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HubSpotで配信するメールの到達率をUPする方法|届かない原因と改善策を解説

2025.11.28

2025.11.28

HubSpot

HubSpotでメールを配信していて「バウンス(不達)が多い」「迷惑メールフォルダに入っていると言われる」などの課題を感じていませんか?

近年はGmailやOutlookを中心にスパム判定の基準が厳しくなっています。スパム判定が厳しくなった結果、正しいマーケティングメールであっても受信トレイに届きにくい状況が増えています。

せっかく作成したメールが読まれないまま埋もれてしまうのは、大きな機会損失です。本記事では、HubSpotから送るメールの到達率を高め、不達や迷惑メール振り分けを防ぐための具体的な改善方法を紹介します。

HubSpotでのメールマガジンの配信方法については、以下の記事をご覧ください。

>>【HubSpot】今更聞けない「メルマガ配信」の方法を画像付きで徹底解説!今すぐできる簡単な配信先設定までご紹介!

「せっかく送っているメルマガが、ゴミ箱行きに……」そうならないように、本記事で紹介している設定をしましょう!

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そもそも到達率が下がってしまう理由とは?

メールが届かない原因は、技術的な設定ミスだけではありません。具体的には、以下のような理由が挙げられます。

  • バウンス(不達)の放置
  • リスト精度の低下や過剰配信
  • 購入アドレスリストの使用
  • 配信停止(解除)リンク位置が不明瞭
  • 画像だけのメール送信
  • no-replyメールアドレスの使用

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

バウンス(不達)の放置

まず押さえておきたいのが、バウンス(不達)の扱いです。存在しないアドレスに何度も送り続けていると、受信側からは「無駄な送信を繰り返す=スパム業者に近い動き」と判断されてしまいます。

バウンスには、大きく分けて2種類があります。

名称内容
ハードバウンスアドレス自体が存在しない
ソフトバウンス一時的なエラー(受信容量オーバーなど)

上表のうち、特に問題になるのはハードバウンスです。紙の名刺からの手入力ミスや、昔の名刺リストをそのままインポートした場合などに、存在しないアドレスがHubSpotに紛れ込みます。

GmailやOutlookなどのメールサービスは「この送信者は無効なアドレスに何度も送っているか」を常にチェックしています。

ハードバウンスの割合が高い送信元は、スパム送信者の特徴に近いと判断され、ドメインやIPがブラックリストに入る可能性が高いです。

「どうせ届かない宛先だし放っておこう」と油断していると、正常な宛先に対しても届かなくなるリスクがある、ということです。

リスト精度の低下や過剰配信

リストの質とメールの配信頻度にも、気をつけましょう。古いリストや長期間反応のないコンタクトに送り続けていると、開封率はじわじわと下がっていきます。

受信側から見ると、興味のない相手にも一斉に送り続けている送信者と映り、評価は下がっていきます。

短期間に同じ人へ何度もメールを送る、過剰配信にも注意が必要です。「またこの会社から来た…」という状態が続くと、解除やスパム報告が増え、評価低下の悪循環を引き起こします。

目安としては、1人あたり週1〜2通程度に抑えるのが安全です。配信結果を見ながら「少し多いかも」と感じたタイミングで、頻度を見直していくことが推奨されます。

購入アドレスリストの使用

購入したアドレスリストにメールを送るのは控えましょう。受信者は配信に同意していないため、そもそもメールを歓迎していません。

結果、開封されないどころか、スパム報告の対象になりやすく、送信ドメイン全体の評価を一気に落としてしまいます。

HubSpotの利用規約でも購入リストの使用は禁止されています。必ず、自社で取得したオプトイン(同意済み)のリストを使用するのがおすすめです。

配信停止(解除)リンク位置が不明瞭

解除リンクの扱いも、到達率に関係します。配信停止のボタンやリンクが見つけづらいと、受信者の多くは「迷惑メールに入れる」「送信元ごとブロックする」という行動を取りがちです。

スパム報告が増えると、ドメインの評価は下がります。一方で、ワンクリックで簡単に解除できる状態にしておけば、解除は増えても苦情は減り、結果的に到達率は安定しやすくなります。

解除されること自体を恐れるのではなく、不満がある人はきちんと抜けてもらう設計にしておくことが大切です。

画像だけのメール送信

見た目を重視するあまり、画像だけで構成されたメールを送るのもおすすめできません。

画像メインのメールは一見リッチに見えますが、受信側からは、広告色が強い・中身が判断しづらいメールとみなされがちです。

本文はテキストをベースにし、画像はあくまで補助的に使うのが有効です。あわせて、画像には代替テキスト(ALT)を設定しておくと、画像が表示されなかった場合でも内容が伝わりやすくなります。

no-replyメールアドレスの使用

最後に、送信元アドレスも軽視できません。「no-reply@〜」のような返信不可アドレスは、受信者にとっては、一方的に送りつけてくる送信者という印象を与えやすく、信頼を損なう場合があります。

可能であれば、担当者名やブランド名を含んだ、返信可能なアドレスを使いましょう。

「何かあればこのメールに返信して相談できる」と受け取られることで、エンゲージメントの向上にもつながります。

まずは、評価を下げる要因を把握することが、到達率を改善するための第一歩です。もし自社の配信状況を客観的に整理したい場合は、ぜひ一度ご相談ください。最適な改善ポイントを一緒に見つけましょう。

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HubSpotでメール配信の到達率をUPする方法

HubSpotでメールの到達率を向上させるには、以下のような方法があります。

  • 配信リストをクリーンにする
  • メールの過剰配信を防ぐ
  • 送信タイミングを最適化する
  • ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)を設定する
  • 専用IPオプションを設定する
  • IPレピュテーションを維持する
  • コンテンツの品質を見直す

それぞれについて、詳しく解説します。

配信リストをクリーンにする

到達率向上に最も効果があるのが、届かない宛先をリストから取り除くことです。無効なアドレスに繰り返し送信すると、送信元の信頼スコアが下がり、正常なアドレスにも届きにくくなってしまいます。

定期的にリストを見直し、ハードバウンスや長期間反応のないコンタクト、明らかに業務用ではない個人アドレスは除外するのが大切です。

また、NeverBounceのような外部ツールを使って、配信前にアドレスの有効性を自動でチェックするのも効果的です。NeverBounceについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

>>NEVERBOUNCEの活用でメール到達率99.9%を達成する方法

BriteVerifyやZeroBounce、Kickboxなどの類似ツールも同様に、送信前検証が可能で、リストを常にクリーンな状態に保つのに活用できます。

メールの過剰配信を防ぐ

メールを送りすぎると、受信者は「またこの会社からだ」と感じやすくなり、開封率の低下やスパム報告につながります。

HubSpotの「送信頻度セーフガード」を使うと、1人あたりが受け取るマーケティングメールの上限を事前に設定できます。

例えば、1週間に3通までと上限を決めておけば、それ以上のメールは自動的に送信対象から外されるため、過剰配信を防げます。「送信頻度セーフガード」はMarketing HubのEnterpriseプランで利用可能です。

HubSpotの設定画面から、マーケティングの中の「Eメール」を選択してください。

「送信頻度」タブで「受信者が設定した件数のEメールが受信されます」オプションを選びましょう。「受信者ごとのEメールの最大数」に、設定した頻度ごとにコンタクトが受信するメールの上限数を入力してください。

理想は、受信者が「この会社のメールはちょうどいいペースで届く」と感じる状態です。配信結果を見ながら、解除率やスパム報告率を確認し、必要に応じて上限値を微調整しましょう。

詳しい設定方法については、HubSpot公式ヘルプもご覧ください。

>>Eメールの配信頻度をコンタクト毎にコントロールする機能

送信タイミングを最適化する

どんなに内容が良いメールでも、読まれない時間に届いてしまうと、そのまま埋もれやすくなります。例えば、BtoB向けの配信では平日午前中や午後2時台など、業務メールが開かれやすい時間に合わせると開封率の向上が見込めます。

さらに精度高く最適化したい場合は、Seventh Sense for HubSpotのような有料ツールの利用も検討しましょう。

Seventh Sense for HubSpotは、AIがコンタクトの開封履歴や行動パターンを分析し、最適なタイミングでメールを自動送信するツールです。

一斉に同じ時間に送るのではなく、各受信者にとってベストなタイミングで配信できるため、開封率・クリック率の向上が期待できます。短時間で大量配信してスパム扱いされるリスクも減り、しっかり読まれるメールを増やすことにつながります。

ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)を設定する

ドメイン認証は、メールが「本当に自社から送られたものです」と受信側に証明するための仕組みです。最近のメールサービスでは、ドメイン認証のないメールを、なりすましの可能性ありと判断して、受信制限をかけるケースがあります。

代表的なドメイン認証は、SPF・DKIM・DMARCの3つです。

設定名役割イメージ
SPF(Sender Policy Framework)「HubSpotが代理送信してOK」と示す許可証
DKIM(DomainKeys Identified Mail)メールに自社の電子印鑑を押して、改ざんされていないと証明するもの
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)SPFとDKIMを総合してチェックし、不正ならブロックするルール表

ドメイン認証は、HubSpotの「ドメイン接続」画面から、案内に従って登録するだけで設定可能です。

設定の具体的な手順は以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。

>> HubSpotのドメイン認証とは?必要性や設定方法について徹底解説!

ドメイン認証は、一度設定すれば終わりではありません。新しいドメインを追加したときやメール送信基盤を見直したときには、改めて設定状況を確認しておくと安心です。

GmailやMicrosoftの基準は年々厳しくなっているため、SPF・DKIM・DMARCの3つを設定しておくのがおすすめです。

専用IPオプションを設定する

HubSpotでは、メールはHubSpotが管理する「送信サーバー(=IPアドレス)」を通じて送られます。送信サーバーは大きく分けて以下の2種類です。

種類特徴
共有IP他の企業と同じIPを共有。HubSpotが全体の評判を管理しているので、初心者でも安定して届きやすい
専用IP自社専用の送信IP。評価を自分で育てられるが、運用を誤ると評価を落としやすい

HubSpotのメール配信では、通常「共有IP」が使われます。一方、月に数十万通以上を配信するような大規模運用では「専用IP」を検討する価値があります。

専用IPを導入すると、他社の影響を受けずに、自社の配信品質だけでレピュテーションを築けるようになります。

注意が必要なのは、専用IPには使い始めの時点ではレピュテーションがないことです。使い始めにいきなり大量送信をすると、受信側から不審なメールと判断されやすくなります。

こうしたレピュテーション対策に、HubSpotの自動ウォームアップ機能を活用しましょう。最初は少ない通数から送り始め、約40日かけて徐々に配信量を増やすことで「このIPからのメールは安全だ」と認識してもらえます。

専用IPは、うまく育てれば強力な選択肢となる一方、配信の質や頻度のコントロールが重要です。配信量が多く、他社の影響を受けずにレピュテーションを作りたいという段階になってから検討すると良いオプションです。

IPレピュテーションを維持する

IPレピュテーションとは、メールを送信しているIPアドレスの「評判」のことです。IPはインターネット上の住所のようなもので、住所の評判が悪くなると、正しいメールであっても受信トレイに届きにくくなってしまいます。

IPレピュテーションを左右する主な要素は、苦情(迷惑メール報告)・ハードバウンス・エンゲージメント(開封・クリック)です。苦情やハードバウンスが多く、ほとんど読まれていないメールを送り続けていると、IPレピュテーションは低下します。

苦情率・バウンス率・エンゲージメント率を定期的にチェックし、異常があればリストや件名、配信内容を見直すことが大切です。

コンテンツの品質を見直す

メールが迷惑メールに分類されるかどうかは、送信元の設定だけでなく、件名や本文の内容も大きく影響します。最近のフィルタは精度が高く、内容が少しでも「スパムっぽい」と判断されると、技術設定が整っていても届きにくくなる場合があります。

送信前に必ず見直しておきたいのが、以下のポイントです。

チェック項目ポイント
件名「釣りタイトル」「煽り」「Re:/Fw:の偽装」はNG。読者に価値が伝わる一文にする
本文構成テキスト中心で、画像だけのメールは避ける。スマホでも読みやすくする
フッター「配信停止リンク」「会社情報」を明確に記載する。no-replyより返信可能なアドレスを使う
リンク短縮URL多用は避け、できれば自社ドメインのリンクを設定する

上記のポイントを押さえておくだけでも、メール全体の安全性や読みやすさが向上し、結果として到達率の改善につながります。

到達率を上げるポイントは、一発逆転の裏ワザよりも、リスト・設定・コンテンツを一つひとつ丁寧に整えていくことです。HubSpotの機能をフル活用しながら「読み手にとって健全なメール運用」を設計していきましょう。

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継続的にメールの到達率を高めるための運用ポイント

初期設定後、運用フェーズでメールの到達率を高める方法は以下の通りです。

  • 配信状態をチェックする
  • 非エンゲージ層を自動で整理する
  • 営業チームとの連携で“重複配信”を防ぐ
  • 配信設計を最適化する

それぞれ見ていきましょう。

配信状態をチェックする

まずは、配信結果をきちんと見ることが出発点です。HubSpotでは、開封率・クリック率・ハードバウンス率・解除率・苦情率(迷惑メール報告率)などを一覧で確認できます。

なかでも重視したいのが、レピュテーションに関わる苦情率とハードバウンス率です。数字の変化を早めにキャッチして、対象リストの削減や件名の見直しなど、小さな改善をこまめに繰り返していくことが大切です。

非エンゲージ層を自動で整理する

長期間まったく開封されていない宛先に送り続けると、読まれないメールを送る送信者と見なされ、到達率が下がりやすくなります。HubSpotには「グレーメール抑制」という機能があり、一定期間反応のないコンタクトを自動で配信対象から外すことが可能です。

メール作成画面で「反応がないコンタクトには送信しない」をオンにするだけで、非エンゲージ層への配信を制限できます。

配信数を減らすのは一見もったいないように思えますが、反応しない相手を減らすことが、結果的には到達率アップの近道です。

営業チームとの連携で“重複配信”を防ぐ

同じ相手に対して、営業担当者からの個別メールとマーケティングメールの一斉配信が同時期に送られてしまうケースがあります。重複配信が続くと、受信者は「この会社からのメールが多すぎる」と感じ、解除やスパム報告につながりかねません。

HubSpotでは、コンタクトのライフサイクルステージや取引ステージに応じて、配信の制御が可能です。例えば、商談中の顧客には一般的なメルマガを一時的に止める、といったルールを作れます。

営業とマーケでルールをすり合わせておくと、重複配信を防ぎつつ、受信者にとって心地よいコミュニケーションを取れるようになります。

送信ペースと送信量を最適化する

大規模な配信をする際に、短時間に大量送信をしてはいけません。同じドメインから短時間に一気に数万通を送ると、受信サーバー側で負荷が高まり、ブロックや遅延が発生する場合があります。

大規模配信時には、リストを業種や地域ごとに分けて配信時間をずらすなどの工夫をしましょう。Seventh Senseのようなツールを併用し、個人ごとに開きやすい時間に自動で配信する設計にするのもおすすめです。

配信設計を組み合わせることで、到達率を守りながら開封率の向上も期待できます。

ダッシュボードを定期的に覗きながら、悪くなる前に小さく手を打つ習慣をつくりましょう!

HubSpotで配信するメールの到達率を上げ、効果的なマーケティング施策をしよう

メールの成果を上げるには、まず、きちんと届く状態をつくることが欠かせません。

バウンスの放置や古いリストへの配信、ドメイン認証不備などが重なると、本来届くはずのメールまで受信トレイに入らなくなってしまいます。

HubSpotにはリストをクリーンに保つための機能や、配信頻度・送信タイミングを最適化する仕組みが揃っています。仕組みを活かしてメール配信計画を設計していくことで、到達率と開封率の両方を向上させましょう。

しかし、自社の業種・ターゲット・配信量によって、最適な設定や運用フローは少しずつ異なります。

「どこから手を付ければいいか分からない」「自社の配信状況を一度整理したい」と感じた方は、ぜひHubSpot相談会をご活用ください。

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松永創

FLUED CEO / 代表取締役 Hubspotシニアスペシャリスト

B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。 HubSpotゴールドパートナーとしても認定され、サポート実績多数。WEBを中心としたオンライン施策から、インサイドセールスや展示会といったオフライン施策まで幅広く支援している。携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。 B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。