2020年から環境の変化が起き、新しい生活様式がスタンダードとなり、ビジネス面においては自由に対面営業ができなくなりました。同時にデジタルシフトが加速し、非対面のオンライン商談が増えています。
このように営業形態は変われど、営業部に課せられた数字を達成するためには、時代の変化に対応していく必要に迫られています。そんな中、2021年5月に『訪問しない時代の営業力強化の教科書』という本が発売されました。
本書では、訪問しない時代においても、変わらず強い営業組織を作っていくためにはどうしたらいいか、不安を抱えている企業の悩みを解決する本として多くの人に読まれています。
弊社、株式会社FLUEDでは、コンサル先のお客様にもオススメしている本です。
今回は、『営業力強化の教科書』の概要をまとめつつ、記載された内容を実践するためのポイントについて触れていきます。
株式会社FLUEDではBtoBのマーケティングにお悩みの方へ、無料のオンライン相談会を実施しております。
数多くの企業様をご支援してきた経験からBtoBマーケティングに関する質問、疑問にお答えいたします。
コンテンツ目次
『営業力強化の教科書』の具体的な内容とは?
本書では、「訪問しない時代の〜」と銘打っているように、コロナ禍における非対面営業が進んだ世の中において、どのように営業組織を強化していくか、という視点で構成されています。
特に、以下の課題を持たれている方には参考になります。
- Webセミナーを始めたいが集客元のデータベースがない
- 広告を強化したくとも、実績がないため予算が取れない
- 営業活動がオンライン化で困難になった
- 営業メンバーへのアドバイスもオンラインのため、対面の時のようなフォローができない
- 顧客の変化に合わせてニーズを満たす提案準備ができていない
また、営業とマーケティングの役割分担が上手くできていない、一貫した施策が打てない、システム整備が整っていないなど、課題は山積みです。
これらの課題を踏まえ、どのように対応していくか、営業戦略や人材育成に実績のある株式会社パーソル総合研究所、SFA・MAの分野で世界的に実績のある株式会社セールスフォース・ドットコム、BtoBのWebマーケティング分野に深い造詣のある株式会社ウィットの3社が参画し、最前線の情報をまとめています。
本章では、各チャプターの概要をまとめていきます。
営業戦略
本チャプターでは、営業戦略の重要性にスポットを当てています。戦略は作るだけでは遂行されないため、遂行できるような地に足のついたプランニングの重要性を説いています。また、営業戦略はマーケティングとの協業が必須であること、決して営業だけでは戦略は描ききれない背景について触れています。
営業に焦点を当てると、戦略を考える上でアカウントプランを作ることを勧めています。アカウントプランは、特定の顧客を深掘りし、様々な情報をもとに自社のソリューションをどう顧客へ提案していくか、詰め将棋を行うようにロジカルに進めていくための計画です。
そのためには支援体制が必要であり、営業戦略の可視化を実施し、ABMと呼ばれる特定のアカウントをターゲットとしてマーケティングアプローチを行うことが必要とされています。
営業マネジメント
本チャプターは、営業マネジメントを体系的かつ具体的に理解するため、戦略、市場、顧客、商談、活動の観点でポイントを解説しています。
戦略目標を展開する「実行計画書」や顧客の「層別活動指針」、「標準営業プロセスマップ」とパイプラインマネジメントの考え方、商談マネジメントを確度と進度からデザインする方法などを取り上げています。
営業スキルアップ
営業担当者を対象に実施した調査をもとに、業績の高いパフォーマーの特徴を分析しています。加えて、オンライン営業で特に重要なスキルに触れています。
例えば、営業活動の基盤であるターゲット選定、顧客戦略立案、商談場面でのヒアリング、プレゼンテーション、ネゴシエーションと言ったスキルと、ロイヤルカスタマーの獲得について紹介しています。
営業人材育成
本チャプターでは、営業人材の育成を成功に導く、戦略的かつ体系的な育成の展開方法を紹介しています。さらに、育成の鍵となる営業マネージャーに焦点を当て、マネジメントやコーチングのポイントを取り上げています。組織全体として営業の最適化を実現するセールスイネーブルメントについて、Salesforceの事例を交えて詳細に紹介しています。
SFA(営業支援システム)
SFAは、高い生産性で営業活動を行い、目標を達成するために必要不可欠なツールとして、日本でも導入する企業が年々増えています。一方で自社に合わせてどのように活用すればいいか、運用イメージを持ちづらい側面も持ち合わせています。
本チャプターでは、基本的な機能から、活用のステップやコツ、最新テクノロジーであるAIと組み合わせた活用に至るまで、「SFAの基本」を解説しています。
MA(マーケティングオートメーション)
対面営業が難しくなった昨今、顧客の意思決定のプロセスは、営業が知らない間に進むようになっています。今まで以上にオンラインでの顧客接点の重要性が増す中、注目されているのがMAです。
MAツールの導入はゴールではなく、ビジネスを大きくしていくためのスタートです。MAを活用し、正しく成果を出すための運用方法から効果測定まで、踏み込んだ実践的な活用術について触れられています。
インサイドセールス
インサイドセールスは単なる内勤営業ではなく、顧客に寄り添って傾聴し、その声を各部門に届けるハブとして、その役割や価値を大きく広げつつあります。
組織の方向性を決めるKPIの設定や、人材育成についても触れながら、インサイドセールス立ち上げの7ステップに沿って、「訪問しない時代に求められる本質的な営業活動とは何か」を読み解いています。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスというと、契約後のサポートをイメージする方が多いかもしれません。しかし、顧客と中長期的に関係を築くことが求められる現代において、「顧客の成功を実現する」という考え方は、営業担当者も提案の段階から持つべき視点といえるでしょう。
本チャプターでは、企業全体として目指すべき、真のカスタマーサクセスと、その実現方法について解説されています。
マーケティング
コロナ禍におけるマーケティング活動は、顧客の行動そのものがテレワークやオンラインに移行したことで、強制的にデジタルマーケティングへのシフトが迫られています。
本チャプターでは、場当たり的なWebマーケティングやオンラインセミナーの活用ではなく、営業活動と一体となったマーケティング活動にするための作戦を解説しています。
統合戦略に向けたロードマップ
これまでのチャプターで提供された各ノウハウを参考にしながら、営業とマーケティングの統合戦略を立案・推進するためのロードマップを解説しています。
自社の課題を実務的に振り返りやすいように、チェックポイントとして整理もされています。重点的に対策を打つポイントを明確にし、読者が統合戦略を実現するための足掛かりにできるヒントが、最終チャプターとしてまとめられています。
営業戦略の重要性
前章では、『営業力強化の教科書』の各チャプターの概要について簡単に説明をいたしました。実際に読んでいただければ分かりますが、営業力強化について非常に詳細に述べられた内容です。内容も専門的であるため、何度も読み返し、特に自社が課題と感じている部分について理解を深めていただくと良いでしょう。
本書のチャプター1は、営業戦略からはじまっています。なぜかというと、営業戦略は会社の命運を分けると言っても過言ではない、最も重要なテーマだからと予想されます。
仮に営業戦略が間違ってしまえば、いくら実行する営業メンバーが優秀であろうと、結果を出すまで相当な労力を要します。営業戦略は、営業メンバーの日々の活動の指針となる根幹の要素です。会社として数字を上げるため、継続して顧客にサービスを使ってもらうため、解約を減らすためにはどうしたらいいか、といった大局的な内容です。
したがって、自社ソリューションの理解はもちろん、競合との差別化ポイント、どの業種のどういった規模の顧客へアプローチしていくのか、その方法はどうするのかといった点をいくつも詰めていきます。様々な社内外のステークホルダーも関係し、予算を投入していきます。
営業戦略を立てるためには、新年度が始まる前から、経営陣を含め入念に話し合いを重ね、各営業部ごとにその戦略が落とし込まれ、策定された戦略をもとに、社員は自身のミッションを遂行していくのです。
営業戦略が決まったら、役員、事業部長クラスから担当レベルの社員まで、戦略が浸透するまで情報共有がされ、部門の数字や個人のKPIを決めるための大元を決定します。したがって、営業戦略を決めることは簡単ではなく、社の命運を決める重要な意味を持つのです。
『営業力強化の教科書』を実践するためのポイント
『営業力強化の教科書』の内容を実施するためには、繰り返し本書を熟読することが重要です。『営業力強化の教科書』の本は非常に優れた内容になっており、営業力を高める上で参考になるポイントばかりです。『営業力強化の教科書』ほど、網羅的に営業組織を強化する上で必要な情報が含まれている書籍はないと言えます。
また、本書を熟読する以外には、やはり目的やゴールを設定して実践することがポイントです。なんとなく始めることも重要である一方、実践するためには、戦略的にロードマップを描いて営業力強化を図っていく必要があります。
戦略的にとありますが、自社のソリューションの理解、ターゲットとすべき顧客層、競合比較など、顧客や競合に目を向けることが重要です。同様に、自社の体制や営業プロセス、マネジメントなど満遍なく理解し、組織を再構築するくらいの覚悟で大変革をする必要があるかもしれません。
ひとえに実践といっても濃淡はありますが、部分的に実践するくらいなら、成功のポイントがまとまった『営業力強化の教科書』のアプローチを参考に取り組むと良いでしょう。
まとめ:『営業力強化の教科書』を実践したい会社はすぐにご相談
営業力というのは、非常に抽象的かつ幅広い概念です。営業力の解釈は会社ごと、営業組織ごとに異なります。営業は奥が深く、営業力を強化しいくら業績をあげても、毎年結果を出し続けることは非常に困難です。なぜならば、時代とともにお客様は変化し、競合も変化し、トレンドも変化し、自社組織も常に変わっていくため、アップデートし続ける必要があるからです。
こうした状況を踏まえると、『営業力強化の教科書』を実践することが並大抵のことではないとご理解いただけるかと思います。ただし、不安を感じる必要はありません。『営業力強化の教科書』を実践するにあたって、企業の営業組織強化の支援をしているコンサルティング会社も存在します。
コンサルティング会社を活用すれば、会社規模や業種、現在置かれている状況など、各企業の状態を診断し、何から取り組むのがベストかを指南してくれます。自社で『営業力強化の教科書』を実践するのが困難でも、外部コンサルに意見を求め、最短距離で実践できます。
まずはご相談からでも構いません、営業力を強化し、企業の業績を改善したいという思いになんとしてでも応えたいと思っています。お気軽にお問い合わせから始めてみませんか。ご連絡お待ちしています!
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