HubSpotのスコアリングは、リードの属性や行動にスコアを付与し、アプローチすべきリードの優先順位付けをする機能のことです。
便利な機能であることから、既にHubSpotのスコアリングを活用されている方や、活用を検討されている方も多いのではないでしょうか?
HubSpotのスコアリングは便利な一方で、BtoBマーケティングでは利用しない方が良いケースがあります。
本記事では、HubSpotのスコアリングにおける正しい活用方法や、注意点などについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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コンテンツ目次
HubSpotのスコアリングとは?
HubSpotのスコアリングとは、HubSpot内におけるリードスコアリング機能のことを指します。
HubSpot CRMに登録された顧客情報に対して、リードの属性や行動にスコアを自動で付与し、アプローチすべきリードの優先順位を可視化できます。
そのため、HubSpotのスコアリングを利用することで、リード選別作業の効率化が可能です。
例えば、自社内に大量に存在しているリードに対して、手作業でアプローチの優先順位をつけていくのは、非常に手間がかかります。
加えて、日々の業務に追われ、確度の高い見込み顧客に対するアプローチ漏れが発生してしまう可能性もあるでしょう。
HubSpotのスコアリングは、自動でリードの評価を実施し、優先度を可視化してくれるため、リードに対する効率的なアプローチが可能になります。
スコアリングは、HubSpot以外のMA・CRMツールでも搭載されていることが多いです。その中でもHubSpotのスコアリングを利用するメリットについては、後ほどで紹介します。
そもそも「リードスコアリング」とは?
リードスコアリングとは、見込み顧客の属性や行動情報にスコアをつけ、ランク付けをすることです。
属性とは、企業規模や業界分類、担当者の役職など、そのコンタクトの特徴を表します。
一方、行動情報とは、資料のダウンロードやHPの閲覧有無、メルマガへの返信有無などといった、自社商材に対するコンタクトの関心度を表します。
例えば、「従業員数が1,000名以上の企業のコンタクトは3点」「自社資料をDLしたら5点」といった具合でスコアをつけることができます。
リードスコアリングでは、この属性と行動情報を元に、見込み顧客にスコアをつけることによって、各リードに対するアプローチの優先順位付けが可能です。
リードスコアリングのメリット
リードスコアリングを利用することで、自社のホットリードに対して、素早く的確なアプローチができるようになります。
アプローチの優先度が明確になる上に、各リードの状況別にパーソナライズされたアプローチの実施も可能です。
また、ホットリードに対する共通認識が自社内で生まれるため、リードの質の良し悪しについて、部門間で対立が起きることも少なくなるでしょう。
このように、手間や対立を最小限に抑えながら、効率的にリードへアプローチできるのがリードスコアリングを利用するメリットです。
リードスコアリングは、その効率性の高さから、現在では多くの企業で活用されています。特に人材が不足していて、業務の効率化が急務の企業の場合は、より効果を実感できるかと思います。
BtoBマーケティングにおけるHubSpotスコアリングの落とし穴
リードへの効率的なアプローチを実現させるHubSpotのスコアリングですが、BtoBマーケティングで利用する場合は、注意すべき点があります。
利用する際は、以下も参考にしましょう。
うまく機能しないケースが多い
HubSpotのスコアリングは、そもそもBtoB企業ではうまく機能しないケースが多々あります。
なぜなら、スコアリングに必要なサンプル(リード)数が十分にないためです。
例えば、日本の一般的なBtoB企業が持つリード数は、3,000〜20,000件ほどと言われています。
数千〜数万件程度のリード数では、統計的な観点でリードの善し悪しを判断するのは難しく、スコアリングはうまく機能しません。
一方、BtoC企業の場合は、数十万件の顧客情報を所有している企業も多く、スコアリングを活用するメリットは大きいと言えます。
上記から、リード数が豊富にないBtoB企業においては、スコアリングのメリットを享受しづらいことに注意が必要です。
スコアリングを施策の絶対的な指標としないこと
BtoBマーケティングにおいては、スコアリングを施策の絶対的な指標にしないことも重要です。
リードスコアリングは、データによる選定基準となります。
そのため、リード選別ではデータにもとづいた結果が得られるでしょう。
ただし、見込み客の行動心理を100%把握できるわけではありません。
データにはないトラブルや環境の変化により、基準とはちがう結果になることも考えられるからです。
スコアリングは、つねに施策の絶対指標としないで、予想外の結果も想定しておきましょう。
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HubSpotのスコアリングでできる4つのこと
HubSpotのスコアリングでできる4つのことを紹介します。
予測リードスコアにより自動的なリード選別ができる
HubSpotのスコアリングでは、予測リードスコアリングという機能を活用できます。
予測リードスコアリングとは、機械学習を用いて見込み顧客の行動を分析し、各顧客の成約率を予測できる機能のことです。
例えば、予測リードスコアリングを活用することによって「各見込み顧客が90日以内に成約する確率」などを算出できます。
予測リードスコアリングを活用して成約率を可視化することによって、注力すべきリードの選別が容易になります。
スコアリング条件を細かくカスタマイズできる
HubSpotのスコアリングでは、スコアリング条件を細かくカスタマイズできます。
例えば、次のようなデータの条件設定が可能です。
- フォームの送信データ
- Webページ閲覧データ
- クリック数
- メール記録
- HubSpotと連携するアプリ内のデータ
- 任意のデータによる独自条件など
過去の自社の営業実績なども踏まえて、最適なスコアリング条件を設定できるのが、HubSpotのスコアリングの魅力です。
部門別に最大25種類までスコアシートが作成できる
HubSpotのスコアリングでは、部門別に最大25種類までスコアリングシートの作成が可能です。
そのため、自社の状況に変化があった場合でも柔軟に対応できます。
例えば、新たな事業を立ち上げた際や、新たな製造ライン・拠点が増えたとしても、追加でスコアリングシートを作成することで対応が可能です。
上記のように、最大25種類まで部門や拠点毎にスコアリングシートを利用できるのは、HubSpotを利用するメリットと言えます。
スコアを基準にメルマガ配信の自動更新・処理ができる
HubSpotのスコアリングでは、リードのスコアに合わせて、自動でメルマガを配信できます。
例えば今までは、顧客のデータベースからフィルターをかけてリスト化した上で、それぞれのリードへ手動でメルマガを配信していたとします。
その場合、HubSpotのスコアリングを活用し、リードのスコアに合わせたメルマガの自動配信設定をしておくことで、手間をかけることなく適切なタイミングでメールを送信できます。
上記のように、HubSpotのスコアリングでは、リードのスコアの変化に応じて自動でアプローチを実施できるのもメリットです。
自動でスコアリングをできるのはもちろんですが、成約率の算出や、リードのスコア別に実施する施策も自動化できるのは魅力的なポイントです!
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HubSpotのスコアリングの設定方法
HubSpotのスコアリングの設定方法について、キャプチャを交えながら解説します。
データ管理画面に移動する
まずは、スコアリングを設定する画面に移動しましょう。
HubSpotの管理画面右上の「設定」アイコンをクリック
画面左側の「プロパティー」を選択
HubSpot内で既に用意されている「HubSpotスコア」を選択
スコア条件を設定する
設定画面に移動したら、スコア条件の設定をしましょう。
画面下部の「条件を追加」を選択
正のスコアでは、所定の条件が満たされた際に、スコアリングに用いるポイントを加算するための設定ができます。
反対に、負のスコアでは、所定の条件が満たされた際に、スコアリングに用いるポイントを減算するための設定が可能です。
表示されるフィルタータイプから、目的のタイプを選択
画面右側にて、数値条件を設定し「フィルターを適用」をクリック
今回は、テスト用に「従業員数が100名より多い」に設定
設定画面にて、今回はテスト用に「10」を入力し「設定」をクリック
設定が完了したら、上記と同様の手順で負のスコアも入力しましょう。
今回は「従業員数が100名より少ない」企業のコンタクトに対し「-10」のスコアを設定します。
正負双方の設定が完了したら、「保存」をクリック
テスト用コンタクトを確認する
スコア条件の設定が完了したら、実際にスコアが反映されているか確認しましょう。
スコアリング設定画面にて「スコア条件をテスト」をクリック
テスト対象のコンタクトを選択し「テスト」をクリック
テスト結果が表示されます。
対象のコンタクトは、従業員数が100名未満の企業に属しているため、負のスコアである「-10」が適用されています。
ここで設定方法を間違えてしまうと、スコアリングが適切に反映されません!テストを実施し、スコアが正常に反映されているかを必ず確認しましょう。
スコアリングの具体的な活用例
スコアリングの具体的な活用例を紹介します。
Webサイトを対象として見込み客の「行動」に基準値を設けます。
BtoBサイト
BtoBサイトのスコアリングは、目的が営業担当へのリード送客です。
そのためサイト上の動きだけでは判断しにくいことが考えられます。
見込み顧客の行動or属性 | スコア | 理由 |
有力商品のダウンロード | 10点 | 有力商品に興味がある=確度が高い |
従業員数300名以上 | 20点 | 商談成立による売上が大きいため |
役職が課長職以上 | 20点 | 決裁権があり、導入判断がしやすいため |
商談による成否判断 | -20〜+20点 | 営業の判断を数値化 |
3回以上コンタクトに対する反応がない | -20点 | 連絡が取れない=確度が低い |
ECサイト
ECサイトの場合は、サイト上において完結するビジネスモデルとなるため、あらゆるスコアを基準にできるでしょう。
見込み顧客の行動or属性 | スコア | 理由 |
メルマガに登録している | 3点 | 新規商品やキャンペーンに興味があるため |
1つの商品ページに5回以上アクセスしている | 7点 | 検討フェーズ後期の段階であるため |
クレジットカードの登録を済ませている | 15点 | カード登録者の顧客単価やリピート率は高いため |
平均して10,000円以上購入している | 20点 | 高単価の顧客として重要視できるため |
返品の依頼を3回以上している | -30点 | 注力すべきではないトラブル対象のユーザーであるため |
BtoCサイト
BtoCサイトの場合は、ユーザーの興味関心のあるコンテンツにおいて、企業との関係性が構築されていきます。
そのため、長期的な視点での関係づくりに必要なスコアの設定となるでしょう。
見込み顧客の行動or属性 | スコア | 理由 |
Instagramアカウントをフォローしている | 5点 | 自社のファンであるため |
1週間に7回以上アクセスしている | 7点 | コンテンツに共感しているファンであるため |
月額課金にてサービスを利用している | 20点 | すでに売上に貢献しているため、アップセルしやすいため |
カスタマー部署への架電が月に6回以上 | -15点 | 担当者の負担がかかり、将来的に解約となるため |
メディアサイト
メディアサイトは、サイト訪問者のスコアから興味関心の高さやメディアコンテンツへの理解度を基準にできます。
メディアサイトの特徴は、リード獲得やリード育成に向いているため、適切なスコアを用意する必要があるでしょう。
見込み顧客の行動or属性 | スコア | 理由 |
毎日訪問している | 3点 | メディアコンテンツに共感しているため |
メディアコンテンツの読了率が75%以上 | 5点 | メディアコンテンツを役に立てているため |
新規記事を引用してSNSでシェアしている | 10点 | ファン化して協力体制となっている |
LINE@で友達になっている | 10点 | 信頼関係を築けているため |
見込み顧客の属性や、特定の行動がスコアの加点対象となるかどうかは、企業によって異なります。必要に応じて配点の調整もしながら、自社にとって最適なスコアリングを設定できるようにしましょう。
HubSpotのスコアリング機能を活用して、マーケティングの精度を高めよう
HubSpotのスコアリングは、リードの属性や行動にスコアを付与し、アプローチすべきリードの優先順位を可視化できる便利な機能です。
しかし、BtoB企業ではうまく機能しない場合も多く、スコアリングを絶対的な指標として利用することは危険です。
HubSpotのスコアリングを利用する際は、あくまで補助的な機能として導入した上で、自社にあった活用方法を模索していきましょう。
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