
CRMを乗り換える際、多くの企業が最も懸念するのは「セキュリティ」です。顧客情報や売上データは企業にとって欠かせない資産であり、もし漏えいや改ざんが起これば、信頼と利益の両方を失いかねません。
Zohoは、単なる業務効率化ツールではなく、安心して顧客情報を預けられるプラットフォームです。セキュリティを重視した設計で、RBAC(ロールベースアクセス制御)やフィールド暗号化、GDPR/ISMS準拠など、エンタープライズ基準の対策を標準で備えています。
本記事では、Zohoが提供するセキュリティ機能について、基本から運用時の注意点までを解説します。CRM移行の判断材料として、具体的な検討ポイントを整理しましたので、ご参照ください。
Zohoの機能や料金プランについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
>>Zohoとは?何ができる?使い方や料金、導入メリットまで解説
CRMのセキュリティ対策は、多くの企業が移行時に悩むポイントです。Zoho導入におけるセキュリティ設計や運用方法についても、BtoBマーケティング相談会で具体的な事例を交えてご案内しています。気になる方は、お気軽にご参加ください。
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コンテンツ目次
Zohoのセキュリティ機能6選

早速ですが、Zohoのセキュリティ機能を6つ見ていきましょう。
- ユーザー権限を細かくコントロールできる
- 二要素認証(2FA)でログインを強化できる
- データを通信も保存も暗号化できる
- 操作履歴を自動で残せる
- GDPRやISMSまで幅広く対応できる
- アプリケーション自体を堅牢に保てる
上記6つの詳細は、下記の通りです。
ユーザー権限を細かくコントロールできる
ユーザーごとにアクセス範囲を制御できる点は、Zohoの大きな強みです。Zohoは役割ベースのアクセス制御(RBAC)に対応しており、管理者はレコードやフィールド単位で権限を設定できます。
例えば、営業担当は閲覧のみ、マネージャーは編集や削除まで許可する、といった設定が可能です。
IP制限やログイン可能時間を指定できるため、リモート環境でも安全に運用できます。直感的な操作で設定できるため、専門知識がなくても誤設定によるリスクを避けられます。
二要素認証(2FA)でログインを強化できる
不正ログインを防ぐために欠かせないのが、二要素認証です。ZohoではIDとパスワードに加えて、認証アプリやSMSコードを利用した2FAを標準で導入できます。
特に、経理や管理者といった機密情報を扱う部署だけに必須化できるため、利便性とセキュリティの両立が可能です。多くのCRMでは追加費用になる機能ですが、Zohoは標準で利用できるため、コストを抑えながら強固な防御を実現します。
データを通信も保存も暗号化できる
データそのものを守る仕組みとして、Zohoは強力な暗号化機能を備えています。保存データと通信データの両方を暗号化の強度が強い「AES-256方式」で保護し、万一の侵害でもリスクを最小限に抑えられます。
また「フィールド暗号化」により、カード番号や住所など特定項目だけをピンポイントで保護可能です。法令対応だけでなく、顧客の信頼維持にもつながるため、機密性の高い情報を扱う企業や、個人情報保護を重視したい事業者にとって、価値のある機能です。
暗号化はシステム側で自動的に実行されるため、専門知識がなくても安心して利用できます。
操作履歴を自動で残せる
ユーザーの操作をすべて記録できるのも、Zohoのセキュリティ強化に役立つ仕組みです。追加・更新・削除などの操作を自動でログに残し、管理画面からCSV形式で出力できます。
「誰がいつ何をしたか」を追跡できるため、誤操作や不正アクセスの原因特定が可能です。監査対応や社内コンプライアンスにも活用でき、透明性の高い業務運営を実現します。
また、ログを分析することで不正利用の兆候を早期に発見できるため、未然にトラブルを防止できます。
GDPRやISMSまで幅広く対応できる
国際規格への幅広い準拠は、Zohoを選ぶ上で安心感を与えるポイントです。ZohoはGDPR、ISO27001、SOC2に加えて、ISO27018にも対応しています。
複数の規格をカバーしているため、国内外の顧客との取引においても安心感を提供できます。国際認証の網羅性が高いと、企業のリスクマネジメントやコンプライアンス対応をスムーズに進めることが可能です。
特にグローバル展開を視野に入れる企業にとって、法的要件を満たしやすい環境は大きな強みです。
アプリケーション自体を堅牢に保てる
アプリケーションレベルにおける脆弱性対策も、Zohoは徹底しています。
フォーム入力は国際基準「OWASP Top 10」に基づき検証され、脆弱性を突いた攻撃を未然に防止可能です。この厳格な検証プロセスがあるため、システム内部に侵入されにくく、改ざんされるリスクも低減されるため、安心して活用できる設計となっています。
また、外部専門機関によるペネトレーションテストを毎年実施し、その取り組み内容はセキュリティホワイトペーパーで公開されています。第三者評価を取り入れることで透明性を確保し、社外監査にも対応しやすい仕組みです。
このような継続的な改善サイクルにより、新たな脅威や攻撃手法にも柔軟に対応できる体制が築かれています。
セキュリティと言うと難しそうに聞こえますが、Zohoではほとんどの仕組みが自動で機能します。管理者は必要に応じて調整するだけなので、負担を感じずに安心して導入できますね。
CRMにおけるセキュリティ対策とは?

CRMには、顧客の個人情報や商談データ、契約情報など多くの機密情報が集まります。これらの情報を守ることは、顧客の信頼や事業の継続性を確保する上で不可欠です。
特に保護すべき情報としては、顧客の氏名やメールアドレス、電話番号といった個人情報が挙げられます。加えて、商談履歴や見積書、請求書などの売上データ、さらに社内コメントや添付ファイルに含まれる知的財産や契約関連の情報も重要です。
このようなデータを守る仕組みが整っていなければ、CRMはむしろリスクを増やす存在になりかねません。
セキュリティリスクの代表例
CRMに潜む代表的なリスクには、不正ログインやなりすましによる個人情報の漏えい、さらに法的制裁の発生が含まれます。担当者の誤操作によってデータが削除されてしまうと、商談機会の損失や顧客対応の遅れにつながる恐れがあります。
また、API連携の設定不備やマルウェア感染が起こることで、データの改ざんやサービスの停止を招く可能性も否定できません。実際の運用では、複数のリスクが同時に発生する場合もあるため、継続的に注意する必要があります。
セキュリティ対策不足が招く深刻なリスク
CRMに潜む代表的なリスクとして、不正ログインやなりすましによる個人情報の漏えい、法的制裁があります。担当者の誤操作でデータが削除されれば、商談機会の損失や顧客対応の遅延を避けられません。
また、API連携の設定不備やマルウェア感染が起きれば、データの改ざんやサービス停止を招く恐れがあります。実際の運用では複数のリスクが同時に発生するケースもあるため、特に注意が必要です。
実際にSalesforceでも大規模障害が発生した事例があります。2023年9月には、内部の権限設定ミスが原因でユーザーがログインできない状況となり、復旧までに約4.5時間を要しました。
この間、多くの企業で商談の進行や顧客対応が滞り、営業活動に直接的な損失をもたらしています。このような事例からも分かるように、CRMを安全に活用するためには、日常的なセキュリティ対策と運用設計が不可欠です。
CRMは便利な半面、適切な対策を取らなければ重大なリスクを生む場合もあります。安心して活用するためには、セキュリティを前提にした運用設計が欠かせません。
Zohoと他社のCRMのセキュリティ機能は何が違う?

CRM市場には多くの製品がありますが、それぞれのセキュリティ機能には違いがあります。特に多くのCRMでは、二要素認証や詳細な権限管理が有料オプションや上位プランに限られることも少なくありません。
一方、Zohoの強みはこのようなセキュリティ機能を標準装備し、追加コストを抑えながら安心して利用を始められる点です。
ここでは、他社と比較したときに注目すべき3つのポイントを紹介します。
- 設定を直感的に扱える
- 国際規格への対応範囲が広い
- 標準機能でできることが多い
設定を直感的に扱える
高機能なCRMの中には、設定が複雑で専門知識や追加費用を必要とするものも少なくありません。これに対してZohoは、分かりやすい管理画面を備えており、フィールド単位での権限設定も標準機能として提供されています。
直感的に操作できる設計のため、システム管理者だけでなく現場の担当者も安心して取り組むことが可能です。その結果、導入後すぐに安全な運用を開始しやすく、システム管理者にかかる負担も大幅に軽減されます。
国際規格への対応範囲が広い
多くのCRMは、GDPRやSOC2といった国際基準を満たしています。しかし、Zohoはそれらの国際基準に加えて、クラウドサービスにおける個人情報保護規格であるISO27018も取得済みです。
複数の規格をカバーしているため、国内外の顧客との取引においても安心感があります。国際認証の網羅性が高いことで、企業のリスクマネジメントやコンプライアンス対応を円滑に進められます。
標準機能でできることが多い
CRMによっては、監査ログやIP制限などのセキュリティ機能が追加料金となる場合があります。Zohoではこれらに加えて、二要素認証もProfessionalプランから標準で利用可能です。
追加コストを気にせずに必要な機能を利用できるため、安心して運用を継続できます。コストパフォーマンスに優れていることは、中長期的な投資効果を高める大きな要因です。
HubSpotやSalesforceからの移行を考えている場合は、下記記事もあわせてご確認ください。
>>HubSpotとZohoを徹底比較!料金や機能、サポートの違いを紹介
>>SalesforceとZohoの違いを徹底比較!移管方法やメリット、注意点も
Zohoは他社と比べてもセキュリティ面で安心できるポイントが多くあります。さらに詳しい比較や導入の検討については、BtoBマーケティング相談会でお気軽にご相談ください。
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Zohoのセキュリティ運用で押さえるべき注意点

Zohoは標準で強力なセキュリティ機能を備えていますが、それだけで十分とはありません。安心して活用するためには、日々の運用で注意すべきポイントを押さえることが重要です。
具体的には、次の3つのポイントです。
- 権限設定は定期的に見直す
- 社員教育を徹底する
- 連携アプリは承認フローを設ける
権限設定は定期的に見直す
セキュリティ運用では、権限設定を放置せず定期的に見直すことが重要です。
現役ユーザーには、役職や業務内容に応じて適切な権限を付与し、不要なアクセスを許さないことが基本です。退職者については、アカウントを残さず速やかに停止することで、不正利用のリスクを防げます。
また、ユーザーグループごとにパスワード強度や多要素認証、IP制限といった異なるアクセス権を適用することも大切です。権限設定のレビューは監査対応にも役立ち、外部からの信頼性向上にもつながります。
実務では、四半期ごとの棚卸しやアカウント監査をルール化すると、見落としの防止に効果的です。定期点検を仕組みに組み込むことで、ヒューマンエラー抑止にも役立ちます。
社員教育を徹底する
セキュリティ対策の要は「人」です。システムだけに頼るのではなく、全社的な社員教育が欠かせません。
強力なパスワードポリシーの徹底や、フィッシング詐欺への対策周知はもちろん、定期的に研修し、実践的な対応力を高めることが重要です。継続的な教育は、社員のリスク感度を向上させ、新たな攻撃手口にも対応できる土台を築きます。
このような取り組みは、従業員一人ひとりに「自分がセキュリティの担い手である」という自覚を促します。組織全体で脅威に立ち向かう文化を醸成し、長期的な安全を確保しましょう。
連携アプリは承認フローを設ける
外部アプリとの連携は利便性を高めますが、その分リスクも伴います。APIキーは定期的にローテーションし、マーケットプレイスから導入するアプリは必ずシステム管理者がレビューと承認をしましょう。
外部サービスとの連携に利用する認証情報は、適切に保存・管理し、漏えいを防ぐ体制を整えることが重要です。承認フローを設けることで、不要なアプリや危険なツールの混入を未然に防止できます。
安全性と利便性の両立を図りながら、信頼性の高いCRM環境を長期的に維持できます。
セキュリティは、仕組みを整えるだけで終わりではありません。定期的な見直しや社員教育を重ねることで、初めて安心できる運用が実現できます。
セキュリティ対策が充実したZohoで安全かつ効率的な顧客管理を始めよう

Zohoは、強固なセキュリティ機能と直感的な操作性、そして国際規格に裏付けられた信頼性を兼ね備えたサービスです。二要素認証や暗号化、監査ログといったセキュリティ機能を追加費用なしで利用できます。
また、外部機関による監査も定期的に受けており、国内外の企業から高い評価を得ています。
「防御力・操作性・信頼性」の三拍子を揃えている点こそが、Zohoの大きな強みです。だからこそ、安全性と業務効率を同時に実現したい企業にとって最適な選択肢と言えます。
他社製品と比較しながら検討すれば、自社に最適な選択肢をより明確にできます。導入を検討される際は、複数の営業管理ツールを比較した資料もあわせてご活用ください。
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