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HubSpotを活用して予実管理(ヨミ管理)をするには?フォーキャスト機能を解説

2022.07.15

2025.01.06

営業DXツール

「HubSpotの目標機能をダッシュボードにうまく反映できない」

「HubSpotで売上目標を管理する方法が分からない」

「複数回に分かれる請求や入金も、HubSpotで一元管理したい」

そのような疑問に対して、本記事ではHubSpotを活用した予実管理の方法を解説します。

フォーキャスト機能を使った売上予測から、複数月にわたる入金管理まで、実務で使える機能を紹介するので、ご参照ください。

本記事の内容を活用すれば、より効率的な業務管理ができるようになり、売上目標の達成に向けた取り組みを強化できます。

HubSpotのSales Hubには、営業案件を効率的に管理できる機能が搭載されています。以下の動画では、その基本的な機能と活用方法を紹介しています。本記事と合わせてご覧ください。

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営業におけるフォーキャスト・売上予測とは?

フォーキャストとは「予想・予測・見込み」と訳されます。営業活動においては、売上予測や受注見込みなど、自社の業績目標のことです。

例えば、以下のような商談の進捗フェーズを明確に理解すれば、より正確な売上予測ができるようになります。

  • 「まだ顧客の課題やニーズを調査している段階なのか」
  • 「具体的な製品提案を行い、顧客が検討している段階なのか」
  • 「予算や導入時期について具体的な協議を行っている段階なのか」

このように、商談の進捗状況を段階的に把握することで、より精度の高い売上予測ができます。

フォーキャストと関連する「予実管理」

予実管理とは、事前に設定した売上目標(予算)に対して、実際の進捗度(実績)を数値で比較・分析する活動のことです。

HubSpotなら、以下のように、チームや個人、部門ごとに予実管理が可能です。

データ蓄積・分析が容易になり、より戦略的な意思決定ができるようになります。

フォーキャストを立てる際は、過去・現在・未来の3つの視点でデータを分析することが大切です。過去の成約率や商談の進捗スピード、顧客の検討期間などのデータを組み合わせると、より精度の高い予測ができるようになります。

HubSpotのフォーキャスト機能!活用イメージ


HubSpotを利用すると、精度の高いフォーキャストを出すために必要な情報を可視化できます。HubSpotを活用した営業管理のイメージは下記の通りです。

▼CRM(顧客管理)> 取引

HubSpotの営業管理システムには、フォーキャストに必要なクローズ日や受注金額、期待値(確度)を記入できます。

また、HubSpotは「パイプライン」と呼ばれる顧客ステージ管理機能を備えています。

案件は、この「パイプライン」上に一覧で表示されるため、営業活動や商談がどのフェーズまで進行しているのかも一目瞭然です。

目標金額や現在の売上実績、商談中の案件金額など、売り上げ予測に必要な要素を分析しやすいため、精度高く予測できます。

下記のようにグラフ化して表示できるため、売上について目標と現状の差額を把握しやすくなります。

なお、ダッシュボードで予実管理をする際には、受注額や売上、目標売上額や進捗率といった項目を入れると便利です。

「どういったフォーキャストの管理方法が自社にあっているか?」などのご相談も受け付けていますので、迷っている方は無料相談にご参加ください!

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HubSpotのフォーキャスト機能の具体的な活用法

フォーキャストの精度を高めるためには、複数の視点から予測を立てる必要があり、複数の項目を組み合わせることが大切です。

クローズ日・金額・確度による予測、案件ごとのランク付け、そして具体的なシミュレーションの3つの観点から見ていきましょう。

クローズ日、金額、確度で考える

フォーキャストでは、まずはクローズ日を正確に把握します。クローズ日とは、契約か失注が判明する予定日のことです。

また、クローズ日と期待値の2軸で考えると、売上を予測しやすくなります。

期待値とは案件の売上に、受注できる確率をかけた値のことで、確度とも呼ばれます。例えば、100万円の案件について期待値を計算すると、次の通りです。

  • 80%の確率で受注できる場合の期待値:100万円×0.8=80万円
  • 30%の確率で受注できる場合の期待値:100万円×0.3=30万円

フォーキャストは、以上の期待値をクローズ日で月ごとに並べて作成します。

それぞれの設定方法について確認しましょう。

まず、クローズ日の設定方法は、以下の通りです。

  1. CRM(顧客管理)> 取引から対象の取引を選択
  2. 「取引」の編集画面で左の列にある「クローズ日」から日付を選択

また、金額の設定方法は、同じ「取引」の編集画面から、取引名の編集ボタンを押して、「取引金額」を入力するだけです。


確度の設定は、以下の方法でできます。

  1.  HubSpotの右上の「設定(Settings)」アイコンをクリック
  2.  左側メニューから「取引」を選択
  3.  「パイプライン」タブを開く
  4. 各取引ステージと、それぞれの取引確度を設定

ここでは確度の設定方法について説明しました。次の「h3:案件ごとのランク付け」では、それぞれの取引ステージの確度の決め方・考え方を解説します。


案件ごとのランク付け

フォーキャストの精度を高めるには、営業担当者のヨミをA、B、Cなどでランク付けすることをおすすめします。

なぜなら、ランク付けをすると、担当者ごとの期待値に対する認識のズレを減らせるからです。営業担当一人ひとりが、正確なフォーキャストを出せるようになります。

営業担当者のヨミをランク付けする手法は、株式会社リクルートで実践されていたと言われています。

リクルート社では、以下のように自己申告するシステムが採用されていました。

  • 受注確度80%以上:Aヨミ
  • 受注確度50%程度:Bヨミ
  • 受注確度20%程度:Cヨミ

リクルート社の営業力の高さには、定評があります。トップ企業が実践するフォーキャストを参考にしてみてはいかがでしょうか。

案件ごとのランク付けのイメージ

HubSpotでは、案件のステージごとに確度(%)を設定可能です。例えば、「商談実施」のステージでは50%、「見積提示」のステージでは80%というように、段階的に確度を高めていけます。

このように案件の進捗に応じて確度を設定すれば、売上予測の精度が高まります。

具体的なシミュレーション

前節で説明した通り、フォーキャストを出して売上シミュレーションをする際は、まず案件のランク付けから始めます。

ランクは顧客の以下のような状況から判断してください。

  • 商品やサービスに対する理解度
  • 商談における合意進捗状況
  • 予算の確保状況
  • 導入時期の明確さ

これらの情報をもとに案件をA~Dの4段階でランク付けし、各ランクに応じた期待値(受注確度)を設定します。

期待値から逆算すると、契約1件を取るために必要な案件数が分かります。例えば、Dランクの期待値が10%の場合、1件の契約を取るためには10個の案件を集めなければなりません。

また、ランク分けの定義は営業メンバー間で認識を合わせる必要があります。

「予算確保済みで発注時期も明確」「予算は確保済みだが発注時期は未定」などの具体的な状況を定義すると、より正確な売上予測ができます。

期待値の計算は、一見複雑に思えるかもしれません。しかし、HubSpotでは案件情報を入力するだけで自動的に計算されるため、手作業で計算する必要はありません。

営業担当者は自分の営業活動に集中できます。

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受注額と売上額にタイムラグがあってもOK!HubSpotダッシュボードで予実管理が可能

HubSpotのフォーキャスト機能では、過去の販売実績や現在の営業パイプラインをもとに、将来の売上予測ができます。

受注額と売上額にタイムラグがあるようなイレギュラーなケースでも、HubSpotのダッシュボードで一元管理が可能です。

分割払いのクライアントや、受注が決まってから売上計上まで数ヶ月かかるようなケースでも、実績を確認できるため、実態に即した予実管理がしやすくなります。

進捗状況がダッシュボードで一目瞭然となるため、予実管理がしにくくなることがまずありません。

受注と売上計上で時期が異なる場合でも正確な予測ができるため、より適切な売上管理ができるようになります。

受注から売上計上までの期間が長いケースは意外と多いものです。特にBtoB取引では、検収後の売上計上や年度末一括計上など、さまざまなパターンがあります。HubSpotなら、このようなイレギュラーなケースも柔軟に管理できます。

HubSpotで予実管理ができるダッシュボードを作る方法

受注額と売上額にタイムラグがある場合、HubSpotで予実管理ができるダッシュボードを作るには、以下の手順通り進めましょう。

  1. 必要な環境の準備
  2. カスタムオブジェクトの設定
  3. レポート作成

詳細は以下の通りです。

1.必要な環境の準備

Operations Hub Enterpriseの導入から始めます。

SalesHubでもダッシュボードを使った基本的な予実管理はできますが、詳細設定や更新の自動化をする際にはOperations Hub Enterpriseが不可欠です。

例えば、取引クローズ時の売上予定額の自動更新や、外部システムとのAPI連携する際に必要となります。

また、予実管理には3つの設定項目が必須です。

通常の案件管理用の取引オブジェクトや納品情報を管理する確定売上オブジェクト、目標売上に対する進捗率を把握するための計算プロパティです。

なお、確定売上オブジェクトはカスタムオブジェクトとして作成するため、エンタープライズプランを用意しましょう。

2.カスタムオブジェクトの設定

カスタムオブジェクトとは、HubSpotのデフォルト設定にない独自のデータを追加できる機能のことです。

テーブル形式で表示・管理できるため、データを整理して一目で確認できます。

予実管理では、確定売上テーブルをカスタムオブジェクトとして作成します。このテーブルには以下のプロパティを設定してください。

  • 売上年度
  • 売上予定額
  • 確定売上
  • 月次・四半期の売上確定額

これらのプロパティは、Custom Objects更新APIを使って自動更新します。このAPIを活用すると、HubSpotの外部システムから自動でデータ更新ができるようになります。

また、作成したカスタムオブジェクトは取引オブジェクトと関連付けることで、より効果的なデータ管理が実現できます。詳細は下記の記事をご確認ください。

>>HubSpotのカスタムオブジェクトでは何ができる?活用事例をもとに詳しく解説

3.レポート作成

HubSpotでレポートを作成する際には、データセットを正しく作成・整理することがポイントです。

データセットの作成フローと必要要件について簡単に紹介します。

左側にある[データ管理]から[データセット]を選択し、右上の「データセットを作成」をクリックしてください。

「プライマリーデータソースを追加」をクリックします。

プライマリーデータソースを選択する画面が表示されます。データセットに含めるデータソースを選択する設定です。

データセットでは、最大5つまでのデータソース(CRMオブジェクト、Webサイト、メール、会話、営業活動など)を選択できます。

参考:データセットを作成して使用する|HubSpot

確定売上オブジェクトの設定が完了したら、プライマリーデータソースとして確定売上を選択してください。

クオーター別に、必要な式フィールドを設定します。

なお、ここでは具体的な式フィールドのご紹介は省きます。詳しく知りたい方は、別途無料相談会にご参加いただくか、開発担当者と相談することをおすすめします。

必要な設定をしたら「保存してレポートを作成」を選択してください。

データセット作成完了画面からそのままレポートを作成、もしくはレポートページにて「レポートを追加」をクリック。

レポート作成画面で、チャートを選択。先ほど作成したデータセットフィールドを呼ぶと、データが表示されます。

同様に各項目を作成していくと、下記のようなダッシュボードを作成することが可能です。

データセット機能を利用するには、HubSpotのOperations Hub Enterpriseが必要です。プロパティの無秩序な追加を防げるため、レポートを綺麗に整理できます。

ダッシュボードやレポートの作成方法は下記も参考にしてください。

>>【Vol.4/8】HubSpot Sales Hubの使い方を徹底解説<ダッシュボード・レポート作成編

>>【Vol.5/8】HubSpot Sales Hubの使い方を徹底解説<受注に関するレポート作成編>

詳しい具体的な設定方法については、FLUEDにご相談ください。無料相談会にお気軽に参加していただけると嬉しいです。

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HubSpotの売上予測(フォーキャスト)の精度を高めるには?

HubSpotを使ってフォーキャストの精度を高めるためには、下記の点を意識してみてください。

  • 営業実績を多く積み上げる
  • 過去の実績の傾向を見極める

それぞれ見ていきましょう。

営業実績を多く積み上げる

HubSpotに営業実績が豊富に蓄積されると、フォーキャストの精度が向上します。

なぜなら、実績が増えることで蓄積されるデータが増え、過去の傾向や顧客の反応パターンがより明確になるからです。

具体的には、以下のような営業活動のことです。

  • 商談実施
  • メール送付
  • 電話アプローチ

これらの活動を通じて顧客との接点が増えると、期待値やランク付けの基準がより明確になります。

その結果、優先順位の高い商談やフォローアップの判断がしやすくなり、営業メンバー間の認識のズレや顧客との期待値のギャップが減少します。

最終的には、より正確な売上分析・売上予測ができるようになるわけです。

過去の実績の傾向を見極める

フォーキャストの精度を高めるには、HubSpotに蓄積された過去の実績をもとに分析することが大切です。

今年度と昨年度の営業実績を比較すると、より精度の高いフォーキャストを出せます。その理由は、どの時期に商談が増え、どの時期に落ち込みやすいかなど、季節的な傾向を把握できるからです。

また、過去のデータを比較し、成約につながった商談の特徴や失注したケースの共通点を分析することで、改善ポイントも明確になります。

ただし、比較する際は前年同時期の実績と比べる必要があります。そうしないと、季節要因や市場動向の違いを考慮できず、誤った予測につながる恐れがあるからです。

過去の実績をしっかりと分析し、傾向を見極めることで、より正確なフォーキャストが可能になります。ぜひ実践してみてください。

営業実績が増えるほど、売上予測の根拠が明確になります。過去の傾向をもとに効果的な分析を進めていきましょう!

HubSpotを使って予実管理(ヨミ管理)をしよう

HubSpotのフォーキャスト機能を活用すると、営業チームが見込み顧客の状況や商談の進捗を把握しやすくなります。

予実管理(ヨミ管理)がスムーズにできるため、HubSpotユーザーは積極的に活用を検討しましょう。

実際の売上と予測値を比較することで、組織全体の売上目標を効率よく達成するためのアクションプランを立てやすくなります。

設定方法について相談があれば、FLUEDの無料相談会にご参加ください!

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松永創

FLUED CEO / 代表取締役 Hubspotシニアスペシャリスト

B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。 HubSpotゴールドパートナーとしても認定され、サポート実績多数。WEBを中心としたオンライン施策から、インサイドセールスや展示会といったオフライン施策まで幅広く支援している。携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。 B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。