セールステックは、企業が営業活動を行う上で有効なツールです。しかしながら、このセールステックツールを使いこなしている企業もあれば、これから導入を検討している企業、導入しているが使いこなせていない企業など、さまざまです。
本記事では、セールステックの基本から期待効果、使いこなす際のポイントについて網羅的にご紹介いたします。
株式会社FLUEDではBtoBのマーケティングにお悩みの方へ、無料のオンライン相談会を実施しております。
数多くの企業様をご支援してきた経験からBtoBマーケティングに関する質問、疑問にお答えいたします。
コンテンツ目次
セールステックとは
まずはじめに、セールステックとは何なのか、その言葉の意味や求められる時代背景について触れていきます。セールステックツールの言葉を耳にするようになっても、いまだにピンと来ていない方もいらっしゃると思いますので、これを機に理解いただければ幸いです。
セールステックツールの基本
セールステック(SalesTech)とは、営業(Sales)+技術(Tech)を組み合わせた言葉であり、日々の営業活動をITを駆使して効果的に行うためのツールのことを総称して呼んでいます。セールステックツールを活用することで、企業が抱える主たる課題である人手不足の解消、働き方改革、営業活動の効率化、成約率の向上、そして何よりも売り上げや利益の向上などが期待されます。
セールステックツールが求められる背景
セールステックツールが求められる背景として、下記のことが例として挙げられます。
- 営業活動を効率化したいという企業の課題
- 営業力や成約率を向上させたい
- コロナ禍の影響により、働き方改革を迫られている
- 営業力を持った人材が不足している、育成する余裕がない
- 自社の勝ちパターンや再現性のある営業活動を、メンバー全員に行ってほしい
- 営業が何を行なっているかを可視化し、コーチングに活かしたい
上記は求められる背景のほんの一例です。このような背景や課題をマンパワーを使って解決するには、リソースや時間がどうしてもかかります。そのような事情も踏まえ、少ない人数かつ限られた状況の中で、何とか生産性をあげて営業数字を達成するために、セールステックツールが求められているのです。
セールステックツール導入で得られる期待・効果
営業力強化に向けた補助ツールであるセールステックですが、実際に導入することでどういった効果が得られるのでしょうか。得られる期待・効果について触れていきます。
売上・利益の向上
まずはじめに得られる効果は、売上・利益の向上です。
セールス活動を、テクノロジーを通して向上・改善させていくのがセールステックです。従って、マンパワーを使って行っていた営業を、テクノロジーを使って科学的にアプローチできるようになり、その結果としてトップラインである売上の増加や利益率改善が期待できるでしょう。
セールステックツールといってもCRM、SFA、SET、BI、Web面談ツール、その他にもさまざまなものが存在しています。どのツールにしても、最終的には今の営業活動が改善され、新たな知見や洞察が生まれることで最終的に売り上げや利益を向上させることを目標としています。
営業活動の効率化
売上増加、利益の改善には、営業活動の効率化が不可欠です。前の段落と、原因と結果の関係に相当しますが、セールステックツールを導入することで営業活動が高確率で改善されるでしょう。マンパワーには限度がありますし、有益なツールを使うことで見えなかった数字や、人の活動の癖、顧客の思いなどが、行動データを基準に可視化されるようになります。
最終的に、クロージングを行う場面やクレーム処理、顧客との関係を強固にする場面では、人と人との真剣勝負が雌雄を決します。しかしながら、日々の営業活動やルーティーンワークなどについては、セールステックツールを活用して業務を効率化することが可能です。
営業活動を可視化し、振り返って反省し、次のアクションに活かすPDCAを回せるようになるため、セールステックツールを活用することで日々の営業活動が効率化されるという効果が期待できるのです。
営業パーソンのモチベーションの向上
セールステックツールを活用すると、営業は自身の活動記録を把握できたり、振り返って辿れたり、必要なデータを思いのままに抽出したり、日々の営業活動を行いやすくしたりと、自身の営業活動が楽になります。
営業活動は、お客様に自社のソリューションや製品の価値を感じていただき、役に立ってもらうという非常にやりがいのある仕事ですが、必ずしもいい面ばかりではありません。やらなくてはいけないけれどリソースや時間を割かないといけない作業、いわゆる雑務も少なくありません。
セールステックツールを活用すれば、そのような業務を削減し、本来の営業の醍醐味である提案や顧客との交渉に、より多くの時間を割けるようになります。また、商談を前に進めるための洞察を与えてくれたりもします。このように、セールステックを活用することで日々の営業活動がサポートされ、営業パーソン本人のモチベーションの向上にも大きく寄与するでしょう。
実際に、様々なセールステックツールを使いこなすと、ツール無しでの営業活動は想像できないくらい快適だと感じられるかもしれません。さらに、本人の営業活動をいかにサポートしてくれているかを身を持って理解できるようになるため、セールステックツールを手放せなくなるでしょう。
営業力の効果、対顧客に対する品質改善
セールステックを活用することで、今まで費やしていた業務を削減できると上記でお伝えしました。それは社内の業務だけにとどまりません。セールステックの活用は、顧客に対する準備の時間、提案活動により多くの時間も割くことができるようになります。
したがって、対顧客の業務をどう改善できるか、どう支援できるかを考えることができるため、顧客の立場に立ったより深い提案ができるようにもなるのです。自社のことを考えてくれる営業相手には、顧客も悪い気はしないはずです。
このようにセールステックを駆使すると、これまで以上に営業の品質が改善し、提案の質が向上したり、顧客の課題理解が深まったりし、その改善策をロジカルに提案できることで、結果的に顧客の役に立てるのです。
【基本編】導入を検討すべきセールステックツールのカテゴリ
本章では導入を検討すべきセールステックツールの基本編として、CRM、MA、SFAをご紹介します。
CRM
Customer Relationship Managementの頭文字を取ってCRM(顧客関係管理ツール)と呼ばれますが、このCRMツールがセールステックツールで最初に導入すべきものと言っても過言ではないでしょう。
その理由として、営業活動を効率化するためには、見込み顧客や既存顧客の理解が欠かせません。顧客情報をデジタルデータとして残し、氏名、メールアドレス、電話番号、住所といった基本的な情報をデータベースにまとめるところから顧客理解が始まります。そして、その情報を社内の関係者で共有し、自社が取引をしている顧客情報を理解した上でアプローチすることで営業活動の効率化につながるのです。
CRMツールは、セースルフォースやHubSpotといった海外製のツールや、国産ツールなど、さまざまに存在しています。中でもHubSpotは世界で8万社以上に導入されており、使い勝手や他システムとの連携において優位性があります。参考までにリンクを共有しますので、是非ともご覧ください。
参考:世界で8万社が利用!HubSpot CRMは無料で使えるコスパ最強の「顧客管理」ツール
MA
MAはMarketing Automationのことで、文字通りマーケティングを自動化するツールです。営業活動を行うためには、営業を行う先であるリードを創出したり、ナーチャリングと呼ばれるリードの育成を行う必要があります。営業のスキルがあるメンバーが揃っていても、自社のソリューションや商材の営業先がなければ元も子もありません。
営業だけでなく、マーケティングも効率化し、良いサイクルを作らなければならないのです。そのためには、マーケティングの強化が必須ですが、数ある見込み顧客であるリードから、検討度合いが高いホットリードを見極めるのは簡単ではありません。そこでMAを活用し、ホームページを閲覧したか、送信したメールを開封したか、などといった行動履歴を取ることで、見込み顧客の検討度合いを理解できるようになります。
行動履歴だけでなく、メール配信や顧客の行動に合わせてシナリオを組んだり、簡単なイベント用のランディングページを作成したりと、MAツールには、営業活動を促進するマーケティングの自動化機能が多数搭載されています。
このように、営業と両輪で進めるマーケティングの自動化ツールも、セールステックを始める上では必須ツールと言えるでしょう。
参考:中小企業におすすめのMAツール9選!料金や機能を詳しく比較
SFA
SFAは、Sales Force Automationの略で営業支援ツールと呼ばれます。顧客情報を管理し、顧客へのマーケティングアプローチを自動化していくとともに、営業活動を改善する必要があります。その際に利用されるのがSFAです。
顧客のことをCRMで理解していても、自社のソリューションを正しく提案し、顧客へ価値ある情報を届けるためには、営業パーソンが一人ひとり価値訴求を行い、正しいアクションを取れなければなりません。そのためにSFAを活用し、売れている営業パーソンと同じように、売れる可能性の高い活動を行う必要があります。
SFAであれば、商談ごとのステージをどのように定義するべきか、ステージごとの正しいアクションは何か、商談を前に進めるためにはどのように判断をしたらいいか、など、営業パーソンが押さえておくべき情報を網羅することも可能です。さらに、営業同士が情報共有をしたり、上司とのコミュニケーションを円滑にしたり、何かあった際にサポートできるよう、常に記録を残したりするなど、SFAにはさまざまなメリットがあります。
また、SFAは営業活動だけではなく、日々記録された情報を、柔軟にレポートやダッシュボードという形式でアウトプットできます。従って、日々の営業活動を可視化し、改善点を理解したり、コーチングや研修の材料として営業活動に関する情報を取り出したりすることができるのです。
参考:【SFA比較】主な営業支援ツール(SFA)の特長と違いを解説
【応用編】導入を検討すべきセールステックツールのカテゴリ
続いては、応用編として下記の3つのセールステックツールをご紹介いたします。
Web商談ツール
働き方改革や、昨今で言えばコロナ禍による営業活動のデジタルシフトに対応するために、Web商談ツールを採用する企業が増えています。
Web商談ツールは、今まで対面で行っていた営業活動をオンラインで行えるツールであり、セールステックツールの代表格と言えるでしょう。Web商談ツールであれば、場所を選ばず、日本だけでなく世界中の見込み顧客と商談を実施することができます。
また、録画機能やチャット機能、アンケートや名刺交換といった便利機能も多数搭載されていますので、対面で行っていたことプラスアルファで営業活動を支援するためのツールとして活躍してくれます。
安全面を気にされるお客様も、Web商談ツールであれば、感染のリスクを感じることなく商談を受け入れてくれますし、家庭の事情など働き方の多様性にも対応してくれます。そして営業パーソンは、移動や物理的な距離から解放されるため、活動の幅が広がるのです。
上記の理由から、Web商談ツールは、セールステックツールの中でも営業活動を効率化するために欠かせない選択肢の一つと言えるでしょう。
SET(セールスエンゲージメントツール)
SETはSales Engagement Toolのことで、営業活動を通して顧客との結びつき(Engagement)を強固にするためのサポートツールです。CRMやSFAやサービス関連のツールに加え、インサイドセールスや営業パーソンが顧客との普段のやり取りを改善したり、顧客設定を統合・集約し、営業活動を最適化したりするのをサポートしてくれます。
本ツールは、導入されたツール間の溝や抜け漏れが生じないようにする役割とともに、営業関連ツールの効果を漏れなく引き出し、さらに発展的に活用するための役割をしてくれます。
BI
BIは、Business Intelligenceの略であり、企業が所有している膨大なデータを成型し、さまざまな形でアウトプットできるようになるツールです。簡易的なレポートやダッシュボード機能にとどまらず、非常に複雑なデータを柔軟に出しわけ、ビジュアル的にも見栄えが良いアウトプットを出すことができます。
企業がデータ活用を声高に掲げている中にあって、経営層向けから現場レベルまで多種多様なバリエーションでデータを可視化できるため、意思決定や提案後のひと推しなど、様々な場面で活用することができます。
用途としては、売り上げ予測や過去数十年の業績比較、競合との差別化ポイント、地理、年齢、性別といったデモグラフィックデータと会社のデータを掛け合わせたりと、データを起点に次の一手を決めるためのツールとして大いに役に立つはずです。
セールステックツールを使いこなすポイント5選
①導入するセールステックツールを徹底的に理解すること
使いこなすためには、セールステックツールがどういった機能を備えていて、どのような場面で活用できるかを理解することが重要です。よくある誤解として、セールステックツールは導入することがゴールだと思っている方もいらっしゃいます。
しかしながら、何のために導入するのかという目的を明確にし、その上で使いこなすことが求められるでしょう。セールステックツールは魔法の杖ではありません。導入するだけで状況が良くなれば良いですが、残念ながらそんなことはありません。
コツコツと使いこなすために練習をしなければなりませんし、活用するためには、ツールそのものをしっかりと理解していく必要があるでしょう。
②スモールスタートで小さな成功体験を積むこと
特に、セールステックツールをこれから導入する企業や部門では、小さく始めて成功体験を積んでいき、ゆくゆくは部門全体や、会社全体に導入するというマイルストーンをイメージしておくことをお勧めします。
最初から覚悟を決めて全社的に展開する、という導入ステップを否定はしませんが、導入前のイメージと導入後ではどうしてもギャップが出てきてしまいます。導入後に「こんなはずではなかった」と思っても、すでに契約を決めていて後戻りができない状況であれば、合わないツールを一定期間活用することになります。
従って、まずは小さく始めて、その後の導入がうまくいきそうであれば、様子を見つつ徐々に拡大していくというステップが良いのではないでしょうか。
③運用ルールを決めてツールを十分に使い倒すこと
セールステックツールを使いこなすコツとして、続いては運用ルールの策定と実行です。ツールを導入し、対象者が使う気になっていたとしても、ルールがなく、独自路線で使っていては十分に効果は得られません。このようなセールステックツールは、何を入力するかであったり、どのように使うか、どの機能をメインで使ってどのような結果が出るものかを理解し、ルールを明確化していくことがポイントです。
例えばWeb商談ツールであれば、カメラのオン/オフの基準を会社のルールとして定めている企業もあります。必ずしもカメラをオンにする必要がないとわかれば、社員にとってはツールを使いこなす上でのハードルも下がるでしょう。
そんなことまで決める必要があるのか、と疑問に思う部分もあるかもしれませんが、ルールとして決まっていれば社員も特に疑問を持たずそのルールを遵守してビジネスに集中できます。おかしいなと思うルールがあれば、上司や運用責任者に質問をすれば問題ありません。問題なのは、導入したツールを使いこなす上で、迷ったり、疑問に思ったりして、本来の業務がおざなりになることです。
運用責任者がルールを策定する際には、意味もなくルールを定めず、ユーザーである社員のことを考慮をした上で策定し、なぜそのルールを策定したのかをすぐに答えられるようにすると良いでしょう。
④効果検証を行いPDCAを高速で回す改善を行うこと
導入効果を最大化するためには、効果検証および改善のPDCAを回すことも不可欠です。
導入して最初からベストの状態で使いこなせることは基本的にありません。導入後のイメージを繰り返し想定したとしても、必ずと言っていいほど導入後には多少のギャップが生じます。それは自然なことであり、悪いことではありません。
重要なことは、そのギャップが何かを明らかにし、効果検証を行い改善のプロセスを回していくことです。そのプロセスを繰り返していくことで、自社にあった使い方が理解でき、その結果として導入したツールを使いこなせるようになるでしょう。
⑤わからないことを解決できるサポート体制を敷くこと
導入後に使いこなせなくなる原因として、ツールの操作がわからなくなる点や、ベストプラクティスの使い方がわからないという点が挙げられるでしょう。当然ながら、使い方がわからなければ使いこなすことができるはずがありません。そのような事態を避けるためには、サポート体制を敷くことが重要です。
導入した側は、ユーザーである社員が、ツールの使い方がわからないという理由で、セールステックツールが宝の持ち腐れになってしまう事態は避けたいところです。
また、使いこなせない人はもちろんですが、普段ルールに従って活用しているユーザー、十分に使いこなしている上位層のユーザーにとってもサポートは必要です。
使い方がわからない人だけでなく、もっと活用したいと思っている人が効果を最大限にするために、ユーザーの習熟度や活用レベルにあったサポートは必要です。そのサポート体制が良ければ良いほど、会社や事業部の活用度合いが上がってくるでしょう。
まとめ:セールステックツールを活用し、営業組織を改革しよう
セールステックツールは営業活動を効率化し、営業の質と生産性を高い確率で改善してくれるツールであることは間違いありません。ただし、効果を出すためには条件があり、最も重要な条件は、「セールステックツールを正しく使うこと」です。その「正しく使うこと」が非常に困難で、高いハードルだと感じている企業も多いでしょう。
セールステックツールは多くのことが実現できる一方で、ツールによっては、使いこなすために一定の難易度が生じます。会社に導入する責任者も、ユーザーとして使う社員も、それぞれ違った種類の導入のハードルを感じています。
セールステックツールは会社の成長を助けますが、使いこなすことに時間をかけてはいられません。そんな時のために営業DX.jpへ相談いただければ、最小の労力で最大の効果を発揮するご支援ができるのです。是非ともセールステックツール導入によって営業を改善し、売り上げ利益を伸ばすためのお手伝いをさせていただければ幸いです!
現状を一緒に把握したい、どこから手をつけるか相談したいという初心者の方から、現在のツールをもっと活用したい、次のステップに進みたいという中上級者の方まで、セールステックに関するご相談や疑問は営業DX.jpへお気軽に連絡ください。
株式会社FLUEDではBtoBのマーケティングにお悩みの方へ、無料のオンライン相談会を実施しております。
数多くの企業様をご支援してきた経験からBtoBマーケティングに関する質問、疑問にお答えいたします。