HubSpotを利用する際に、「2つある同じ会社の情報を1つにまとめる簡単な方法を知りたい」と感じる場合も多いのではないでしょうか。
HubSpotにある複数の企業情報を統合するのはとても簡単です。統合する前の注意点を理解すれば「企業情報が消えてしまった」と焦ることもありません。
企業情報が複数の会社レコードに散らばっていると、マーケティングや営業活動を効率的に行うのが難しくなります。今回は、まとめる前に注意すべき点や手順を解説するので、ぜひ実践してみてください。
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コンテンツ目次
企業情報の統合(名寄せ)とは
名寄せとは、データベース内の企業情報を総合することです。複数のデータベースを扱っている場合、同一の企業情報が重複して存在している可能性があります。
同じデータベース内にも、同一の企業情報が存在している「ダブり」が生じる可能性があり、顧客情報を適切に管理するためには「ダブり」を解消しなければなりません。
そこで、企業名や所在地・登録ID・肩書き・担当者名などの情報が一致するか、データベース内で検索をかけて情報を総合する作業が必要です。
企業情報を総合する名寄せは、データベース内の情報を適切に管理するため、重要な作業となります。
企業情報を統合 = マージ
HubSpotでは、企業情報の統合を「マージ」と表現しています。担当者情報やコンタクト、取引(Deal)などのデータを統合する際に「マージ」が用いられます。マージによって、2つの企業情報を1つの会社レコードにまとめることが可能です。
また統合する2つの会社レコードは、統合先企業(以降、プライマリー企業と表現)と統合企業(以降、セカンダリー企業と表現)にわかれます。
例えば、「IBM株式会社」と「I.B.M株式会社」の2つの会社レコードが作られてしまったと仮定しましょう。この場合、顧客情報を整理するために「IBM株式会社」と「I.B.M株式会社」の2つの分散した情報の統一が必要です。
正しい企業情報が「IBM株式会社」のレコードとすると、「IBM株式会社」がプライマリー企業、「I.B.M株式会社」がセカンダリー企業となります。プライマリー企業である「IBM株式会社」に、セカンダリー企業である「I.B.M株式会社」をマージすることになります。
複数の社員がHubSpotで顧客情報や案件を管理すると、上記のように企業情報が重複して、最新のデータがわかりづらくなる場合があります。そのような場合に企業情報を統合すると、正しい顧客情報の管理やデータ分析の効率化が可能です。
参考:顧客データの名寄せをして営業効率アップ!エクセルによる方法も紹介
HubSpotで企業情報を統合(名寄せ)する前の注意点
HubSpotで企業情報を総合(名寄せ)する際には、次の注意点を理解しておかなければなりません。
- 3つ以上の企業情報は一度に統合できない
- 統合された企業情報はどうなる?
- 一度統合された企業情報は元に戻せない
それぞれの注意点を知らずに名寄せを行うと、情報を総合してから後悔する可能性があります。
企業情報を総合して失敗しないように、それぞれの注意点を確認しておきましょう。
3つ以上の企業情報は一度に統合できない
1度に3つ以上の企業情報を統合できないため注意しましょう。企業情報の統合は、2つの会社レコードに対してのみ実行可能です。
そのため3社以上の企業情報を統合する場合は、2社ずつ統合する必要があります。2つの会社レコードを統合すると、プライマリー企業の情報のみが残ります。
例えば、「IBM株式会社」「I.B.M株式会社」「株式会社IBM」という3社の企業情報を統合する場合、まずは「IBM株式会社」をプライマリー企業として「I.B.M株式会社」と統合しましょう。そうすると、「IBM株式会社」の情報のみが残ります。
次に「IBM株式会社」をプライマリー企業、「株式会社IBM」をセカンダリー企業として企業情報を統合。最終的に「IBM株式会社」のレコードのみ残せます。以上の手順を踏むと、4社や5社といった複数の会社レコードも1つに統合できます。
統合された企業情報はどうなる?
統合された企業情報は原則として最新のデータが残ります。
HubSpotには引き継がれる情報と引き継がれない情報が決まっており、それぞれの優先順位に従って情報が反映されます。企業情報を統合する前に仕組みを理解し、どちらの企業をプライマリーに指定するかの決定が必要です。
各データの優先順位に関するルールは次のとおりです。
ドメイン | プライマリー企業が優先される |
ライフサイクルイメージ | ファネルで最も先に進んでいるステージが維持される優先度1:Evangelist(エバンジェリスト)優先度2:Customer(顧客)優先度3:Opportunity(商談)優先度4:Sales Qualified Lead(SQL)優先度5:Marketing Qualified Lead(MQL)優先度6:Lead(リード)優先度7:Subscriber(サブスクライバー) |
作成日 | 古い会社の値が維持される |
アナリティクスのオリジナルソースタイプ | プライマリー企業とセカンダリー企業を合計したページビュー数と訪問数が表示される |
アナリティクスのプロパティー | 最も古い値が維持される |
また、プライマリー企業の情報が空欄で、セカンダリー企業には情報が存在する場合は、セカンダリー企業の情報が残ります。
一度統合された企業情報は元に戻せない
最後に一度統合された企業情報は元に戻せないため注意しましょう。
一度統合されたセカンダリー企業の情報は、復活させることはできません。したがって企業情報を統合する前に、プライマリー企業とセカンダリー企業のバックアップをとることをおすすめします。
セカンダリー企業を復活させる場合は、新しく作成したレコードにバックアップデータを反映させましょう。
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HubSpotで重複レコードを統合(名寄せ)する手順
HubSpotで重複レコードを総合(名寄せ)したい方は、どのような手順で作業を進めるべきか理解しておきましょう。
HubSpotで重複レコードを総合(名寄せ)する手順は、次の通りです。
- 統合先企業(プライマリー企業)を決める
- 統合企業(セカンダリー企業)を選択する
- 企業情報を統合(マージ)する
それぞれの手順を把握して、適切に名寄せを完了できるよう準備しておいてください。
統合先企業(プライマリー企業)を決める
プライマリー企業を決めるには、HubSpotにログイン後、ヘッダーから「コンタクト」を選択し「会社」をクリックします。
HubSpotに登録されている企業情報の一覧が表示されるので、プライマリー企業にしたい企業を選択。企業ページが表示された後は、画面左側の「アクション」を選択し、「マージ」をクリックしてください。
以上でプライマリー企業が決まりました。
統合企業(セカンダリー企業)を選択する
「マージ」をクリックすると、以下の画面が表示されます。この画面からセカンダリー企業を選択しましょう。
画面左側の検索からセカンダリー企業を選択します。
企業情報を統合(マージ)する
セカンダリー企業の選択後に表示される画面左下の「マージ」ボタンをクリックしてください。
以上で企業情報の統合が完了します。とても簡単なので、すぐにやり方を覚えられます。
企業情報を統合(名寄せ)する理由
人によっては「なぜ企業情報を統合するのか?」必要性が分からず、疑問に思う方もいるでしょう。
企業情報を総合(名寄せ)した方がいい理由として、次のメリットが挙げられます。
- 管理がしやすくなるから
- 担当者情報が同じ会社レコード内で共有するため
- アプローチの質が向上してアカウント営業に活かせるため
それぞれのメリットを確認して、自社で企業情報の総合(名寄せ)を行うべきか検討してください。
企業情報を管理しやすくなるから
企業情報を統合すると、企業情報を管理しやすくなります。一方で2つの同じ企業が別々のレコードとして存在すると、正しい顧客情報の管理が困難です。管理画面を確認した際に、正しい会社レコードをすぐに見分けるために企業情報を統合する必要があります。
担当者情報を同じ会社レコード内で共有するため
正確な担当者情報を同じ会社レコード内で共有するために、企業情報を統合します。同じ担当者に関する情報が複数のレコードに散らばっていると、情報の漏れや不足が生じる可能性があるため注意が必要です。複数のメンバーが正確に担当者情報を共有するためにも、企業情報を統合しましょう。
アプローチの質が向上して、営業に活かせるため
企業情報を統合すると、アプローチの質が向上して営業に活かせます。企業情報を統合すると、顧客との関係構築に必要な情報を容易に把握できるようになるのです。たとえば次のような情報を統合できるため、営業活動を効率化できます。
- 顧客企業の担当者との過去のやり取り
- 各部署の担当者情報
- 過去の担当者情報
以上を統合すると、営業やマーケティング活動で、質の高い顧客へのアプローチを実施できます。
HubSpotにおける名寄せの自動化について
HubSpotを活用すれば、名寄せを自動化できます。なお、HubSpotでは名寄せを「重複管理」と呼び、顧客情報をHubSpot CRMに登録すれば自動的に名寄せが可能です。
HubSpotは、次の方法で名寄せを行っています。
- メールアドレスによる名寄せの自動化
- Cookieによる名寄せの自動化
HubSpotにおける名寄せの自動化を理解して、余分な管理作業を軽減しましょう。
メールアドレスによる名寄せの自動化
HubSpotでは、メールアドレスで自動的に名寄せを行います。
HubSpot CRMに存在しているメールアドレスを識別するため、コンタクトがあったメールアドレスが既存ファイルと重複しないか自動的にチェックします。
そのため、メールアドレスを登録した顧客情報が重複することがありません。
また、既存顧客の所在地や担当者名が変わった際には、メールアドレスで自動的に名寄せを行い、新規の追加・変更情報を書きして保存可能です。
Cookieによる名寄せの自動化
HubSpotはメールアドレスだけでなく、Cookieによる名寄せが可能です。
Cookieは、PCやスマホを経由してWebサイトにアクセスした際に、自動的に付与されます。そのため、フォームやサイトを通じてコンタクトを取った企業のCookieは、HubSpot CRMに保存されているのです。
顧客からブラウザを通じてアクションがあった際に、HubSpot CRMに保存されているCookieと照らし合わせて重複しないか自動的に名寄せします。
顧客が同一のPC・スマホからコンタクトを取ってきた際には、Cookieによる名寄せが自動的に行われます。
参考:名寄せツール比較7選!導入すべき企業の特徴や選び方などについて解説
HubSpotで企業情報を統合(名寄せ)して営業を効率化!
HubSpotで企業情報を総合すれば、営業活動を効率化できます。
名寄せはHubSpotで「重複管理」と呼ばれる作業で、HubSpot CRMで管理しているメールアドレスとCookieにより名寄せを自動的に行います。
ただし3つ以上の企業情報は一度に登録できない、企業情報を統合した場合は元に戻せなくなる、などHubSpotで名寄せをする際の注意点を把握しておくことが重要です。
適切に名寄せを行えば、顧客情報の重複を防いで営業リスト作成業務を簡略化できます。
営業活動を効率化して業績を向上させるために、HubSpotを導入して企業情報を自動的に名寄せしましょう。
なお、リードの企業情報を名寄せしたり、詳細情報をプラスしたりするには、「FindFolio」ツールの利用がおすすめです。
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