みなさんの会社は、オンライン展示会に出展されたことはありますか?オフラインで、これまでのように展示会が開催できなくなり、各社がオンラインへシフトしつつあります。
オフラインでのノウハウ活用や、オンライン展示会ならではの準備が求められ、各企業の方々もさまざまな対応を迫られています。
本記事では、オンライン展示会に関して押さえておくべき必要情報を網羅的にお伝えします。本記事を読んでいただくことで、オンライン展示会への疑問や対処方法が明らかになるはずです。
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コンテンツ目次
オンライン展示会とは
オンライン展示会とは、オンラインプラットフォームやウェビナープラットフォームを活用し、オンライン上でバーチャルに実施する展示会です。
これまで展示会といえば、大きな会場を貸し切り、各企業が出展し、一つのテーマに則って自社のサービスやソリューションの紹介を行ってきました。しかし2020年以降は、コロナ禍によりオフラインの展示会が軒並み中止に追い込まれ、開催数も激減してしまいました。
しかし、各企業は営業活動を継続させる必要があり、コロナ禍においても安全面を最大限に配慮し、オンラインで展示会を開催しています。オフラインのようにFace-to-Faceの開催が厳しくても、各企業は試行錯誤を行なっており、オンラインプラットフォームのベンダーもユーザーのニーズを満たせるような新たなソリューションを提供しています。
このように、Webなどのオンラインプラットフォームを活用して行う展示会を「オンライン展示会」「Web展示会」「バーチャル展示会」等と呼んでいます。
オンライン展示会のメリット・デメリット
オフライン展示会とオンライン展示会は、共通部分もありますが大きく違います。具体的にどういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。
オンライン展示会のメリット
リード獲得数が多い(CPAが数百円程度になるケースも)
オンライン展示会は文字通りオンラインで実施します。つまり、場所の制約を受けないため、通常オフラインで開催される際に基準となる参加者数の上限が実質無くなります。
したがって、参加費用等の制限を設けない限り、参加者は誰でも参加できます。その結果として、オフラインで行われる場合に比べ、出展企業が多くのリードを獲得できます。
コスパよくリードが獲得できるということは、結果として、オンラインのブースへの出展費用を、獲得したリードで割った際、リード獲得にかかる費用(CPA)が非常にお得になります。
気軽に参加できる、普段参加できないイベントにも参加できる
また、気軽に参加できることもメリットです。オフラインの展示会へ参加する場合、会場まで移動する必要があります。企業によっては遠方からの参加になりますが、オンラインであれば出張の必要もなく、事前登録のみで参加可能です。
このようにオンラインだからこそ、日本中どこでも、さらに言えば、世界中から興味を持ったイベントに事前登録を済ますことで気軽に参加できるのです。
オンライン展示会のデメリット
とりあえずの参加者も多い
メリットでも記載しましたが、気軽に参加できてしまうことはデメリットでもあります。
オフラインであれば、開催場所に出向かなければなりません。移動や費用も伴うので、参加するために日程を調整し、それなりの目的を持って参加者が集まります。
しかしオンライン開催の場合、オフィスや家にいる状態で参加できます。その気軽さは展示会参加へのハードルを低くしてくれますが、「ラジオを聞きに来たくらいの感覚」で参加される方が多いのも事実です。
ラジオのようにBGM感覚で参加される方も多いということは、「ながら参加者」が一定数いるということです。つまり、課題顕在層のリードは少なく、数多い参加者のリードの中から課題潜在層リードを選別することが大変になるでしょう。
オンライン展示会の参加者に対する期待値は、「メールアドレスや連絡先を取得する施策」と割りきり、より課題顕在層向けの自社ウェビナーに誘導するなどの施策が、後追いとして必要と考えた方が良いかもしれません。
ネットワーク次第で視聴環境が不安定
また、オンライン展示会は、参加の制限は実質ないとメリットで言及しましたが、オンラインの場合でも制限があります。オンラインで行われる場合、想定以上の参加者数によりネット回線に負荷がかかり、多くのトランザクション量に耐えられないケースが稀にあるのです。
BtoBビジネスの場合、そのようなケースは稀ですが、オンラインで実施される以上、ネットの回線が弱く閲覧視聴ができなくなるというリスクもゼロではありません。通常は予想以上のトランザクションに耐えられるようサーバーを増強するなどの対策を練りますが、ネットワークに繋がらないというリスクはデメリットの一つだと言えるでしょう。
また、視聴者のネット環境に問題がある場合もあります。主催者がいくら準備をしても、参加者のネット環境が脆弱であれば元も子もありません。このようにオンライン展示会では、主催者も参加者もネット環境が安定していることが成功の一つの要素と言えるでしょう。
オンライン展示会の開催方法・やり方
本章では、オンライン展示会の3つの開催方法をご紹介します。有料の参加方法は、「自社で展示会を開催する」「オンライン展示会へ出展する」パターンの2つです。無償で参加する方法もあり、例えばZoomなどの動画ツールを使い、テーマごとに録画・アーカイブして、自社のHPへ展示会ページを簡易的に常設する方法もあります。
有償:自社でオンライン展示会を開催
一つ目は、自社でオンライン展示会を開催する方法です。自社で予算を取り、広告費をかけ、スポンサーを集め、ゲストスピーカーなどの目玉となる登壇者を調整します。
自社で展示会を開催する場合、骨の折れる作業や事前交渉も多く大変ですが、自社の描くコンセプトを、想いのままに参加者に伝えることが可能です。
自社でオンライン展示会を開催する場合は、自社のサービスと関連性があるが、競合にならないソリューションを提供している企業やパートナー企業に声をかけると良いでしょう。ターゲットとする想定顧客が重なっている場合に、互いにメリットがありながらリードを獲得することができるでしょう。
有償:オンライン展示会へ出展
続いては、主催者のイベントに参加者として出展するパターンです。
出展費用がかかりますが、イベントで登壇する枠を買取り、自社のコマに参加した方々をリストシェアしてもらい、リード獲得する方法があります。
また、自社の枠だけでなく、イベントに参加登録したリストもシェアされる条件になっていれば、数多くのリードを獲得できるでしょう。この場合、すぐに商談にはなる見込みは低いですが、オンライン展示会に参加することで自社のリードを確実に増やしていくことができるでしょう。
無償:Zoomビデオを作成しアーカイブ
続いては、自社で行なったウェビナーをアーカイブしていきテーマごとに整理し、バーチャル展示会を常設するパターンです。決して参加者は多くなくとも、定期的に開催する自社のウェビナー動画をテーマごとに揃えていくだけで、一通りの網羅性のあるコンテンツが揃います。
それを、HPや広告リンクから流入してきたリードが閲覧すれば、見込み顧客としてアプローチを開始できます。特に、それほど認知度も高くない企業の場合でも、コンテンツを地道に揃えていき、訪れた人を個別にフォローすることで、質の良いリードからの商談を作っていけるでしょう。
予算が確保できない企業は、自社のコンテンツを増やしていき、興味のある見込み顧客のニーズに合わせてアーカイブ動画を提供しましょう。さらに興味があれば、すぐさま商談をセットできるため、非常に効率の良いアプローチだと言えるでしょう。
オンライン展示会の開催事例3選
BOXIL EXPO
BOXILは、スマートキャンプ社のサービスの一つで、さまざまなツールやソリューションの比較サイトを利用者に提供しています。そのBOXILが、職種別や最近のトレンドに沿った展示会を定期的に開催しています。「営業・マーケティング」向けや、「経理・財務・総務・法務」向けといった、職種ごとのニーズに合わせて開催しています。
参考:BOXIL EXPO
ITmedia SaaS EXPO
ITメディアは、ITに関するトレンド記事を取り上げているメディアで、普段からお世話になっている人も多いでしょう。そのITメディアが、SaaSサービスに特化し開催したオンライン展示会です。
すでに終了していますが、「基調講演」「ゾーンカテゴリー」「協賛社」と記載があるように、参加者を集めるための基調講演を用意したり、利用者の趣旨に合わせてカテゴリーを分けたり、スポンサーを募って開催したりするなど、オーソドックスな展示会の形態をとっています。その上で、オンライン上で大規模に実施している事例です。
Japan IT Week
Japan IT Weekは上記2社と異なり、より広いカテゴリーで展示会を開催しています。上記2社が主にSaaSサービスを中心としていたのに対し、ITという大きなカテゴリーで展示会を開催したため、相当な参加人数だったと考えられます。
その他のイベントに関しては、「2021年度オンライン/オフライン展示会・イベント一覧を無料公開!」にてイベント一覧を確認いただけます。
オンライン展示会の費用相場
オンライン展示会の費用相場は、ブース出展からメインスポンサーになるまでまちまちですが、一言で言うと数万円〜1000万円以上と非常に幅広く値付けされています。それこそ、展示会の一ブースや一コマ登壇というレベルであれば数万、もしくは20万〜30万で参加可能です。
一方、どの企業が主催するイベントかによってもこの費用は異なってきます。大手の新聞社やメディアが主催し、イベントとして一般的に注目度が高いものであれば、政府関係者や大企業のCクラスの方も参加するでしょう。その場合、一コマ話すだけでも100万前後の費用がかかる可能性があります。
また、Web展示会に申し込むタイミングも重要です。締め切り間近で枠が余っている場合は、タイムセールのように割引価格で出展費用を安く抑えることができます。需要と供給のバランスやタイミング、イベントの位置付けやターゲットとする層次第で相場は上下するでしょう。
「2021年度オンライン/オフライン展示会・イベント一覧を無料公開!」で入手できるスプレッドシートには、費用相場についてまとめていますのでご確認いただければと思います。
オンラン展示会を成功させるために注意すべき3つのこと
本章ではオンライン展示会、バーチャル展示会を成功させるために気をつけておくべきことに触れます。オンラインだからといって、今までオフラインで実施していたことが役に立たないわけではありません。
1.今までのオフラインの商談ノウハウを活かす
オンライン展示会を開催する場合、ゼロベースで何か準備をしなくてはいけないと思う企業の方もいるかもしれません。しかし決してそうではありません。オフラインで、これまでFace-to-Faceで対応していた営業ノウハウも十分活用できるのです。
例えばオフライン展示会の場合、以下のような顧客アプローチが可能です。
- 会場でのお声がけ
- 立ち止まって名刺交換
- 立ち話をして課題ヒアリング
- 席に座ってミニ商談、デモや見積もりへ導く
これらのアプローチは、オフラインだけでしか通用しないわけではありません。いくつかのツールが必要かもしれませんが、MAやWeb接客ツールなどを使い、オンライン展示会に訪れる見込み顧客に、自社の勝ちパターンや、評判の良いコンテンツをタイミングを見て差し込むことができます。
オフラインのように、表情や微妙なニュアンスを感じ取ることはできなくても、顧客の意図や望む情報、自社が導きたい動線を作り出す工夫はオンラインでも同様に準備できるのです。
2.オンラインデータを最大限活用する
オンライン展示会だからこそ、オンラインデータを活用しましょう。Web上の見込み顧客の興味関心のあるコンテンツや、ダウンロードした資料、どのページにどのくらいの時間滞在したかどうかの情報が取れます。
行動は、訪問者の興味関心を明らかにします。興味がなければ資料をダウンロードしないですし、長時間滞在もしません。見込み顧客の行動をもとに分析をかけ、次のアプローチの最適な選択肢を考えることができるのです。
オンラインだからこその裏付けのあるアプローチを意識しましょう。
3.デジタルアプローチへ舵を切るマインドセットを持ち、行動
今後も、まだまだオフラインではなく、オンラインアプローチが続くことが予想されます。オフラインでしかアプローチができていない企業や、苦手としている企業は、デジタルアプローチをするというマインドセットが極めて重要です。
緊急事態宣言でオフィスへの出社が激減し、リモートワークが一気に広がりました。ある程度の強制力が働けば、リモートワークを推奨していなかった企業や人も、リモートワークを導入せざるを得ない状況になり、即座に対応しました。
やればできるのです。デジタルシフトも「今までやったことがないからわからない」と言ってはいられません。やるしかないんだと覚悟を決め、マインドセットを持つことが非常に重要です。
競合他社も、決してデジタルアプローチが得意ではなくても、その方法しかないという気持ちで取り組んでいるはずです。テクニカルやノウハウは重要ですが、最後は気持ちの問題を解決することで、状況は打開できるはずです。
オンライン展示会開催後のリードへの営業アプローチ
オンライン展示会開催後、オフライン同様、リードへのアプローチから営業活動を開始します。どのような方法やツールを使ってアプローチするのかについて触れていきます。
MAで展示会参加者の興味関心を理解
MA(マーケティングオートメーション)を活用し、オンライン展示会の参加者に御礼メールを送るところからアプローチ開始です。
- メールの開封有無
- リンクのクリック有無
- シナリオによりコンテンツを出し分け
- HPのどのコンテンツにどのくらい滞在したかで興味関心を探る
- 反応がなくとも定期的にアプローチ
このようにMAを活用し、見込み顧客アプローチを行います。さらに、MAで得た情報を踏まえ、インサイドセールスからBANTC情報をヒアリングしていきます。MAは便利ではあるものの、見込み顧客の興味関心度合いや検討度合いを完全に把握することは困難です。インサイドセールスのアプローチを経て営業活動につなげていきましょう。
オンライン商談ツールで商談を実施
MA+インサイドセールスのアプローチの結果、アポが取れたとして実際に客先へ訪問できればいいですが、必ずしもオフラインでの営業ができるわけではありません。そこで、オンライン商談ツールを使って効果的に面談を実施しましょう。
これらの2つのツールは、オンライン商談向けに使い勝手が最適化されていたり、音声機能が豊富に揃っていたりします。たとえ訪問ができなくとも、オフライン同様に臨場感のあるやりとり、かつスムーズなコミュニケーションを取ることができるでしょう。
これらのツールは、まさに、営業をデジタルトランスフォーメンションすることをサポートしてくれる営業DXツールです。
SFAで商談管理
商談が作られ契約へのフォローアップをしていく中で、SFA(営業支援)ツールも必須です。オンラインでもオフラインでも、営業活動を進める上で、みなさんの助けとなってくれます。
例として、Hubspotとセールスフォースを列挙していますが、自社にあったツールが何かを理解した上で活用されることをお勧めします。上記の2社のみならず、SFAにはさまざまな種類があります。下記のリンクを参照しながら比較検討をしてみてください。
関連記事:【SFA比較】主な営業支援ツール(SFA)の特長と違いを解説
まとめ:オンライン展示会への出展をお考えなら
オンライン展示会について触れましたが、いかがでしたでしょうか。
オンライン展示会のメリット・デメリット、開催方法や参考例、オンライン展示会後の営業アプローチについても触れました。今までオフラインで行ってきたノウハウを活用できる部分もありますが、オンライン展示会向けに準備をすべきことも多数あります。
オンライン展示会を開催するには、参加費用さえ出せば出展できますが、成功させるための方法理解や、参加後のオンラインアプローチ次第で結果も大きく変わってきます。
まずはどういった展示会やイベントがあるのかを把握していただき、ご不明な点等あればお気軽にご相談いただければ幸いです。貴社のオンライン展示会の成功を最大限支援できればと思っています。
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