として重要な役割を担っています。ホワイトペーパーをダウンロードするには氏名、会社名、連絡先などを入力する必要があり、獲得したリード情報をリードナーチャリングに活用できるからです。

リード情報を営業部門に引き渡し、アフターフォローやアポ取りに活用したり、マーケティング部門でメルマガの配信といったインサイドセールスに用いたりできます。

また、ホワイトペーパーはリード獲得や育成の初期段階だけでなく、顧客との信頼関係の構築にも役立ちます。例えば、契約の一歩手前まで話が進んで顧客の社内で稟議にかける際、ホワイトペーパーが稟議資料の参考文献として活用されることもあるでしょう。

そのような状況を見越して、ホワイトペーパーに導入事例や他社との製品比較、導入後の費用計算シートも加えておくと、契約締結までの道のりがスムーズになります。

増加傾向にある背景

ホワイトペーパーの作成が増加傾向にある背景として、情報化社会による営業スタイルの変化があげられます。

従来は営業担当者が顧客先に出向き、商品やサービスをすすめるというプッシュ型の営業スタイルが主流でした。しかし、顧客自らがインターネットで情報を集め、商品の購入を決めるケースが急増しており、プッシュ型の営業スタイルだけでは対応できなくなっています。

そこで企業はホワイトペーパーを配布し、獲得した情報をもとにリードを育成しながら関係性を作る、という営業スタイルが重要視されるようになりました。

種類

BtoBホワイトペーパーは、主に以下のような種類があります。

  • カタログ…自社製品やサービス
  • ノウハウ…社内に蓄積された手法や用語集
  • 導入事例…既に自社製品を利用している企業へのインタビュー記事
  • レポート…独自の意識調査や業界動向の報告書
  • チェックシート…自社の状況を判断するためのセルフチェックシート

情報を整理してできるだけ多くの種類を作成すると、リード情報をより多く獲得しやすくなります。

BtoB向けホワイトペーパーの事例

ホワイトペーパーを作成するにあたり、他社の事例を参考にするのも1つの方法です。資料そのものだけでなく、ホームページ上の見せ方にもそれぞれ特徴があります。

ここでは3件の事例を紹介するので、各企業の見せ方に注目してみましょう。

関連記事:ダウンロードされる!7種類のBtoBホワイトペーパー事例を解説

HubSpot:マーケティングノウハウ

マーケティング担当者に人気の高いCRM(顧客管理システム)を提供するHubSpotでは、豊富な資料を無料ダウンロードでき、新規リード創出、購買意欲の育成、顧客化に活用できます。

ホワイトペーパー一覧から特定の資料を選び「今すぐ無料ダウンロードする」をクリックすると、ダウンロード資料に含まれるコンテンツや関連情報を閲覧できます。

また、ページ下部に「よくある質問(FAQ)」を設置し、「なぜ情報を入力しなければならないか」「本当に無料か」という疑問にも答え、ユーザーの不安を払拭している点が特徴的です。

ホワイトペーパーダウンロードページ:https://www.hubspot.jp/marketing-library

Sansan:導入事例など多数

名刺管理クラウドサービスであるSansanの公式ホームページでは、生産性向上の手法やデジタルマーケティングのノウハウといった情報系のホワイトペーパー、導入事例、イベントレポートなどがダウンロード可能です。

提供資料の数の多さが特徴的で、名刺から獲得したリード情報の活用法や部署ごとの活用例、課題別の導入事例といったBtoB事業を行う担当者にとって、知っておくべき情報が豊富に用意されています。

「ダウンロード」をクリックすると「こんな人におすすめ」と具体的なターゲットを示し、ダウンロードを促進するような仕組みになっています。

また、全体的に白と青が基調のスッキリとしたデザインで、見やすくなっているのも特徴です。

ホワイトペーパーダウンロードページ:https://jp.sansan.com/resources/

SmartHR:漫画のお役立ち資料

SmartHRは、人事や労務向けクラウドソフトを提供しています。資料ダウンロードページでは、サービス概要・機能資料、人事労務お役立ち資料、導入事例資料の主に3種類を提供しています。

ページトップに「3点セット」を目立つように提示し、はじめて利用する人向けの資料を1度に3つダウンロードできる工夫をしています。その中に、漫画で解説したSmartHRの機能紹介資料もあり、ユーザーにとってのハードルを低くしているのが特徴です。

さらに、ダウンロード画面に飛ぶと、オリジナルのYouTube動画も貼っているページが用意されているなど、訴求力を高める工夫がされています。

ホワイトペーパーダウンロードページ:https://smarthr.jp/resources_service

【11の手順】BtoB向けホワイトペーパーの作り方

BtoB向けホワイトペーパーの作り方を、11の手順に分けて解説します。

手順①:ターゲットを決める

まずはターゲットを決めることから始めます。特に、ターゲットの「検討段階」を想定し、検討段階ごとに異なるホワイトペーパーを用意します。

検討段階と段階に応じたホワイトペーパーについては、以下の通りです。

  • 認知段階…ノウハウ(用語集、手法)
  • 課題に気づく段階…レポート(課題特定、トレンド)
  • 情報収集や比較段階…製品比較(価格表、費用計算シート)
  • 意思決定段階…製品比較、事例集(社内稟議向け)

手順②:課題を見つける

次に、顧客の課題を見つけてホワイトペーパーのテーマ選びにつなげます。課題の見つけ方は、実際に顧客と接する機会が多い営業、マーケティング、開発部門へヒアリングしましょう。

顧客から問い合わせの多い事項、困りごと、失敗事例などをヒアリングし、課題を絞り込みます。

手順③:テーマを設定する

ターゲットの検討段階や課題が特定できたら、ホワイトペーパーのテーマを決定します。ホワイトペーパーで顧客の悩みをどのように解決すればいいかが把握できれば、何の情報を掲載すべきかといった方向性がわかるようになります。

手順④:ページ数を設定する

大まかなページ数やページの割り当てといった、ページネーションを検討します。最低4ページ、多くても20ページ以内に収めるといいでしょう。

ページ数が多すぎると、途中で読むのをあきらめてしまう可能性があるため、なるべくコンパクトにまとめることをおすすめします。

手順⑤:ストーリーを考案する

ホワイトペーパーのストーリーは、顧客が自分事として捉えながら読み進められるよう工夫することが大切です。下記の「ホワイトペーパーの書き方」で詳しく解説しますが、顧客の状況を書き出し、課題がどのように解決されるかを具体的に提示しましょう。

手順⑥:デザインを考える

ホワイトペーパーのデザインもダウンロードされるための大切な要素です。自社のコーポレートカラーを基調に統一感を出したり、グラフや図を用いたりしてビジュアル的にアピールしましょう。

伝えたいことが多いと文字が多くなってしまいがちですが、余白やイラストを入れるなど工夫し、見やすさ重視で作成します。

ターゲットが若い世代だったりサービス内容が複雑だったりする場合、思い切って漫画にして、すべてイラストで伝えるのも1つの手段です。

手順⑦:タイトルをつける

タイトルはホワイトペーパーでとても重要です。魅力的なタイトルをつけるとクリックされやすくなり、コンバージョン率に大きな影響を与えます。タイトルをつける際のポイントを以下に紹介します。

  • 読むメリットが書かれている
  • 数字で訴求されている
  • ターゲットの特徴がわかる
  • コンテンツと一致している
  • 固有名詞など権威性がある
  • 難しい専門用語を避け、わかりやすい

手順⑧:ダウンロードされる対策を取る

ホワイトペーパーは、ターゲットに閲覧されなければダウンロードされないので、露出を高めるような対策が必要です。自社ホームページに掲載するだけでなく、メディアを更新してアクセス数を上げたり、メルマガでホワイトペーパーを案内したりして、認知度を高めます。

必要であればウェブ広告の出稿や、有料の外部サイトへの掲載を検討しましょう。

手順⑨:社内フォロー体制を整備する

ホワイトペーパーは作成するだけでは完了しません。ダウンロードされた後、リードへどのようにアプローチするか、社内体制を整備しておきましょう。

例えば、獲得したリード情報をもとにインサイドセールスを行ったり、営業部門に渡して電話営業をかけ温度感を確認したりするのも1つの手です。

手順⑩:MAツールで管理する

獲得したリード情報をもとにしたリード育成は、MAツールでの管理がおすすめです。MAツールを使うと効果的にリード分析ができ、商談へとつなげやすくなります。

特に、リードの検討段階が把握できる「リードクオリフィケーション」を行いやすくなるため、PDCAを回しやすくなるでしょう。

リードクオリフィケーションやおすすめのMAツールについては、こちらの記事をご覧ください。

リード分析で効果的な商談へ!リードクオリフィケーションの手法を解説

中小企業におすすめのMAツール9選!料金や機能を詳しく比較

手順⑪:内容を更新する

ホワイトペーパーに掲載した内容に変更がある場合は、修正して更新しましょう。価格変更や仕様など古い情報を掲載したままにせず、常に最新の情報を届けられるよう適切に管理します。

ホワイトペーパーを差別化するコツは社内資料から作成すること

ここまでホワイトペーパーの作成手順を紹介しましたが、それでも「作成するのは大変そう」と感じられたかもしれません。しかし、ホワイトペーパーはまったくのゼロから作成する必要はなく、社内資料からスタートさせることもできます。

実際、社内資料をうまく活用することで他社と差別化でき、オリジナルのホワイトペーパーをリリースできるようになった事例もあります。

社内資料が差別化につながる理由

社内資料が差別化につながる理由は、外部に公開していない資料が多く含まれるからです。

お客様との商談でしか開示しない情報、プロダクト開発や企画で参考にしているデータ、自社で培ってきたノウハウなど、社内でしか存在しないような情報をホワイトペーパーに盛り込むと、完全なオリジナルコンテンツを配信できます。

従って、ホワイトペーパー作成の担当者になった場合、社内のどこにコンテンツ化できるデータや情報が集まっているかを調べ、抽出するとよいでしょう。

社内資料を活用するメリット

社内資料をホワイトペーパーに活用するといくつかのメリットがあります。

まず、ゼロから作成するよりコストを抑えられるという点です。ホワイトペーパーをゼロから作成する場合、外注すると数十万円かかり、リリースまでに時間がかかってしまいます。

その点、すでにある社内資料を使えば、社内で見せ方を整えるだけでコストを大幅に抑えられるうえ、すぐに配信できるでしょう。

また、社内資料を使わずゼロからホワイトペーパーを作成しようとすると、形だけのホワイトペーパーになりがちです。つまり、作成自体が目的になり中身がおろそかになる恐れがあります。顧客にとって有益な情報を伝えるためにも、社内資料を使って内容の濃いホワイトペーパーを作成しましょう。

社内資料の種類

ホワイトペーパーで使える社内資料は、以下の通りです。

  • 顧客向けの資料
  • セミナーや講演会で使ったスライド
  • メルマガのコンテンツ
  • 独自のリサーチ、競合分析
  • 従業員や顧客向けの診断シート
  • 社内ナレッジ、用語集、マニュアル

それぞれの資料を管理している担当者に問い合わせ、情報を収集しましょう。

ホワイトペーパーの基本の書き方

BtoBホワイトペーパーの書き方の基本的な構成は、次のような流れになります。

  1. 背景
  2. 課題
  3. 具体例
  4. 提供サービス

それぞれ具体的に紹介します。

書き方①:背景

まずは背景で日本経済の状況、業界動向といった共通している情報を提供し、共感してもらいます。最近だと、以下のような背景が挙げられるでしょう。

  • コロナ時代
  • 働き方改革
  • 生産性向上
  • 少子高齢化、人口減少
  • 人手不足
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)
  • SDGs

業界に応じて当てはまるものを選び、冒頭で話題作りをします。

書き方②:課題

課題の提示では、当事者が直面しがちな問題を示して、さらなる共感を呼びます。つまり、「自分のことだ」「同じことに悩んでいる」と、自分事として捉えてもらう必要があります。

「今日もシステム障害があった」「また離職率が上がった」「ペーパーワークで残業時間が増えている」といった担当者の「あるある」を書き出しましょう

書き方④:具体例

次に、「あるある」課題をどのように解決すればいいかについて具体例を提示します。ここではまだ自社プロダクトやサービスを紹介せず、一般的な解決策を示しましょう。

人は売り込まれるような営業行為を好まないため、自社PRを全面的に押し出すと、途中で読むのを止めてしまう恐れがあります。従って、課題を解決できるノウハウやデータなど、役に立つ情報を書きましょう。

書き方⑤:提供サービス

最後に、自社でどのようなサービスを提供しているか簡単に紹介します。しかし、商品機能カタログでない限り、具体的な紹介は避けるようにしましょう。

ホワイトペーパーの目的は「有益なコンテンツ」を提供しリード情報を獲得することであるため、売ることを目的とした広告とは役割が異なります。その点を抑えた上で、提供サービスの書き方に気をつけましょう。

ホワイトペーパーの作り方をおさえてリード獲得につなげよう

BtoBホワイトペーパーは、掲載する数を増やすほど多様なニーズに応えられ、その結果リード獲得数も増加します。従って、いくつか種類を用意することが理想的ですが、形だけ用意しても意味がありません。

本稿で紹介したように、内部資料を活用してターゲットの検討段階に応じたホワイトペーパーを作成しましょう。そしてMAツールでリード情報を管理することも重要です。

営業DX.jpでは、効果的なホワイトペーパーの作成についてプロにご相談いただけます。また、ホワイトペーパー制作の代行も可能です。

リード獲得にお困りの方は、以下のフォームからぜひお気軽にお問い合わせください!

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松永創

FLUED CEO / 代表取締役 Hubspotシニアスペシャリスト

B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。 HubSpotゴールドパートナーとしても認定され、サポート実績多数。WEBを中心としたオンライン施策から、インサイドセールスや展示会といったオフライン施策まで幅広く支援している。携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。 B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。