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MAツールとは?
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、企業がマーケティング活動で行っている定型業務を自動化できるシステムのことです。
マーケティング活動においては、メール配信や見込み顧客管理、ウェブサイトの訪問者分析など、日々同じ作業を繰り返す業務が多く発生します。そのような業務をシステムが自動的に行い、業務負担を軽減したり、部門間のデータ連携を容易にしたりするのがMAツールです。
近年は、コミュニケーションツールの多様化や顧客の増大などによって、マーケティング担当者が行う業務が増えつつあります。とくに中小企業においては、専門知識を持った人材が不足しがちです。
MAツールを利用することで、マーケティング活動を高効率・高品質に展開できるようになります。
ちなみに、主要なMAツールの機能を徹底的に比べられる、比較表を無料配布中です!
Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)やMarketo、HubSpotなど、各ツールでできることを機能ごとに一覧化した便利なシートです。ツール選定の参考資料としてぜひご活用ください。
中小企業がMAツールを導入するメリットとは?
ここでは、中小企業がMAツールを導入するメリットを2つご紹介します。
定型業務を効率化できる
中小企業がMAツールを導入することで、マーケティング活動で負担になっている定型業務を効率化できるのがメリットです。機械でできる部分はシステムへ任せることで、マーケティング担当者がよりコアな業務へ集中できるようになります。
MAツールで効率化・自動化できる業務の一例は以下です。
- メールテンプレート作成
- フォーム作成
- ランディングページ制作
- リードデータの一括管理
- リードのスコアリング
- ABテストの実施
- シナリオ作成
- セグメンテーションの実施
- ターゲティング広告の配信
担当者が普段行う定型業務から、人の手では実施しにくい業務まで、さまざまに対応できるのが特徴です。中小企業がMAツールを使うことで、人手不足を解消し、より全体的な視点でマーケティング活動を行えるようになります。
属人化を解消できる
中小企業がMAツールを導入することで、知識や経験を特定の人材にとどめることなく、組織で共有できるのがメリットです。
たとえば、見込み顧客へのメール配信業務においては、作成するメール内容は個々の担当者にゆだねられているのが通常でした。対してMAツールを使うことで、どのメール内容が効果があったのかを分析・改善して、組織のスキルとして蓄積できるのです。
ほかにも、Webサイトのトラッキング分析やセグメントの分類など、人手に頼りやすいさまざまな業務が存在します。とくに従業員があまり多くない中小企業においては、専門人材へ必要以上に頼ることなく、業務を効果的に進められます。
中小企業におけるMAツールの選び方
ここでは、中小企業がMAツールを選ぶ際のポイントを合計で3つご紹介します。
使いやすさに優れているか
とくに、専門知識がなかったり、初めてMAツールを使ったりする場合は、できるだけ使いやすい製品を選択しましょう。中小企業においては、専門人材が揃っていないことが多いためです。
最近のMAツールには、シンプルさをウリにした製品や、データを視覚的に理解できる製品が多く登場しています。
また、自社にとって使いやすいMAツールであるかどうかを判断するには、必要な機能を明確にすることが大切です。SNSでのアプローチが多い企業は、SNSの連携・管理機能を備えたものを、メールでのコミュニケーションが多い企業は、メールテンプレートの作成機能を備えたものを選択しましょう。
導入費用やランニングコストはどれくらいか
大企業ほど資金的な余力がない中小企業にとっては、どれくらいの費用がかかるのかは気になるものです。MAツールを比較する際は、必ず導入費用や月額料金を確認しましょう。
導入費用は製品にもよりますが、10~30万円前後が一般的です。未経験の担当者でも使えるシンプルな製品であれば、1万円程で導入できる製品も存在します。
また、ランニングコストは月額固定で設定されていることがほとんどです。なかには、WebサイトのPV数や顧客アカウント数に応じて、別途で従量課金が発生するMAツールもあるので、併せてチェックしておきましょう。
サポート体制は充実しているか
「MAツールの使い方が分からない」「導入後に成果を挙げられるかが不安」といった中小企業の担当者は、サポート体制の充実度でMAツールを選定するのがおすすめです。サポートを活用することで、いち早くマーケティングで成果につなげられるようになります。
なかには、導入後に無料でコンサルティングサービスを受けたり、製品の活用セミナーを受講したりできるMAツールが存在します。また、導入前における運用方針の策定段階から関わってくれるサービスもあるので、確認してみましょう。
とくに中小企業では、十分なリソースを割けなかったり、ノウハウが不足していたりすることが多いです。そのような場合は、サポート体制の活用を積極的に検討してみてください。
中小企業におすすめのMAツールの比較表
以下で、中小企業におすすめのMAツール9製品の比較表を掲載します。それぞれの特徴や料金の違いなどを比較して、ぜひ導入の参考にしてみてください。
ツール名 | サービスの特徴 | 初期費用 | 月額費用 | 無料トライアル |
HubSpot(Marketing Hub) | マーケティングツール | ― | 5,400円~ | 〇 |
Satori | MAツール | 300,000円 | 148,000円 (従量課金あり) | ― |
Account Engagement(旧Pardot) | BtoB MAツール | ― | 150,000円~ (従量課金あり) | 〇 |
マルケト | マーケティングプラットフォーム | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
ListFinder | MAツール | 100,000円~ | 39,800円~ (従量課金あり) | 〇 |
Kairos3 | MA・SFAツール | 10,000円 | 6,000円~ (従量課金あり) | 〇 |
SHANON MARKETING PLATFORM | MAツール | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
b→dash | データマーケティングプラットフォーム | 要問合せ | 要問合せ | 〇 |
MAJIN | MAツール | 別途見積 | 100,000円~ | ― |
中小企業におすすめのMAツール9選
ここでは、中小企業の導入に適したMAツールを、合計で9製品ご紹介します。
HubSpot(Marketing Hub)
HubSpotは、アメリカ発のインバウンドマーケティングツールです。「Marketing Hub」「Sales Hub」「Service Hub」「CMS Hub」の4つに分かれており、「Marketing Hub」の製品がMAツールに該当しています。
HubspotのMarketing Hubでは、ランディングページ作成機能やEメールテンプレート作成機能などを用意しています。ほかにも、SEOの改善案を提案したり、顧客とのコミュニケーションを自動で記録したりできるのが特徴です。
【機能の一例】
- フォーム作成
- 広告管理
- Eメールやウェブチャットなどの受信トレイ管理
- Eメールテンプレートの作成
- チーム共有アドレス
- ウェブチャット・チャットボット
- コンタクトリストの作成・更新
【プラン/料金】
- 無料版
- Starter…月額5,400円~
- Professional…月額96,000円~
- Enterprise…月額384,000円~
Satori
Satoriは、顧客開拓の仕組み化を目的として開発されたMAツールです。リードジェネレーションやリードナーチャリングの機能を筆頭に、さまざまなマーケティング施策をサポートしています。
たとえば、資料ダウンロードフォームや問い合わせフォームを作成したり、集めたリードを一元管理したりできます。また、確度の高い見込み顧客を抽出できるなど、より高度なマーケティング施策の実行も可能です。
【機能の一例】
- リードマネジメント・トラッキング
- ランディングページ制作
- シナリオ作成
- セグメント作成
- Webサービスとの連携
- レポーティング
【プラン/料金】
- 初期費用…300,000円
- 月額料金…148,000円(従量課金が発生する場合もあり)
Account Engagement(旧Pardot)
Account Engagement(旧Pardot)の公式ホームページで詳しく見る
Account Engagement(旧Pardot)は、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するMAツールです。同社が提供するSalesforceのシステムと一体型になっており、連携させることでセールス活動をより効率的に展開できます。
主にBtoBの顧客を抱える企業を対象としているのが特徴です。リードの開拓から育成、営業担当者への引き渡しまで、一貫してサポートしています。
【機能の一例】
- セールス担当者への通知機能
- キャンペーン専用ページ・申し込みフォームの作成
- Eメールテンプレート作成
- 見込み顧客の優先順位付け
- ダッシュボード
【プラン/料金】
- Growth…月額150,000円
- Plus…月額300,000円
- Advanced…月額480,000円
マルケト
マルケトは、世界5,000社以上で導入実績をもつMAツールです。「メールマーケティング」「ソーシャルメディアマーケティング」「モバイルマーケティング」など、合計で10程の機能を搭載しています。
マルケトでは、オンライン・オフライン問わず、さまざまなチャネルから収集した顧客情報を一元管理し、顧客体験を設計・提供できます。オープンな設計を採用しているので、既存システムと連携しやすいのが魅力です。
【機能の一例】
- メール作成・自動配信
- 顧客セグメントのリアルタイム更新
- レポート・ダッシュボード
- カスタマージャーニーマップの作成
- CAのパーソナライズ化
- レコメンドコンテンツの見つけ出し
【プラン/料金】
- 要問合せ
ListFinder
ListFinderは、国内で1,600以上のアカウント実績をもつMAツールです。月額3万円台から利用でき、初めての方にとっても導入しやすい価格設定となっています。
また、導入初期に無料のコンサルティングサービスを受けられるのが特徴です。BtoBマーケティングを効率化したいけれども、初めてなので気軽に利用してみたい方に適しています。
【機能の一例】
- 名刺データ化代行
- 企業属性の付与
- メール配信
- フォーム・セミナーページ作成
- 外部ツール連携
- PDF閲覧解析
【プラン/料金】
- 初期費用…100,000円
- ライト…39,800円
- スタンダード…59,800円
- プレミアム…79,800円
Kairos3
Kairos3は、カイロスマーケティング株式会社が提供するMA・SFAツールです。マーケティングと営業の連携を強くし、より効率的に受注へと結び付けられます。
Kairos3は、MAとSFAが連携しているので、フォロー漏れから発生する機会損失を防げるのがメリットです。管理画面はシンプルな設計なので、専門知識がなくてもすぐに使いこなせます。
【機能の一例】
- リード管理
- メール配信
- スコアリング
- オフライン接点管理
- セグメンテーションの自動作成
- 名刺管理アプリとの連携
【プラン/料金】
- 初期費用…10,000円
- 月額6,000円~(保有リード数・月間PV数・月間メール送信数に応じて変動)
SHANON MARKETING PLATFORM
SHANON MARKETING PLATFORMの公式ホームページで詳細を見る
SHANON MARKETING PLATFORMは、マーケティング業務の自動化や効率化を目的として作られたMAツールです。マーケティングはもちろん、リアル・バーチャルイベントの管理やセミナー管理といった業務を効率化します。
SHANON MARKETING PLATFORMを導入することによって、業務負担の軽減や部門間の連携強化を実現できるのがメリットです。マーケター・営業パーソン・顧客の3者にとってメリットになるよう、最適なソリューションを提供しています。
【機能の一例】
- リード管理
- ランディングページ・Webフォーム作成
- セミナー・イベント管理
- ソーシャル情報の管理
- Webトラッキング
- キャンペーンマネジメント
【プラン/料金】
- 要問い合わせ
b→dash
b→dashは、プログラミングの知識を必要としない「ノープログラミング」で、データを統合したり活用したりできるデータマーケティングプラットフォームです。MAをはじめ、BI・CRM・CMSなど、さまざまな機能を利用できます。
MAの機能においては、SMSやLINE、アプリプッシュなどのさまざまなチャネルからのアプローチが可能です。データを基盤とすることによって、細かなセグメンテーションやアプローチを実現できます。
【機能の一例】
- クロスチャネルシナリオの作成
- 購入促進メールの作成
- お誕生日メールの作成
- セグメントの作成
- DMサービスとの連携
【プラン/料金】
- 要問合せ
MAJIN
MAJINは、マーケターがコア業務に集中できるよう、生産性向上を手助けできるMAツールです。BtoB企業だけでなく、BtoC企業のマーケティング活動もサポートしています。
MAJINは、シンプルな画面で操作しやすいのが特徴です。フォーム作成業務やシナリオ設計業務などを自動化し、質の高いリストを営業担当者へ渡せます。
【機能の一例】
- カスタマー管理
- ラベル設計
- フォーム作成
- 一斉配信・定期配信・シナリオ配信(メール・LINE・SMSなど)
- キャンペーンレポート・カスタマージャーニーレポート
【プラン/料金】
- 初期費用…別途見積り
- スタンダードプラン…月額100,000円~
中小企業がMAツールの運用で失敗しないためのポイント
中小企業がMAツールの運用で失敗しないためには、運用目的を明確にすることが大切です。目的を明確にしていないと、数値目標を立てられなかったり、MAツールの機能を使いこなせなかったりするためです。
マーケティング活動においては、「見込み顧客を獲得すること」「リードナーチャリングを行うこと」「営業へリストを引き渡すこと」など、さまざまなプロセスが存在します。それぞれの段階で、具体的にどのような施策を行っているのかを運用前に把握しておくことが必要です。
また、各プロセスを実行するためのリソースやスキルも確保しておきましょう。中小企業で人材が足りないような場合は、コンサルティングやアウトソーシングを活用するのも一つの手です。
中小企業がMAツールの運用で失敗しないためには、事前の準備が欠かせません。社内の状況をよく理解し、自社に合ったMAツールを運用しましょう。
中小企業でもMAツールを導入して業務効率化
この記事では、中小企業がMAツールを導入するメリット、製品の選び方やラインナップ、運用で失敗しないためのポイントを解説しました。多機能なMAツールに目が行きがちですが、まずは自社の要件と合致しているのかを確認することが重要です。
まだ、MAツールの選定に悩まれている担当者の方は、ぜひ「Hubspot」も検討してみてください。機能が充実した無料プランを用意しているので、未経験の方でも気軽に試すことができます。
ちなみに、主要なMAツールの機能を徹底的に比べられる、比較表を無料配布中です!
Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)やMarketo、HubSpotなど、各ツールでできることを機能ごとに一覧化した便利なシートです。ツール選定の参考資料としてぜひご活用ください。