
近年、特定の企業に戦略的にアプローチするABM(アカウント・ベースド・マーケティング)が注目されています。そのツールの一つとして「LeadPool(リードプール)」の名前を聞いたことはありますか?
LeadPoolは、会社や決裁者に関するデータを活用し、インサイドセールス業務を効率化できるABMツールです。
本記事では、LeadPoolの基本的な機能から具体的なメリット、料金プラン、HubSpotやSalesforceとの連携方法まで解説します。
LeadPoolについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
なお、LeadPool以外の企業データベースについても知りたい方は、下記記事もおすすめです。
>>おすすめの企業・法人データベースプラットフォーム12選|比較ポイントを解説
LeadPoolに限らず、BtoBのデータベースプラットフォームは多く存在します。自社にあったサービスを検討しましょう!
コンテンツ目次
LeadPool(リードプール)とは?

LeadPool(リードプール)は、株式会社Merが提供するABM(アカウント・ベースド・マーケティング)ツールです。
大きな特徴は、国内最大級の500万社以上の企業データと、700万人以上にも及ぶ決裁者に関する情報を独自にかけあわせている点です。
この豊富なデータを活用することで、潜在的なターゲット企業やアプローチすべき最適なキーパーソンを見つけ出せます。
特にインサイドセールス業務におけるターゲット企業リストの作成や、アプローチしたいキーパーソンの情報収集が効率的にできます。
具体的には、主に以下の情報が取得できます。
- 会社名
- 法人番号
- HP URL
- 担当者名
- 会社の事業部の役職名
- キーパーソンのSNS情報
- 展示会出展状況
など
また、LeadPoolの導入先は幅広く、小売業やサービス業、飲食業、医療業、娯楽業、製造業など多岐に渡ります。
インサイドセールスでは、自社のターゲット条件に合う質の高いリストを、いかに効率よく作成するかがポイントです。LeadPoolを使うと、500万社の企業データと700万人のキーパーソンのSNS情報から、瞬時に最適なリストを作成できます。
LeadPoolを活用するメリット4つ

LeadPoolを導入することで、営業・マーケティング活動において主に以下の4つのメリットが期待できます。
- CRMやSFAツールに情報をインポートしやすい
- 狙っているターゲット層にリーチできる
- リスト作成を効率化できる
- 一括でフォローやメッセージを送信できる
それぞれ見ていきましょう。
CRMやSFAツールに情報をインポートしやすい
LeadPoolは、多くの企業で利用されているCRM(顧客関係管理)や、SFA(営業支援)ツールとの連携機能が充実しています。個別のデータエクスポートはもちろん、ツールによっては自動連携も可能です。
連携することで、LeadPoolで見つけた企業情報やキーパーソン情報を、手動でCRM/SFAに入力する必要が無くなります。
また、連携時にはデータの重複を自動的に検出し、排除する機能も有効です。常に整理された状態を保ちやすくなるため、CRM/SFAに蓄積されたデータをより正確に分析・活用できるようになります。
重複データの自動検出・排除ができるのは、嬉しいポイントです。手入力の手間とミスが減るだけでも大きいですが、CRM側のデータの正確性を維持しやすくなるのは運用担当者として大きなメリットと言えます。
狙っているターゲット層にリーチできる
LeadPoolが持つ豊富な企業・キーパーソンデータを活用することで、自社のターゲット層にアプローチできるようになります。
業界や企業規模、所在地、部署、役職といった詳細な条件でフィルタリングし、条件に合致する企業や人物のリストを抽出可能です。
受注確度が高いと想定される、購買意欲の高いリード候補を優先的にリストアップすることで、効率的な営業活動につながります。
リスト作成を効率化できる
LeadPoolを活用するメリットは、リスト作成業務も大幅に効率化できる点です。インサイドセールスにおいて、ターゲットリストの作成は重要ですが、時間のかかる作業です。
LeadPoolであれば、Web上の企業情報や人物情報、SNS情報などを横断的に収集・統合し、条件に基づいてリストを生成します。
また、画面の操作が分かりやすく情報の取捨選択や編集も簡単なので、すぐに最新のリストを作れるようになります。
一括でフォローやメッセージを送信できる
LeadPoolには、LinkedInやMeta(旧Facebook)などのSNSを活用した自動アプローチ機能があります。
この機能を使うと、ターゲット企業のキーパーソンのSNSアカウントを自動で特定し、一括フォロー申請やメッセージ送信が可能です。
実際に、このSNS自動アプローチ機能を活用することで、テレアポと比較して3倍近いアポイント獲得率を達成した事例もあります。
出典:【株式会社KUCHIKOMI】営業代行のプロが選んだ!アポ獲得率3倍の秘訣|LeadPool導入事例
この機能を活用することで、営業担当者は、これまで1件ずつ手動で送信していたSNSのコンタクト申請から解放されます。
ただ単に、決済者のデータベースがあるだけでなく、直接アプローチできるのは良いポイントに感じます。
HubSpotやSalesforceと連携するとできること

LeadPoolと、主要なCRM/SFAであるHubSpotやSalesforceを連携するメリットは、下記の通りです。
- CRMツールの画面からLeadPoolの情報を付与できる
- 特定企業のターゲット人物をさらに絞り込める
単体で利用する以上に営業・マーケティング活動が効率化し、データ精度が高まります。重複する部分もありますが、詳細を見ていきましょう。
CRM・SFAツールの画面からLeadPoolの情報を付与できる
連携設定をすると、お使いのCRM(HubSpotやSalesforce)の会社情報画面などを開いたまま、LeadPoolの情報を反映できます。LeadPoolが持つ企業属性を検索し、不足している情報や最新情報を、その場でHubSpotやSalesforceに付与・更新できます。
LeadPoolとCRMの画面を別々に行き来する必要がなくなり、情報の検索や入力、更新作業がよりスムーズです。一度連携すれば、それぞれの情報を更新しやすくなります。
特に、HubSpotでは会社情報をサイトドメインベースで管理しているため、この連携は重要です。WebサイトのURLが連携されると、システムがそのURLを基に企業を一意に識別し、関連する連絡先情報をレコードに関連付けます。
なお、以前まではHubSpotの会社・取引情報画面から、LeadPool上の会社名や属性情報を瞬時に付与できる機能はなかったものの、2024年のアップデートで対応されました。
特定企業のターゲット人物をさらに絞り込める
CRM/SFAと連携すると、現在CRM上で確認している特定の企業データを起点として、LeadPoolの人物検索機能を利用できます。
具体的には「A社の営業担当者だけをリストアップしたい」といった詳細な条件で、LeadPool上の人物候補を絞り込めます。
LeadPoolが保有する700万人以上のキーパーソン情報の中から、狙っている部署や役職の人物をピンポイントで抽出することが可能です。アプローチしたい相手を迅速かつ的確に見つけ出すため、営業時に役立ちます。
LeadPoolとHubSpotを連携する方法

ここからは、LeadPoolとHubSpotを連携する方法を解説していきます。
- LeadPoolからHubSpotにデータをエクスポートする
- HubSpot上でデータを確認する
上記2ステップの詳細は、下記の通りです。
1.LeadPoolからHubSpotにデータをエクスポートする
LeadPool上でリストアップした企業や人物の情報を、HubSpotにエクスポートするのは非常に簡単です。わずか数クリックの操作で、連携作業を完了できます。
LeadPool上でHubSpotに連携したい企業や人物のリストを表示し、エクスポート対象を選択します。

「外部サービスへの統合」をクリックしてください。

表示された連携先サービスの中から、HubSpotを選択し「接続する」を選択します。上記の画面で、HubSpotのアイコンを選択しましょう。

連携が完了すると、下記のメッセージが表示されます。エクスポートが完了したら、メールで通知が来ます。

これで、LeadPoolからHubSpotへのデータエクスポートは完了です。
2.HubSpot上でデータを確認する
次に、エクスポートしたデータが正しく連携先のHubSpotに反映されているかを確認しましょう。
HubSpotにログインし、先ほどエクスポートした企業やコンタクトのレコードを開きます。LeadPoolから連携された情報(企業属性、役職、SNSのURLなど)が、対応するプロパティに追加・更新されているか確認します。
連携したら、HubSpotのCRM(顧客管理)画面を見てください。LeadPoolから連携されたLinkedInのURLが、追加されていることがわかります。

LeadPool連携の便利な点は、単にデータをエクスポートするだけでなく、CRM側から能動的にデータを呼び出せることです。既存データを更新することもできるため、CRMに蓄積された顧客データを最新化できます。
連携設定やプランにより利用できる機能は異なるものの、すべて取り込むこともできますし、一部だけを取り込むことも可能です。
もし連携が上手く行かない場合は、弊社までお問い合わせください!
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LeadPoolとSalesforceを連携する方法

続いて、LeadPoolとSalesforceを連携する方法を解説していきます。
- 接続アプリケーションを作成する
- LeadPoolからSalesforceにデータをエクスポートする
- Salesforce上でデータを確認する
上記3ステップの詳細は、下記の通りです。
1.接続アプリケーションを作成する
LeadPoolとSalesforceを連携する際、必要な接続アプリケーションを作成します。
Salesforceにログインし、設定メニューを開きます。下記の手順にしたがって、新規接続アプリケーションを作成してください。
▼Classic環境の場合
「設定」>「ビルド」>「作成」>「アプリケーション」と進み、「接続アプリケーション」セクションで「新規」ボタンをクリック
▼Lightning Experienceの場合
「設定」>「アプリケーション」>「アプリケーションマネージャ」と進み、右上の「新規接続アプリケーション」ボタンをクリック
下記を参考にして、接続アプリケーションの必要項目(アプリケーション名、API参照名、連絡先メールなど)を入力してください。
特に、API設定(OAuth設定の有効化など)を正しく実施し、「保存」をクリックします。保存後「コンシューマ鍵」と「コンシューマの秘密」が作成されます。
次に、IP制限を緩和する設定です。作成した接続アプリケーションの詳細画面から「ポリシーを編集」をクリックし、「IP 制限の緩和」を選択して保存します。この設定で、LeadPoolからのアクセスが許可されます。
Salesforce側の設定はこれで完了です。その後に、取得した認証情報をLeadPoolに入力します。
LeadPoolにログイン後に、外部システム連携からSalesforceを選択し、下記の項目を入れて設定を保存したら終了です。
- コンシューマキー
- コンシューマシークレットキー
- Salesforceのメールアドレス
- Salesforceのログインパスワード
次は、LeadPoolからSalesforceにデータをエクスポートする手順です。
2.LeadPoolからSalesforceにデータをエクスポートする
LeadPool上でリストアップした企業や人物の情報を、Salesforceにエクスポートするのは非常に簡単です。わずか数クリックの操作で連携を完了できます。
LeadPool上でSalesforceに連携したい企業や人物のリストを表示し、エクスポート対象を選択します。

「外部サービスへの統合」をクリックしてください。

表示された連携先サービスの中から、Salesforceを選択し「接続する」を選択します。
これで、LeadPoolからSalesforceへのデータエクスポートは完了です。
3.Salesforce上でデータを確認する
次に、エクスポートしたデータが正しく連携先のSalesforceに反映されているかを確認しましょう。
Salesforceにログインし、先ほどエクスポートした企業やコンタクトのレコードを開きます。LeadPoolから連携された情報(企業属性、役職、SNSのURLなど)が、対応するプロパティに追加・更新されているか確認します。
もし、うまく連携できない場合は、弊社までお問い合わせください!
LeadPoolの料金プラン

LeadPoolの料金プランは、以下のように利用規模や必要な機能に応じて選択できるようになっています。
プラン名 | Advance | Professional | Unlimited |
---|---|---|---|
初期費用 | 15万円 | 15万円 | 15万円 |
月額費用(年間契約) | 10万円 | 15万円 | 30万円 |
毎月のクレジット付与数 | 2,500件 | 5,000件 | 閲覧無制限 |
追加クレジット購入単価 | 40円 | 30円 | 20円 |
※5ユーザー分
月額10万円から利用可能なプランがあり、無料トライアルも用意されています。
ただし、無料トライアルの利用や具体的なプラン詳細、契約については、いずれの場合も一度公式サイトから問い合わせが必要です。どの料金プランを選択してもHubSpot及びSalesforceと連携できるようになっています。
無料トライアルを用意しているので、ユーザーにとって始めやすいですね。
LeadPoolとBtoBデータベースプラットフォームとの違いを比較

ここでは、LeadPoolとBtoBデータベースプラットフォームである「U-sonar(ユーソナー)」や「FINDFOLIO」とを比較しました。
項目 | LeadPool | uSoar | FINDFOLIO |
---|---|---|---|
対象市場 | 国内 | 国内 | 国内 |
製品URL | https://www.leadpool.tech/ | https://usonar.co.jp/ | https://findfol.io/ |
会社データ数 | 500万 | 820万(拠点を含む) | 65万 |
部署データ数 | 20万社150万部署 | 820万(拠点を含む) | なし |
キーパーソンデータ数 | 700万人 | なし | なし |
Salesforce連携 | 〇 | 〇 | 〇 |
HubSpot連携 | 〇 | 〇 | 〇 |
Webフォームコンバージョン時の名寄せ(法人番号付与) | なし | 〇 | 〇 |
初期費用 | 15万円 | 非公開 | キャンペーン中のため無料 |
月額費用 | 10万円〜 | 30万円〜 | 5万円〜 |
おすすめの企業・法人データベースプラットフォームを知りたい方は、下記の記事をご確認ください。
>>おすすめの企業・法人データベースプラットフォーム12選|比較ポイントを解説
上記のように、各ツールにはそれぞれ特徴と強みがあります。データ数が多いのは、U-sonar(ユーソナー)ですが、費用は公開されておらず、個別見積もりとなります。
「まずはお手頃な価格で試してみたい」「複雑な機能よりも手軽にリスト作成や情報収集を始めたい」と考えている場合、FINDFOLIOがおすすめです。低価格帯から利用できるため、導入のハードルが低いのが魅力です。
FINDFOLIOについて、詳しくは以下のリンクからご確認ください。
LeadPoolを活用する際の注意点3つ

LeadPoolには多くのメリットがありますが、導入・活用する際に、いくつか注意しておきたい点もあります。主に以下の2点が挙げられます。
- 絞り込みの際に設定を保存できない
- 従業員や売上のソート項目が荒い
絞り込みの際に設定を保存できない
LeadPoolで企業や人物を検索する際、業種や役職など、さまざまな条件で絞り込みができます。
しかし、現状では設定した絞り込み条件を保存しておく機能がありません。そのため、頻繁に利用する検索条件がある場合でも、毎回最初から条件を設定し直す必要があります。
手間と時間がかかってしまうほか、チーム内で特定の検索条件を共有したい場合に、非効率になりがちです。
参考:アウトバウンド営業にLeadpoolを導入してよかったこと(口コミ、評判、料金)
従業員や売上のソート項目が荒い
企業リストを作成する際に、従業員数や売上高で企業を絞り込む場合がよくあります。
LeadPoolでは、これらの項目によるソート(並び替えや絞り込み)の区分けが大まかであるという指摘があります。
例えば、従業員数で絞り込む際に「10人未満」「10~50人」「50~100人」といった区分けを選択する形で、「30人〜50人」といった任意の範囲での指定はできません。
特に、特定の規模の中小・中堅企業をさらに細かくセグメント分けしたい方には、向かないケースが考えられます。
参考:アウトバウンド営業にLeadpoolを導入してよかったこと(口コミ、評判、料金)
メリットと注意点の両方を考慮して、ABMツールを検討するようにしましょう!
LeadPoolはリスト作成に手間がかかっている企業におすすめのABMツール

LeadPoolは、500万社以上の企業データと700万人以上のキーパーソン情報を活用するABMツールです。特に、HubSpotやSalesforceとのスムーズな連携や、SNS(LinkedInなど)への自動アプローチ機能がある点が強みです。
これらの機能を活用することで、ターゲットリスト作成の効率化、CRMデータの精度向上、そして新たなリード獲得ができるようになります。
一方でLeadPoolには、利用料金や、絞り込み条件の保存不可、ソート項目の粒度といった注意点も存在します。コストを抑えてBtoBデータベースを試してみたいとお考えであれば、FINDFOLIOを検討しましょう。