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Marketo(マルケト)からHubSpotへの移行方法|切り替え前に押さえるべきポイントを解説

2026.03.02

2026.03.02

営業DXツール

MAツールである「Marketo(マルケト)」は、現在、PhotoshopやAcrobatなどで知られるAdobe(アドビ)社の製品群の一つです。同社に買収されて以降、ライセンス費用は年々上がっています。

そのため、契約更新を機に、HubSpotと比較しながら移行を検討するケースが増えてきています。

MarketoとHubSpotは単なる機能だけでなく、設計思想や管理単位の考え方が異なるツールです。そのため、Marketoの構造や運用ルールをそのままHubSpotに移そうとすると、かえって運用が複雑になることもあります。

本記事では、MarketoからHubSpotへの移行を検討する際に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。移行後に運用が崩れないための前提や、つまずきやすいポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

まずはツールの違いを整理することが重要です。比較ポイントを把握しておくことで、自社に合う選択が見えてきます。

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Marketo(マルケト)とHubSpotの概念の違い

MarketoとHubSpotの両ツールは、設計思想や管理単位の考え方が異なります。それぞれの違いについて、下表にまとめました。

比較項目HubSpotMarketo(Adobe Marketo Engage)比較の論拠・ポイント
直感的な操作・定着のしやすさHubSpotはUIがシンプルで非エンジニアでも扱いやすい。Marketoは高度な分、学習コストがかかりやすい
大規模・複雑なBtoB施策への柔軟性Marketoはプログラム内で施策を一体管理でき、複雑な商流や分岐に強い
CRM基盤との統合HubSpotはMA・SFA・CSと統合可能。MarketoはSalesforceなどとの外部連携が前提となる
価格体系の透明性HubSpotは公式に価格公開。Marketoはエンタープライズ向けのため非公開

HubSpotはCRMを基盤とし、マーケティング・営業・カスタマーサポートまでを一体で管理できる統合型プラットフォームです。機能の役割が比較的明確に分かれており、少人数や兼務体制でも運用しやすい設計が特徴です。

一方、MarketoはMAに特化したツールであり、大規模なBtoBマーケティングや複雑なシナリオ設計に対応できる柔軟性を備えています。その分、設計力や専任担当を前提とした運用になるケースも少なくありません。

MarketoとHubSpotの機能の違いについては、以下の記事で詳しく解説をしています。

>>MarketoとHubSpotを徹底比較!機能の違いを知って選ぼう

Marketoの金額は要見積もりですが、年間価格はおよそ300万円ほどが最低ラインです。以下の記事で目安の金額を解説していますので、併せてご覧ください。

>>Marketo(マルケト)の料金はいくら?費用・価格が決まる仕組みと4つのプランを比較

Marketo(マルケト)からHubSpotへ移行する方法

MarketoからHubSpotへ移行する方法は、以下の通りです。

  1. データ(コンタクト・会社・履歴)の移行
  2. リストの移行
  3. 自動化・ナーチャリングの再設計
  4. 施策管理・計測ルールの再定義

それぞれの手順について、詳しく見ていきましょう。

1.データ(コンタクト・会社・履歴)の移行

コンタクトや会社情報、活動履歴などの基本データを移行します。このとき、重複している項目や用途が曖昧なフィールドも整理しておくのが重要です。移行の段階で整えておくことで、レポートやリスト活用がスムーズになります。

2.リストの移行

Marketoのスマートリストは、HubSpotのアクティブリストとして再構築します。どちらも名前が違うだけで、条件を満たした人物を自動で集め、更新し続ける全自動のリストという役割は同じです。

両者の考え方は共通していますが、AND/OR条件や参照プロパティが正しく再現できているかはしっかりと確認しましょう。

3.自動化・ナーチャリングの再設計

エンゲージメントプログラムなどの自動化は、HubSpotのワークフローを中心に再設計します。ただし、Marketoの仕組みをそのまま再現する必要はありません。HubSpotの標準機能で代替できる部分を整理したうえで、本当に必要な自動化のみを構築することがポイントです。

4.施策管理・計測ルールの再定義

施策の管理と効果測定のルールをHubSpotの設計に合わせて整理します。HubSpotのキャンペーンは施策実行の箱ではなく、アセットを紐づけて成果を可視化するための機能です。命名規則や管理単位を統一しておくことで、移行後の分析や振り返りがしやすくなります。

移行で失敗しやすいのは、Marketoの構造をそのままHubSpotに持ち込もうとしたときです。HubSpotの考え方に合わせて「整理して作り直す」前提で進めると、移行後の運用が楽になります。設計についてお困りでしたら、相談会へお気軽にお越しくださいね。

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Marketo(マルケト)からHubSpotへの移行で最初に押さえるべき前提

MarketoからHubSpotへの移行は、単なる機能の置き換えではありません。両者は設計思想や管理単位の考え方が異なるため、以下の前提を理解したうえで進めることが重要です。

  • Marketoのプログラム構造をそのまま再現しようとしない
  • 項目の型を決めてから移行作業をする

それぞれについて詳しく解説します。

Marketoのプログラム構造をそのまま再現しようとしない

Marketoでは、プログラムを軸に施策を管理する設計が一般的です。メールやLP、フロー(スマートキャンペーン)を一つのプログラムにまとめて管理します。対して、HubSpotには同じ役割を持つ「箱」はありません。実行ロジックはワークフロー、施策単位の整理や分析はキャンペーンといったように、役割が分かれています。

そのため、Marketoのプログラム構造をそのまま再現しようとすると、ワークフローが乱立するなどのリスクがあります。移行時は、Marketo時代の構造を一度手放し、HubSpotの仕組みに合わせて運用ルールを作り直すことが重要です。

項目の型を決めてから移行作業をする

もう一つの重要な前提は、プロパティ(項目)の型をどのように設計するかです。

Marketoでは、フォーム上でプルダウンやラジオボタンを設定できます。

しかし、内部的には選択肢を持つフィールドとして管理されているわけではなく、最終的にはすべて「単行テキスト」として保存されています。単行テキストとは、入力内容をそのまま文字列として保持する形式です。

例えば「従業員規模」という項目で「〜50名」「51〜200名」などの選択肢を想定していても、内部では単なる文字データとして保存されます。フォーム経由の入力は統一されていても、CSVインポートや外部連携、手動更新などによって異なる表記が混在する可能性があります。

一方、HubSpotでは「ドロップダウン」「チェックボックス」「ラジオボタン」などの型をプロパティとして定義可能です。あらかじめ設定した選択肢の中からしか値を保存できないため、表記ゆれが発生しません。つまり、データ構造そのものが制御された状態で保持されます。

この違いは、セグメント作成やレポート集計に大きく影響します。単行テキストのまま移行すると「従業員規模が〜50名の企業」というリストを作る際に、複数の表記をすべて条件に含める作業が必要です。また、後から集計するときもデータの揺れを修正する作業が発生します。

移行工数を抑えるために、Marketoに合わせてすべてを単行テキスト型で移行する方法もあります。しかし、その場合は移行後の運用負荷が高まりやすいです。将来的にどのような分析や活用を行いたいのかを見据えたうえで、HubSpot側で適切な型を設計してから移行をしましょう。

CRM全体のデータ移行に関する一般的な注意点については、以下の記事もあわせてご覧ください。

>>CRMのデータ移行の時に気をつけるべきポイントとは?〜HubSpot、Salesforceなどのデータ移管についても解説〜

移行ベンダーによっては、Marketoの構造に合わせてすべてを単行テキスト型のまま移行してしまうケースもあります。短期的には簡単に見えますが、移行後の運用を見据えて設計されているかどうかを必ず確認しましょう。

Marketo(マルケト)からHubSpotへ移行する際の機能別3つのポイント

MarketoからHubSpotへ移行する際は、すべての機能が同じ形で置き換えられるわけではありません。以下のポイントを事前に押さえておくと、移行がスムーズです。

  • Marketo“スマートリスト”はHubSpotの“動的セグメント(リスト)”として移行
  • MarketoとHubSpotではキャンペーンの概念が異なる
  • エンゲージメントプログラムはHubSpotワークフローへ移行する必要がある

それぞれについて解説をします。

Marketo“スマートリスト”はHubSpotの“動的セグメント(リスト)”として移行

Marketoのスマートリストは、特定の条件に一致するリードを自動的に抽出する仕組みです。条件に合致したリードが自動で追加・除外される、いわゆる動的リストのことです。

HubSpotにも同様の概念があり、動的セグメント(リスト)として設定できます。指定したプロパティ条件や行動条件に基づいて、対象コンタクトを自動的に更新できる点は共通しています。そのため、Marketoで設定していた抽出条件をHubSpotの動的セグメントに置き換えれば、近しいセグメントの再現が可能です。

移行時は、AND/OR条件の組み合わせが正しく再現できているか、参照しているプロパティの型が適切かを確認する必要があります。ただし、構造そのものが大きく変わる領域ではないため、移行難易度は比較的低いと言えます。

MarketoとHubSpotではキャンペーンの概念が異なる

Marketoでは、施策単位で「プログラム」を作成し、その中にメールやLP、スマートキャンペーン(自動処理)をまとめて管理する設計が一般的です。つまり、施策の管理と実行ロジックが一体になっています

一方HubSpotでは、メールやLP、ワークフローなどを紐づけて成果を可視化するための管理・分析機能としてキャンペーンを利用します。実行ロジックはワークフローで構築するため、Marketoのように「施策の箱の中に実行ロジックも含めて管理する」という形にはなりません。

そのため、Marketoの施策管理の考え方をそのままHubSpotに当てはめることはできません。移行時は「施策をどの単位で整理するか」「何をキャンペーンとしてまとめるか」を改めて定義し直す必要があります。

HubSpotのキャンペーン機能の考え方や活用方法については、以下の記事も参考にしてください。

>>効率よく成果を上げるHubSpotのキャンペーンツール活用方法

エンゲージメントプログラムはHubSpotワークフローへ移行する必要がある

Marketoのエンゲージメントプログラムは、定期的なナーチャリングをするための仕組みです。コンテンツを段階的に配信したり、反応に応じて分岐したりといった継続的なコミュニケーションを想定した設計になっています。

HubSpotには同名の機能はありません。そのため、同様のナーチャリングをする場合は、ワークフローを使ってロジックを再構築することになります。

ただし、Marketoで設定していた内容をそのまま再現する必要はありません。HubSpotでは購読管理や基本的な条件分岐が標準機能として備わっているため、よりシンプルな構造で実装できるケースもあります。移行時は既存のエンゲージメントプログラムを分解し、本当に必要なシナリオだけをワークフローで組み直すことが重要です。

Marketoの機能をそのままHubSpotに置き換えるのではなく、HubSpotの考え方に合わせて整理し直すことが、移行を成功させる近道です。移行設計に不安がある方は、ぜひHubSpot相談会をご活用ください。

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Marketo(マルケト)からHubSpotへ移行するメリット

MarketoからHubSpotへ移行するメリットは以下の通りです。

  • 運用がシンプルになり、属人化を減らせる
  • 施策の整理・命名ルールが整い、分析しやすくなる

それぞれについて見ていきましょう。

運用がシンプルになり、属人化を減らせる

Marketoは柔軟で高機能なツールのため、プログラムの設計意図を理解できる担当者が限られるケースも少なくありません。その結果、特定の人しか触れない状態になり、運用が属人化しやすい傾向があります。

一方、HubSpotは機能ごとの役割が比較的明確で、構造をシンプルに保ちやすい設計です。移行時に不要なシナリオや施策を整理し、標準機能を前提に再設計することで、「誰が見ても理解しやすい構成」を作りやすくなります。担当者が変わっても引き継ぎやすい仕組みを整えられる点は、大きなメリットと言えます。

施策の整理・命名ルールが整い、分析しやすくなる

Marketoでは施策ごとにプログラムを作成する設計が一般的です。そのため、プログラム名やフォルダ構成が担当者ごとにばらついたり、どこまでを1つの施策と見るかが曖昧になることがあります。

HubSpotでは、実行ロジックはワークフロー、施策単位の整理や計測はキャンペーンというように役割が分かれているため、管理単位を統一しやすいです。移行のタイミングで命名ルールやキャンペーンへの紐づけ方を整理しておけば、「この施策は何を目的に、どの成果を見ればよいのか」が明確になります。その結果、分析や改善のサイクルを回しやすくなります。

移行はツールの変更だけでなく、運用ルールを整理し直すチャンスです。構造をシンプルに整えることで、属人化を防ぎ、分析しやすい基盤を築けます。

Marketo(マルケト)からHubSpotへの移行が向いている企業・向いていない企業

HubSpotは人気のMAツールですが、企業によってメリットに感じる部分、デメリットに感じる部分はさまざまです。

以下のような課題を感じている企業には、HubSpotへの移行が適している可能性があります。

  • Marketoの運用が属人化しており、設計意図を理解している人が限られている企業
  • プログラムやスマートキャンペーンが増えすぎて、全体像を把握しづらくなっている企業
  • 施策やデータを整理し、よりシンプルな運用に見直したい企業

複雑な構造を維持し続けるよりも、標準化された運用体制を構築したい企業に適しています。一方で、HubSpotへの移行が必ずしも最適とは言えない企業もあります。

  • Marketoの設計が業務プロセスに深く組み込まれており、再設計の合意形成が難しい企業
  • 移行期間中に大規模施策が連続しており、切替リスクが高い企業
  • 現行の設計に大きな課題を感じておらず、運用が安定している企業

短期間での切替が難しい状況や、組織的な再設計が現実的でない場合は、慎重な判断が必要です。

移行の判断で重要なのは、HubSpotが良いかどうかではなく、移行で何を改善したいかが明確かどうかです。目的が曖昧なまま進めると、切り替え後に運用が混乱することがあります。

Marketo(マルケト)からHubSpotへ切り替え検討をして、効果的なマーケ施策をしよう

MarketoからHubSpotへの移行は、単にツールを入れ替える作業ではありません。設計思想や管理単位の違いを理解したうえで、データ・リスト・自動化・施策管理の構造を整理し直すことが重要です。Marketoの運用が複雑化している企業ほど、移行を機に不要な項目やシナリオを棚卸しすることで、運用負荷を下げやすくなります。

最適な移行手順や設計は、企業の運用状況や施策の規模によって異なります。「どこから整理すべきか分からない」「移行後に運用が崩れないか不安」と感じる方は、ぜひHubSpot相談会をご活用ください。現状の設計を踏まえたうえで、移行の進め方や整理のポイントをご提案します。

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松永創

FLUED CEO / 代表取締役 Hubspotシニアスペシャリスト

B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。 HubSpotゴールドパートナーとしても認定され、サポート実績多数。WEBを中心としたオンライン施策から、インサイドセールスや展示会といったオフライン施策まで幅広く支援している。携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。 B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。