HubSpotの主要機能の一つにワークフローがあります。このワークフロー機能にアップデートがあり、年次開催のHubSpotイベント「INBOUND 2021」にてその内容について触れられました。
特にワークフロー機能でスケジュール実行ができるようになった点に関し、巷では評判となっています。本記事では、HubSpotのこれまでのワークフロー機能、新たにアップデートされたスケジュール機能の内容について触れていきます。
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コンテンツ目次
HubSpotのワークフロー機能とは
まず初めに、ワークフロー機能とは何か、そしてHubSpotがこれまで提供しているワークフロー機能についてご紹介します。
ワークフロー機能でできること
一般的にワークフロー(Work Flow)とは、企業や人が行う一連の業務の流れを指しています。ワークフローは直訳すると「仕事の流れ」という意味を持ちます。各部門、業務、人がビジネスを進める上で各々が役割を果たしながら、ゴールに向かって進みます。ことITにおいては、その一連の業務の流れをシステムとして行うことや、自動化された仕組みを指すこともあります。
HubSpotのワークフローの機能
HubSpotが提供するワークフローも、基本的には一般的なシステムに搭載されているワークフロー機能と大差はありません。要は、ワークフローを活用することで、特定のアクションをトリガーとして次のアクションを自動的に行うように仕組み化することができるのです。
結果的に、マニュアルで行っていた作業がオートメーション化され、業務の効率化や時間短縮につながります。
- 資料請求の申し込みが行われたタイミングで、担当者へ通知が行われる
- 日付指定でToDoアクションを設定し、その日になったらポップアップやメールで連絡が来る
- 承認申請が上がったら、定められた順番で承認者へリクエストが飛ぶ
- 問い合わせがあったら空いているオペレータが自動的にアサインされる
例えば上記のようにシンプルなワークフローから、ワークフローを組み合わせて複雑なシナリオを組むこともできます。マニュアルをもとに手動でワークフローを実施しようとすると、担当者が作業を始めるタイミングをスタンバイしなければなりません。
しかし必ずしも常にスタンバイし続けるわけにもいかないため、次の作業に移る際に時間がかかりボトルネックになります。ここでワークフロー機能を活用し、できるだけ自動化を行うとさまざまな業務が円滑に進むようになるのです。
HubSpotのワークフロー機能でスケジュール実行が可能に
本章ではHubSpotのワークフローの機能増強により何が実現できるようになったか、そしてどういった内容がリリースされたかをご紹介します。
HubSpotのこれまでのワークフロー機能にはいわゆる一般的なワークフローの機能しか搭載されていませんでした。しかし、今回のワークフローの増強により、スケジューリング機能が搭載されるようになりました。ワークフローのスケジュール機能は「特定の日時にワークフローが始まるように設定できること」であり、これまでのワークフローの場合、HubSpotワークフロー自動化のオペレーションを走らせる際には、設定したその瞬間から処理が進む状況でした。
ワークフローの機能そのものは便利である一方で、実際に自動実行させるためにはマニュアルの操作がこれまでは必要であり、結果的に「自動処理をマニュアルでスタートさせる」ことと同義でした。ワークフロー自体は便利ではあるものの、自動化をさらに推し進めたいと期待する人々にとっては物足りない内容であったと言えるでしょう。
しかし、今回のスケジュール機能が追加されることで、ワークフローの開始時間を未来の日時に設定できるようになったため、業務の生産性が飛躍的に改善されることが期待されています。
HubSpotのワークフロー機能を使ってスケジュールを設定・実行する手順
続いては、実際にスケジュール設定・実行をどのように行うのか、具体的な流れについてご紹介します。自動実行のプロセスは大きくスケジュールの作成・更新・管理・実行と分かれており、プロセスを説明しながらご紹介します。
1.スケジュールを作成する
スケジュール作成のクリックパスは以下の通りです。簡単な操作でワークフローの設定が可能です。
- HubSpotアカウントから、[自動化] > [ワークフロー]に進む
- 右上の[ワークフローを作成]をクリック
- 左のパネルで「Start from scratch (ゼロから始める)」タブをクリック
- 左側のパネルで、[オブジェクト]からベースを選択 > ワークフローのオブジェクトタイプを選択
- 右パネルの「タイプを選択」で「スケジュール」を選択
以上でスケジュールの作成が完了です。
2.ワークフロースケジュールを更新する
一度設定したワークフローを変更したい場合、すでに設定している内容を簡単に更新可能です。同様にクリックパスを紹介します。
- ワークフローエディターで「Schedule trigger」をクリック
- 右側のパネルで、新しいワークフロースケジュールを選択
- [保存]をクリック
以上で更新は完了です。更新したスケジュールはリアルタイムに反映されます。
3.ワークフローを管理する
既に設定しているワークフローを管理するために、ワークフローの設定に進みます。ワークフロー設定へのクリックパスは以下の通りです。
- HubSpotアカウント[自動化] > [ワークフロー]
- ワークフローの上にカーソルを置き、[編集]をクリック
- ワークフローエディターで、[設定]タブをクリック
ワークフローの設定管理では以下のことが対応可能です。
- 曜日や時間帯の管理
- Salesforceからのコンタクトの登録許可
- ワークフローをHubSpotのキャンペーンと紐づける
- アクションが実行される設定や、実行されないよう一時停止の管理
- 重複されるコンタクトの登録
- 登録トリガー条件を満たしていないコンタクトの削除
- 除外リストの追加
ワークフローは一定の条件やルールに基づいて発動されるため、スケジュールや登録、削除に関連してさまざまな設定上の管理が可能です。
参照:設定の管理
4.スケジュール設定をONにする
アクションの手順はシンプルで、作成したスケジュールを有効化するようなイメージです。設定をONにする場合のクリックパスは以下の通りです。
- 「Review and publish」をクリック
- ワークフロー設定を確認し、[有効にする]をクリック
参照:ワークフローをオンにする
ONにしたスケジュールが正しく登録されているかは、履歴の表示から確認ができます。自身が設定したワークフローの中身を必ず確認すると良いでしょう。
HubSpotワークフローでスケジュール実行するメリット
このようにHubSpotワークフローが自動実行できることで、どのようなメリットがあるのかについて触れていきます。大きく2つに分かれており、1つ目は目の前の日々行なっている業務を効率化できること、そして2つ目はHubSpotのソリューション全体を俯瞰し、最適化して活用できるメリットがあります。
マニュアルで行っていた作業が自動化されることによる業務効率化
HubSpotワークフロー自動化のオペレーションを実行する際の最大のメリットは業務の効率化です。トリガーを設定し、その条件をクリアしたらワークフローが進んでいくため、アクションを行う間の待ち時間やリードタイムが大幅に削減されます。
部門横断で情報の一貫性を向上
新たに提供される「Operation Hub」のEnterpriseプランでは、オペレーションのプロセスで得られる顧客情報から、インサイトをデータとして抽出できるようになります。そしてEnterpriseプランでのみ利用可能となるビジネスインテリジェンス(BI)を活用し、必要に応じて得られた顧客情報を、柔軟に分析できるのです。
その結果、CRMのデータを整理し、各部門がレポート作成に活用するデータを定義できるようになるため、部門横断で情報の一貫性を実現できるのです。
参考URL:HubSpotが年次自社イベント「INBOUND 2021」でデータの一貫性や高度なカスタマイズを実現する顧客起点のCRMプラットフォームへの新機能搭載を発表
高度なデータ分析やレポーティングによる可視化
これまで「Operation Hub」が提供していた業務支援オペレーションをより深い粒度で分析ができるようになるため、さまざまなデータを拾い上げ、そしてそのデータを可視化して取り出せる作業範囲が広がっていきます。
細かい部分やこれまで可視化できていなかったデータなど、顧客情報の繋がりが見えるようになるため、今までと違った観点で顧客へのアプローチができることでしょう。
まとめ:HubSpotワークフローのスケジュール実行を使いこなそう
いままでHubSpotのワークフローにはなかった機能「スケジュール」が搭載されることで、マニュアルで行っていた作業が、大幅に効率化されることが期待されます。既にHubSpotを利用されている企業は、HubSpotワークフロー自動実行を活用し、これまで以上に自社のオペレーションをスピーディーに回すことができるでしょう。またこれから検討する企業であれば、自分たちの業務が導入前、導入後でどのくらい効率化できるか、投資対効果を算出しやすくなるはずです。
スケジュールをマニュアルで設定する手間から解放されることは、思っている以上に現行の業務ピロセスの改善をもたらします。すぐに効果が期待できる部分でもあるため、この神アプデであるスケジュール機能を使いこなし、自社のビジネスを大きく推進していきましょう。
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