営業部門のある会社であれば、「営業力強化」は常に取り組むべき優先度の高い課題であり、試行錯誤している企業も多いでしょう。営業力を強化できれば会社として安定し、売上も上がっていくと期待されます。
しかし、どうやって営業力を強化するか、この点を解決できていない企業も多く存在しています。本記事では営業力強化で注意すべきポイントを5つ紹介します。企業が抱える課題を解決する参考になれば幸いです。
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コンテンツ目次
営業力強化を行うメリット
営業力強化を行うメリットは何よりもまず、売上・利益の向上に直結することです。これは最大にして唯一のメリットと言っても大袈裟ではないくらい重要な意味を持っています。
営業のミッションは、商談を進め、クロージングを行い契約を勝ち取ることです。会社には営業組織がありますが、営業力が強化されることで、契約数や成約率が改善し、1件あたりの契約金額が大きくなり、会社の売上や利益向上につながります。
会社組織では、数字を作る営業部隊や、契約を更新し、解約率を改善するカスタマーサクセス部門、マーケティング部門やIT部門、総務や経理、法務部門などがあります。表現として、売り上げに直結する業務を行う部門を直接部門、直結しない業務を行う部門を間接部門といった分け方をしますが、売上につながる業務を行う営業部門は、直接部門として、会社の成長につながる中枢部分を担っています。
これは無論、営業部門が重要で、それ以外の部門が重要ではないと言ってるわけではありません。営業力を強化し、売上が上がるということは、お客様が増え、会社としての知名度、信用力もあがり、経営も健全化し、資金調達もしやすくなるなど、メリットが多くあります。
また、営業は会社が成長する源泉でもあり、売上や利益が高い位置をキープしていると、会社としても勢いが出てきますし、社員の帰属意識が高まります。上記で述べた点以外でも営業力強化のメリットは多く、常に課題と感じている会社もあるくらいです。
営業力強化は、多くの問題を解決し、会社がポジティブな状態になるために必要なことと言えます。
営業力強化を行うステップ
営業力強化には、いくつかの視点があります。本章では「個」の営業力、「組織」としての営業力にポイントを絞り、どのように強化していくかをご紹介します。
「個」の営業力強化
「個」の営業力については、個人として「商談を進め、クロージングを行える」スキルを強化することが重要です。例えば、以下のような点が考えられます。
- 自社ソリューションの理解
- 活用事例の理解
- 顧客の抱える課題の理解
- 自社で課題をどう解決できて、顧客に何のベネフィットを提供できるかという理解
- 顧客にソリューションのメリットを伝えるプレゼンテーションスキル
- 顧客からのオブジェクションをハンドリングするスキル
- 上司や関連メンバーを巻き込む能力
- 優秀な営業が行っている行動を真似する能力
- 商談を追いかけるべきか否かの判断力、嗅覚
一例として上記を列挙しました。インプットとアウトプットを行いながら、個人としてのスキルや能力を向上させることで営業力強化につながっていきます。
例えば、自社ソリューションを紹介するデモンストレーションがある際、営業がどれだけデモの練習をしたかで、相手への提案力やソリューションの訴求力が確実に異なってきます。結果として顧客に届く印象やメッセージも変わり、デモンストレーションを受けた顧客もソリューションのメリットを理解し、社内で導入すべきと決裁者を説得し、味方になってくれることでしょう。
商談には、「誰が取り組んでも契約が取れる商談」と「営業力がある人にしか契約できない商談」があります。前者では差がつきませんが、後者の場合、複雑な顧客の要件や難易度の高い顧客との交渉が求められる商談の際に、営業力の有無が成約率に影響するといって差し支えないでしょう。
個人だけで商談がすべて完結するわけではないですが、商談オーナーとして様々な人を社内外で巻き込み、オーケストラの指揮者のように調整をしながら商談を進める必要があります。営業力強化を個人の課題として認識し、どうやったら営業力を強化できるか、常に反省をしつつ、改善し続けるプロセスが非常に重要といえます。
「組織」の営業力強化
「組織」の営業力強化においては、会社対会社として関係を構築し、継続していくことが重要です。
対顧客という観点で言うと、「個」の営業が「点」だとしたら、「組織」の営業力は「面」と言えます。担当者同士のやりとりにとどまらず、大事な場面や定期的なコミュニケーションを取るために、上司や部長、役員に同席してもらい、ここぞという場面ではトップ同士を引き合わせ、組織として中長期的な関係を築けるようなアプローチが組織としての営業力強化と言えます。
担当者による「会社として責任を持って取り組んでいきます」という言葉も、役員や社長が発言すると責任感や重みが異なってきます。役職や立場はうまく活用し、会社組織として顧客への信頼や安心を勝ち取るために本気で取り組んでいくという意思表示を見せることが重要になります。
組織の営業力強化とは、会社全体で、顧客に対し責任を持って取り組んでいくことと言えます。
また、対社内でいえば、営業部隊の底上げとして研修をおこない、営業力を強化する取り組みや、営業のルールを標準化させ、どの営業でも一定以上の顧客アプローチや質の高い提案ができるような環境を整えることで営業力を強化できます。
その方法として、後述するツールを導入し、営業活動の可視化を行ったり、情報共有の仕組みを整えたりすることも重要です。個人では限界がありますので、客観的に第三者の目を入れることで、組織として個人を底上げできるような体制を敷いていくと良いでしょう。
営業力を強化する際にミスしやすいポイント
営業力を強化したいと思い立ち行動する際、以下の点には注意する必要があります。何事も改善するために取り組むことは素晴らしいですが、やり方を間違っていては期待した結果は生まれません。本章では、営業力を強化する上で気をつけるべきポイントを2つご紹介します。
営業力強化の目的が明確ではない場合
営業力強化の実現に向けて行動に移る際、営業力のどの部分を改善するか明確になっていない場合が往々にしてあります。自社の営業活動において、例えば以下のようなプロセスで自社の営業力を見直す必要があります。
- 現状の営業活動を分析
- 課題を把握
- 課題の中で解決すべき優先順位をつける
- 優先順位の高い課題をどうやったら解決できるか
このプロセスの中で課題を見つけ、「営業力を高めるために解決すべきことは何か」を自覚してから行動に移すようにしましょう。
また、そもそもなぜ営業力を強化する必要があるのかを考えた際、売上を最大化させたいという目的や、新規顧客を増やしたい、成約率をあげたいなどの理由があるはずです。その目的を明確化し、営業力の強化が必要となれば、自社の営業活動を見直す必要があるでしょう。
例えば利益率をあげたいという目的があったとき、解決すべき方法は営業力強化ではなく、他にもっと効果的な方法があるかもしれません。例えば製造コストを見直すであったり、それこそ経費を絞るという方法があるかもしれません。
営業力強化が目的であるなら、営業力を強化した後にどういった結果を期待しているかまで見据え、改善のアプローチをとることをお勧めします。
ツール導入で営業力強化が実現できるという思い込み
営業力強化を謳ったツールは世の中に多数出回っています。導入後「売上が30%アップした」、「成約率が2倍になった」など、各ツールベンダーの活用事例には非常にキャッチーなメッセージが並びます。これをみて導入を検討し始める企業がいることは自然なことでしょう。
しかし、どのツールにも言えることですが、ツール導入は目的を達成するための手段に過ぎません。ツールを活用し、営業力を強化し、最終的に「売上を伸ばし、利益率を改善させる」ための手段だということを忘れてはいけません。今提供されているどのツールもすばらしい機能を持っていますが、導入後に営業メンバーがそのツールをいかに使いこなせるかが重要です。
ツールを導入しても営業力は強化されず、売上も利益も改善されません。ツールを正しく活用し、毎日のように使って地道な作業を繰り返しながら営業力を強化していきましょう。
営業力強化を実現するツール
営業力の強化は、ツールを使って行うと効率よく進めていけます。本章では、営業力強化を実現するオススメツールを3つ紹介します。
①SFA
SFAは、Sales Force Automationの頭文字を取っており、日本語では営業支援ツールと呼ばれています。SFAには多くのメリットがあり、たとえば、営業が商談に関する日々の活動を記録し、マネージャーと情報共有することで、商談の成約率を高めることが可能です。また、営業同士で商談に関してアドバイスをおこない、営業力の強化につなげられます。
営業情報を共有する際は、毎日しっかりと情報をアップデートし、内容をメンテナンスすることが重要です。そこで、商談に関する情報をSFAツール1カ所に集約することで、いつでも閲覧できる状態となり、営業活動につながる情報を手に入れることができます。
SFAを活用してできることの例は以下です。
- 顧客へ提示している提案書の作成
- 顧客とのメール履歴の確認
- 商談メモの確認
- 活動記録(電話をかけたがつながらないといったものも含む)
- 商談に関する関係メンバーを招待し、チャットで情報共有
- 他の社員も商談を閲覧できるため、似たような商談であれば業界やチームをこえたアドバイス
- 顧客のコンタクト情報(氏名、役職、メール、電話、SNSなど)の記録
- セールスステージやフェーズの把握
- ネクストアクションの決定
上記はSFAで行える営業活動のほんの一例に過ぎません。
その他で活用できる内容としては、会社のトップ営業が常にヒアリングしている必勝パターンの項目や商談の進め方、会社ごとに定義しているセールスステージでどういったアクションをとるべきかのガイダンスなどです。SFAのオブジェクトや項目をカスタマイズすることで、その会社の営業スタイルや商材の特徴を踏まえて、その会社独自のユニークな内容に構築することが可能です。
上記は、営業の商談に関するデータの一例ですが、マネージャー、マーケティング、インサイドセールス 、経営陣といったそれぞれの目線で情報を抽出できるので、過去の傾向を踏まえてリードがどこから取れるか、どの業界との相性がいいか、別の業界を開拓するためのデータの確認など、中長期的な戦略を練り上げるためのツールとしても利用可能です。
②MAツール
MAはMarketing Automationの略であり、営業の前段階のマーケティング、つまりインサイドセールスが良質なリードを営業に供給するためのサポートをしてくれます。営業力を強化するためには、「今まさに検討し導入を考えている優良な見込み客は誰か」について特定し、スピーディーにアプローチをすることが重要です。MAはその優良な見込み客を炙り出してくれるのです。
MAの機能として、誰がWeb上のコンテンツを閲覧し、どのようなことに興味があるのか、何度Webに訪問しているか、資料をダウンロードをしたかなど、検討や興味関心度合いを可視化してくれます。
スコアリング機能を活用すれば、興味関心度合いが数字で可視化されます。スコアの高い順からアプローチをしていくことで、全く興味関心のない見込み顧客へのアプローチの優先度を落とすなど、今すべきアクションも明確に切り分けられるようになります。
さらにメール配信やシナリオを組んで追客することも可能なため、マニュアルで行うような作業を文字通り自動化し、かつ温度感の高い見込み顧客を割り出すサポートをしてくれるため、MAは営業力強化につながる大きな助けとなるでしょう。
③名刺管理ツール
名刺管理ツールは、名刺情報をデジタル化する点にメリットがあります。なぜ名刺情報をデジタル化できると営業力強化につながるのかを説明します。
今までアナログで管理していた紙の名刺は、個人の机やファイルに保存されるため社内で共有されず、会社の資産として有効活用されないという状態でした。確かに営業担当が交換した名刺を他の営業に使用され、商談や契約を取られてしまうことを懸念して、属人的に個人の管理で名刺を留めている営業がいるという点は一定の理解があります。しかし、顧客の名刺は会社の看板を背負って入手したものであり、個人ではなく会社の資産なのです。
したがって、活用されていなかった会社の資産である名刺をデジタルデータとして管理することで、自社の中で相対している顧客の名刺や、社内で名刺交換をしている関係者が可視化できるようになります。名刺管理を行い、社内で共有することで、会社としての関係を強化できるようになるのです。
人脈やネットワークの可視化をし、社員の誰もが名刺情報にアクセスできれば、新たな活路が生まれたり、思いもよらぬところから商談の糸口を見つけたりするなど、商談を前に進める効果的な一手を打つことができるかもしれません。
また名刺管理ツールは、CRMツールやSFAの顧客情報とも連携ができます。顧客情報は常に最新の状態であることが望ましく、交換した名刺をスマホやスキャナーに通すことでCRM内の顧客データと連携させ、情報をアップデートすることも可能です。このように、名刺という顧客データの徹底活用は営業力強化につながるのです。
ツール以外で営業力強化を実現する方法
①セールス・イネーブルメント
ツール以外で営業力強化を実現する方法もあります。例えばセールス・イネーブルメントです。セールス・イネーブルメントとは日本ではまだ新しいワードですが、Sales(営業)をEnablement(できるようにする)という意味があり、一言で言うと「営業力強化に特化した人材育成」を指します。
営業パーソンに必要な知識やスキル向上に特化した人材育成は営業力強化につながるため、ツールを活用することに加え、営業としての考え方を身に付けることが重要視されています。
営業のミッションは、「商談を進め、クローズすること」です。例えばセールス・イネーブルメントでは、営業活動における商談の各フェーズで考えるべきアクションやヒアリング項目、価格の伝え方や、顧客とのやりとり、オブジェクションハンドリング、アポの取り方、プレゼンの方法など、営業活動に関するアクションをカテゴリーごとに区切り、それぞれに必要なスキル、身に付けるべき作法を学んでいきます。
また昨今では、営業活動を分業制にしたThe Model(ザ・モデル)の考え方が広まってきています。The Model(ザ・モデル)とは、営業をマーケティング、インサイドセールス 、フィールドセールス、カスタマーサクセスに分け、それぞれの部門に専門性を持たせ、KPIを設定し、KPI達成のためのPDCAを回し、営業活動に科学的なアプローチを加えたものです。
企業の視点では、営業は代えのきかない属人的な営業ではなく、スキルや知識を体系的に学び、再現性のある活動ができる営業人材の育成を望むようになっています。そこで、営業力強化に特化したセールス・イネーブルメントという人材育成方法が脚光を浴びており、営業力強化の場面では耳にするようになっています。
今後はこのセールス・イネーブルメントを営業に取り入れ、営業力強化をはかり、専門的かつ科学的に営業活動を行う流れが大きくなってくるでしょう。
関連記事:SaaS時代に必須の本『The Model(ザ・モデル)』とは?
②外部コンサルによる営業力強化
営業力強化の実現について、ツール導入やセールス・イネーブルメントをお伝えしましたが、「どんなツールを導入したらいいかわからない」「セールス・イネーブルメントのやり方が分からない、それをできる人材もいない」という企業は世の中にたくさんあります。むしろ的確にツールが選定できて、セールス・イネーブルメントを自社で実施できる企業の方が稀だと考えられます。
そのような環境が整っていない会社は、外部コンサルに相談することをお勧めします。コンサルといえど大企業のコンサル会社を利用する必要はありません。営業力強化に特化したコンサル会社や、ツール導入を行う上で選定プロセスを支援してくれるような会社もあります。
まずは営業活動の現状プロセスを診断し、課題点を整理した上で、ツール導入なのか、セールス・イネーブルメントなのか、あるいはそれ以外の部分からテコ入れをしていくか、客観的な観点でアドバイザリーを行ってくれる会社もあります。
コンサルを批判する人もいますが、自社だけでは不十分で必要とされているから外部コンサル会社が支援を行うのです。営業力強化という点で強みを持っているコンサル会社の力を借りてみるのも、営業力強化を行う上では極めて合理的な判断だと言えるでしょう。
まとめ:最速で営業力を強化をするなら営業DX.jpへご相談!
本記事では、営業力強化で注意すべきポイントについて触れてきました。
ツール導入に関しては、導入実績や導入効果、費用など気になるポイントは多数あると思いますが、自社に合った最適なツールを導入することをお勧めします。
ツール導入が目的になってはいけないとお伝えしましたが、ツール導入自体は営業力強化をしたいという思いからくる前向きな行動であり、必要に応じて導入すると良いでしょう。
一方で、ツール導入のプロセスや他社比較、営業力の強化方法がわからない会社もいらっしゃるので、外部コンサルの導入についても触れました。
営業に特化したコンサルティング会社は多数ありますが、特に営業DX.jpであれば、組織課題のヒアリングから、コンサルティング、教育まで、営業に関する幅広い業務に対応しています。
まずは、課題ヒアリングを実施し、何から手をつけていくべきかの整理からお手伝いするため、営業力強化を伴走して支援可能です。
「最速で営業力を強化したいけど、どこから取り組んだらいいかわからない」という場合や、「ある程度の課題は理解しているが、コンサルからの意見も取り入れていきたい」「ツールは絞ったけど、これでいいのか自信がない」など、営業に関するお悩みであれば何でもご相談ください。
貴社にあった営業力強化のお手伝いをオーダーメードでさせていただきます。
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