営業活動で案件が失注したとき、「クライアントの予算と合わなかった」「タイミングが悪かった」と、受注につながらなかった理由を曖昧なままにしていませんか?
受注率をアップさせるためには、成功事例を分析して受注のコツを共有することが一般的ですが、視点を変えて失注の理由を深掘りする「失注分析」も有効な手段です。
そこで今回の記事では、失注分析が必要な理由や主な失注要因、失注分析の方法や注意点を解説します。
従来の営業活動の仕方を振り返り、改善するきっかけとなるのでぜひ参考にしてください。
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コンテンツ目次
営業活動で失注分析が必要な理由
営業活動において失注分析をすべき理由を3点説明します。
潜在的な問題が明確になる
失注分析によって、これまで見落としていた営業活動の問題点を明らかにできます。失注に至った原因が、個人レベルまたはチームレベルの問題なのか、商談に進むタイミングや方法が問題なのか、過去のデータを複数分析することで、傾向がわかるようになるでしょう。
受注傾向を掘り下げると自社の強みに焦点が当てられますが、失注分析を行うことで自社の弱みを把握でき、弱点を改善できるようになります。
競合の傾向や顧客ニーズが把握できる
失注案件が多い地域や業種を特定することで、競合他社の動向や顧客ニーズが掴めるようになります。該当の地域や業種において、どのような製品やサービスに人気があり、どの企業が提供しているか把握できるからです。
自社と競合他社のサービス内容を比較しながら失注分析を行えば、自社が欠如しているポイントや顧客が求めているサービスが理解できるでしょう。
経営幹部がデータを活用できる
失注分析から洗い出されたデータには、経営幹部が活用できる情報が含まれています。
失注が多い日付、場所、商品、業種、顧客層を把握できれば、失注パターンが認識でき、今後の事業展開や新商品開発といった重要な経営戦略に影響を及ぼします。
従って、現場レベルの営業担当者だけでなく、マネージャーや経営幹部が失注分析を重視して、定期的に行う必要があるでしょう。
営業活動における主な失注要因
営業活動における主な失注要因として、以下の3点が挙げられます。
- 自社要因
- 競合要因
- 外的要因
競合要因と外的要因は、自力でコントロールして改善することが難しいケースがほとんどなので、失注を減らすためには自社要因を主に検討する必要があります。
自社要因
失注の自社要因として、以下の点が不足または失敗していたと考えられます。
- 営業担当者のスキル
- 連絡の頻度
- 商品の機能、サービス内容
- マーケティング
例えば、顧客が担当者の対応に不満があったり、連絡不足だったり、マーケティングで顧客ニーズの特定に失敗していたり、という点があります。
競合要因
競合他社が失注要因となるケースは、以下の通りです。
- 商品の機能が優れている
- 価格が安い
- アフターサービスが充実している
機能やアフターサービス、サポート面において競合他社の方が優れていて、さらに価格競争に負けてしまうケースです。
外的要因
外的要因としては次の点が挙げられます。
- 顧客の予算不足
- コロナや天変地異による企業活動の停止
- 市場経済の悪化
担当者レベルで交渉を進めていても、決裁担当者が予算を出さなければ失注につながるケースもあります。また、コロナ禍や震災による企業活動、世界的な経済の悪化も外的要因に含まれます。
営業活動における失注分析の方法
失注分析を行うにあたり、顧客に失注した理由を直接ヒアリングするのがベストです。顧客の意見を参考にすると正しく傾向が掴めますが、すべての案件においては難しいでしょう。
従って、過去に失注した案件の詳細を振り返り、データ化して分析することが重要です。以下では、どのようなデータを分析すべきか、具体的に解説します。
営業担当者ごとの失注傾向を分析
営業担当者別に分析した場合、同じ失注率だったとしても商品や機能、業種、営業活動のフェーズごとにバラつきがあるかもしれません。
例えば、担当者AさんとBさんの失注率はどちらも35%だったとします。しかし、Aさんは最終的な商談で失注率が高く、Bさんは初期段階で失注率が高かった場合、「AさんとBさんの失注率は同じ」と一概にいうことはできません。
逆に、Aさんは初期段階が得意で、Bさんは最終交渉が優れているのなら、2人でチームを組みフェーズごとで前に出る担当者を変えると受注率が高まる可能性があるでしょう。
営業担当者ごとに細かなカテゴリーで失注分析を行えば、担当者の強みや弱み、スキル、習熟度を把握しやすくなり、研修内容をカスタマイズしやすくなるというメリットもあります。
失注のタイミングを分析
営業活動の「アポイント→初期ヒアリング→具体的な提案→商談→クロージング」において、どのタイミングで失注したかを分析することも重要です。
例えば、見積もりを提出した直後に断られた場合、予算オーバーしていたことがわかります。コンペに競合他社が参加した直後だと、競合の提案内容が優れていたことがうかがい知れるでしょう。
また、クロージングの直前で失注したときは、意思決定者から許可が下りなかったと考えられます。
失注件数が多いタイミングを把握することで、営業活動における自社の弱みや顧客の内部事情がわかり、新しい提案方法を見いだせるでしょう。
コスト要因を深掘り分析
失注理由を考える際、「コストが原因だった」と答える担当者は多くいます。失注分析では、どのような理由でコストが原因となったのか、具体的に深掘りすることが重要です。
例えば、コスト要因の失注理由として以下の点が挙げられます。
- 顧客にとって最適な料金プランを提示できなかった=担当者の提案力が不足していた
- 他社製品と比較して、コスパが悪い=競合分析ができていなかった
- 費用対効果が悪い=価格設定が間違っている
- 安くても価格のみ訴求されていて、機能など内容が薄い=顧客の問題解決にならない
- 相見積もりで引き合いに出されただけ=質の悪いリードだと見抜けなかった
このように、表面上はコストが原因だったとしても、実は他に隠れた原因があることがわかります。失注要因を掘り下げて検証することで潜在的な問題が出てくるので、案件ごとに丁寧に見るようにしましょう。
顧客の業種を分析
顧客を業種ごとにセグメント化し、どの業種で失注が多いか分析する方法もあります。失注率が高い業種は、自社が不得意としていると理解でき、効果的な対策を立てられるようになるでしょう。
失注率の高い業種を特定することに加え、営業活動のどのフェーズで一番失敗しているかを検証すれば、さらに具体的な営業手法を企てられるようになります。
競合他社を分析
競合他社を分析する際は、交渉していた顧客がどの企業と契約したかを把握することから始めます。その上で、競合他社と自社の製品、機能、デザイン、アフターサービス、価格などあらゆる角度から比較分析を行いましょう。
分析を進めるうちに、「競合Aとはデザインで負けている」「競合Bとはいつも価格競争に失敗する」と傾向がわかるようになります。
敗因を把握できれば、次回顧客に提案するときに切り口を変えたり、競合企業より優れた提案ができるようになったりするでしょう。
顧客が競合他社を選んだということは、顧客が自社に何かしらの不満を抱えていた可能性があるため、競合分析を通じて自社の課題解消に向けて施策を検討できるようになります。
営業活動の失注分析にはSFAの活用がおすすめ
過去の膨大なデータを掘り起こし、失注分析をエクセルを使って手動で行うのは、非現実的だといえるでしょう。そこで活用したいのが、分析作業を自動化する「SFA(営業支援システム)」です。
SFAを使えば、過去のデータをセグメントごとに分け、失注が生じた課題を特定し、自動でレポートを作成します。人が行うよりも圧倒的に速いスピードで処理できるだけでなく、人為的なケアレスミスも起こりません。
AIが搭載されたツールを導入すれば、高度な分析計算も瞬時に実現できるでしょう。失注分析以外にも、案件管理や日報の自動作成、メール送信、売上予測分析、顧客情報や契約管理といった機能を活用することで、営業活動のDX化が可能です。
SFAは、失注分析を含めて営業活動を可視化し、全体的な生産性や効率性の向上にも貢献するでしょう。
SFAについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
参考:【SFA比較】主な営業支援ツール(SFA)の特長と違いを解説
営業で失注分析をする際の注意点
最後に、営業で失注分析を行う際の注意点について説明します。
定量的な表記で書き方を統一する
失注分析では、失注に至った状況を文章で残すのではなく、具体的な数値を使った検証が大切です。
つまり、定性的に書くのではなく、定量的な表記を統一しておきましょう。失注案件をどの角度から分析するかあらかじめ決めておき、原因の特定や改善策の決定は数値で判断できるようデータを準備します。
データを蓄積する
分析に必要なデータを最低でも3か月分は蓄積するようにしましょう。短期間の少ないデータでは、信頼性が担保できず、傾向を掴むことができません。
四半期、半期、年次それぞれの失注分析ができれば、時期ごとに動きがわかるようになるため、継続したデータ蓄積が重要です。
データ蓄積の点においても、SFAは有効です。例えば、CRM・SFAツールのHubSpotなら、案件を「失注」というステータスに変更する際、失注理由を選択させる設定も行えます。
この機能を用いることで、従業員に失注理由を普段から考える意識を持たせながら、効率的に失注分析が行えるようになります。
複数の視点で分析する
失注分析は、複数の要因をかけ合わせて分析するようにしましょう。例えば、「商品別」×「担当者別」×「営業活動のフェーズ別」で組み合わせて検証することが大切です。
潜在的な企業課題は通常、複数であるケースがほとんどです。表面上は単純そうに思える失注要因も、複数の要因が重なり合い実際は複雑になっています。
従って、自社要因、競合要因、外的要因から項目を抽出し、クロス分析を行いましょう。
営業の失注分析と改善で売上を伸ばそう
営業活動を促進させ売上を伸ばすために、失注分析は必須です。自社の営業プロセスや課題点を客観的に俯瞰できるようになるからです。
特に自社要因について徹底的に分析を行い、改善を進めていきましょう。
私たち株式会社FLUEDでは、貴社の失注原因の分析や特定を支援しています。失注分析に活用できるSFAの導入サポートも行っているので、失注分析に困ったらぜひご相談ください。
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