みなさまの会社の営業は、テレワークスタイルでも営業活動を行なえていますでしょうか。今や、営業にもテレワークを導入している企業が一般的になりつつあります。テレワークになったからといって、営業の生産性や成果は落とさず、むしろ成果を上げる企業も多数存在します。
本記事では、営業におけるテレワークの実態、メリット・デメリット、導入時に気をつけるべきことについて網羅的にご紹介いたします。営業のテレワークに懐疑的な会社、疑問を持っている方々のお役に立てば幸いです。
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コンテンツ目次
営業職におけるテレワークとは
テレワークとは
コロナ禍の背景もあり、テレワークスタイルで業務を行なっている企業が増えています。テレワークとは「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語で、ITを活用し、時間や場所に依存することなく柔軟に働くことを意味します。
リモートワークやモバイルワーク、ワークフロムホーム(WFH)、在宅勤務など呼び方はさまざまですが、コロナ禍において、営業にもテレワークは浸透しています。
営業職でテレワークが進まない背景
このテレワークですが、実際のところ営業職では、テレワークが進んでいない企業や職種もあります。一般的に営業は、何かあった時にお客先に駆けつける、対面形式が良しとされる固定観念が理由としてあるでしょう。
また、オンラインで商談が完結し、契約まで一度も会わずに営業活動を本当に行えるのか、といった懐疑的な面もあるでしょう。その他には、テレワークを始める際のネット環境を揃えたり、ツールを導入したり、使い方を覚えたりと、アナログからデジタルシフトが必要になることも営業職のテレワーク導入を妨げる理由だと言えるでしょう。
営業職におけるテレワークのメリット
営業職において、テレワークを行う際にどういったメリットがあるかを紹介します。
効率よく商談を実施できる
テレワークの場合、基本的に自宅やカフェで業務が行えます。オンライン上でほぼ全ての業務が完了するため、物理的に移動をする必要がなく、その分営業活動にダイレクトにリソースや時間を割くことができます。単純に営業活動に割ける絶対的な時間が増えるため、PCに向かっている時間が全て営業に関する業務になります。
その結果として、商談の数を移動時間を入れずに詰め込むこともできます。極端な例かもしれませんが、テレワークであれば昼休憩の1時間を除いた場合、9:00-18:00のうち、8時間を商談に回し、1商談1時間と換算すると、1日で8つの商談を実施することができます。
このような稼働時間は、移動を伴うオフラインで実現することは難しいでしょう。無論、事前準備や商談後の顧客フォローも行う必要がありますが、オフライン時に比べると効率的に商談数を多く持つことができるのです。
場所を選ばずに商談可能
テレワークは、場所を選ばずどこからでも商談を行えることもメリットの一つです。仕事中は仕事に集中すべきですが、家族との時間を過ごしたり、家事育児をせねばならない、平日しか行えない役所などの手続き業務なども、テレワークであれば仕事をしながら柔軟に調整できるでしょう。
また、地理的条件で今までなかなかアプローチできなかった地方都市、場合によっては海外の見込み顧客に対してもリーチできるようになります。物理的に距離が離れているからという理由で避けていたフォロー対象外のリードへもアプローチできます。お客様側もテレワークの導入が進んでいるケースも多く、オンライン商談の実施を比較的受け入れやすい環境が整ってきています。
商談準備に時間を割ける
上記では距離的な制約から解放され、数多くの商談を持てる、今までリーチできなかったリードへのアプローチを増やすことができるとお伝えしました。
しかし、仮に商談数が同じだった場合、移動時間など今まで避けられなかった時間を、商談や提案準備に割けるようになります。これまで十分に1stミーティングの準備ができていなかった場合、商談発掘のために見込み顧客の会社情報、過去の商談履歴、すでにコンタクトがある名刺情報、直近のニュース、業界動向などを入念に調べることができます。
また、ミーティングの進め方や、相手が興味を持ちそうな情報について思考を巡らせ、仮説を立て、相手の求める情報を用意するための準備に充てられるようになります。
結果的に見込み顧客にも有益な情報を提供できるため、準備して商談に臨めることで案件化できたり、商談のステージが大きく進捗する可能性が上がるでしょう。
人材を確保しやすい
続いては人材採用についてです。これまでオフィスに出社できる距離に居住している候補者に絞って選考をしていた状況に比べ、テレワークの場合は、地理的に候補者の募集範囲が広くなるのもメリットです。
テレワークが主流になりつつあるのは限定的なトレンドかもしれませんが、東京に本社を構える会社であっても、北海道や九州地方、場合によってはアジア圏に住んでいる人を採用候補者として呼び掛けられるようになります。
地方に住んでいる適任の人材がいても、これまでは地理的な理由で企業も候補者も採用を諦めることしかできませんでした。しかしテレワークであれば、営業職でも地方都市在住の候補者を選考の一人とすることができるのです。
実際に働くと、何かあった際にお客様先に出向く必要性も出てくるため、まったく働く場所を選ばないとは言えません。しかしながら、条件付きでこれまで採用できなかったエリアの候補者に、営業候補として選考を受けてもらえるようになり、人材の確保がしやすくなっていると言えるでしょう。
デジタルシフトに舵を切れる
テレワークは営業活動をオンライン上で行うため、紙やハンコといったオフラインのやり取りも必然的に減っていきます。紙は電子ファイルになり、ハンコも電子署名を採用する流れになってきています。
提案資料も基本的に印刷することはなく、パワーポイントやGoogleスライドで準備し、商談が終わったらクラウドストレージを経由して共有されます。商談もオンラインツールで行われますし、営業管理も名刺管理もクラウドサービスなどを通して行われます。
上記は一例に過ぎませんが、必然的にデジタルツールを駆使し、デジタルアプローチを積極的に行うようになっていくのです。これまで避けていたか、あるいはうまくいかなくて進んでいなかったのか、理由はさまざまですが、強制的にデジタルシフトへ舵を切れる点はテレワークのメリットと言えます。
営業職におけるテレワークのデメリット
一方で、営業職におけるテレワークのデメリットも存在します。メリット同様にデメリットに触れていき、営業におけるテレワークを理解していきましょう。
対面で感じる微妙なニュアンスを拾いきれない
テレワークは便利ですが、顧客の微妙なニュアンスまでは拾いきれません。対面であればダイレクトに入ってくる五感を通した情報も、オンラインのフィルターを通して相手に伝わります。
テレワークでは相手の息遣いや、目線、微妙な間、声のトーンを全て拾いきれないため、相手が意図していることがオフラインに比べてダイレクトに感じ取れないという点は否めません。
しかしながら、その微妙なニュアンスが拾えないからといって商談がうまくいかないかと言えば、そのようなことはありません。デジタルツールやセールステックツールは日々進化しています。見込み顧客が口で言っていることと、実際に思っていることが異なるのはいつになっても同じです。
見込み顧客の行動をベースに、デジタル上のアプローチを裏付けを持って決定していくこともできますし、ZOOMなどのオンライン会議ツール(Miitel for zoomなど)で十分な環境を準備することで、営業活動を問題なく行えますので、心配しすぎる必要はありません。
必要なツールを使いこなす必要がある
テレワークになることで、営業はオンラインツールやデジタルツールをこれまで以上に使いこなす必要が出てきます。紙ベースで行ってきた情報管理が電子に移行していることを例にとっても、使いこなす必要のあるツールが次々と増えていきます。
便利であると感じるには、ツールを使いこなせることが条件になりますが、ツールも一つや二つではないので、慣れるまでに多少の時間を要するかもしれません。しかしながら、テレワークを営業として成功させるためにはツールを使いこなせないと始まらないため、正しい使い方を理解し、繰り返し操作してみて1日も早く慣れる必要があるでしょう。
社内外のコミュニケーションのハードルが上がる
営業がテレワークをする際のコミュニケーションの手段は、以下のようなものがあるでしょう。
- 電話
- メール
- チャット
- オンライン商談ツール
オフィスであれば同僚が同じ場所にいるため、フラっと席に近づき声をかけることもできます。声をかける前にも、忙しそうかどうかは見ていてなんとなくわかります。対面であれば、くだらないことや雑談、ちょっとした愚痴もさらっと言えるでしょう。
しかし、テレワークであれば、何かのツールを起動しアクションを起こし、相手と接触を図る必要があります。その際によほど気心知れた相手ではない限り、ちょっとした雑談や愚痴を、わざわざツールを起動し相手に伝えようとは思わないはずです。たとえ相手は気にしていなかったとしても、ワンクッションのアクションがあるので、愚痴や雑談であろうと「こんなくだらないことを伝えていいのだろうか」と尻込みしてしまうかもしれません。
ただし、最近のツールはそうしたコミュニケーションのハードルを下げられる使い勝手の良さも備えており、SlackHubbleやOviceなど雑談レベルのことも気負いなくコミュニケーションできる手軽さを機能として備えているものも増えています。
また、チャットなどコラボレーションツールを当たり前に使っている世代がメインになっている企業もあり、社内外のコミュニケーションをうまく取れるよう、いくらでも工夫できるでしょう。
営業のテレワークを成功させるオススメツール
営業がテレワークで行う上で、ツールの活用が欠かせません。本章では、具体的に3種類のツールをご紹介します。テレワークを有意義に行うためには、是非とも導入をご検討ください。
オンライン商談ツール
オンライン商談ツールは、ZOOMやTeams、ベルフェイスなどいくつも存在します。ほとんどの企業がこれらのオンライン商談ツールを導入し、テレワークを実施しています。
営業の場合、基本的に顧客とコミュニケーションをメインに取るため、議事録や録画機能があると営業活動をよりスムーズに行うことができます。例えばMiitel for zoomであれば、オンライン営業を行う上で役に立つ機能が搭載されており、非常に便利です。
SFA
営業にとって必須ツールであるSFAですが、テレワークであっても同様です。テレワークを行う際、営業とSFAの相性は非常によく、オンラインで行った商談結果をそのままSFAに記録し、日々の営業活動を効率化させることができるでしょう。
移動や雑務などでSFAに記録する時間がないという営業も、商談後の記憶がクリアな状態で、数分だけでもSFA入力の時間を取れれば、営業状況を共有でき、有意義なコミュニケーションを関係メンバーと取ることができるはずです。
参考:【SFA比較】主な営業支援ツール(SFA)の特長と違いを解説
セールスエンゲージメントツール
テレワークを行う際、セールスエンゲージメントツールは営業活動の成功を支えるツールです。インサイドセールスや営業は、営業支援系のツールをいくつか使っていることが多いですが、使いこなせていなかったり、どうしても部門間やツール間の連携がうまくいかず、抜け落ちてしまう営業情報が出てきます。
そのような営業活動におけるボトルネックを解消するツールとして、セールスエンゲージメントツールが存在します。
さまざまなツールの効果を発揮させるために、セールスエンゲージメントツールは存在しますが、テレワークにおける営業においても同様です。ツール間の情報を連携させたり、その情報にインサイトを与え、次のアクションを効果的にしたり、コーチングを行う際のフィードバックに活用したりと、社内外の連携強化が期待できるでしょう。
営業職がテレワークを導入する際のポイント
本章では、いざ営業職がテレワークを実施する際に押さえておくポイントや、導入を検討した方が良いと思われるツール等をご紹介します。
セールステックツールを導入
セールステックツールは、ITを活用し、営業活動を推進する役割を果たします。テレワークのように、デジタル上のコミュニケーションが必須な状況で、営業パーソンの生産性を高めてくれることでしょう。
これまで当たり前だった対面営業の場合、顧客の微妙な間や表情の変化、声のトーンなどのニュアンスをつぶさに感じ取ることができますが、テレワークの場合は、どうしてもそれらのニュアンスを拾いきれません。
しかしながら、オンライン上のコミュニケーションだからこそ入手できるデータがあります。それらのデジタルデータを活用し、データをもとに顧客理解を深めることで、営業活動を効率化し、生産性を高めることができるでしょう。
参考:セールステックとは?ツールを活用し営業力を強化する際のポイント5選
営業が自発的に報連相を行う
テレワークの場合、オフィスに出社する機会が減るため、今までのように営業パーソンの動きが把握しにくくなります。結果として、上司は自身の部下である営業パーソンが何をしているか、何に困っているのかがわからなくなります。そうした状況を解決するために、営業パーソンが自発的に報告・連絡・相談を行うことが重要です。
上司は通常、複数名の営業担当者を部下に持っており、上司から状況を確認する場合、人数分の手間が発生します。そこで、営業自身が商談の状況報告や、顧客からの質問への相談事など積極的に上司に連絡を行うことで、上司は営業の動きが見られるようになるため安心できます。
必然的にコミュニケーションも増えてきますし、営業自身も積極的に報連相を行う姿勢があれば、営業活動が活発に行われていることの証左にもなり、ポジティブな方向に進んでいくでしょう。
テレワークというこれまでと違った新しい働き方を取り入れる場合、営業自身が自立した行動を取れるかが、チームマネジメントや上司の負担を軽減したり、ヘルシーな活動を継続したりするためのポイントとなるはずです。
上司は営業を信用し、管理しすぎない
上司は、テレワークによって部下の営業が何をしているかを把握しにくくなるため、どうしても不安を感じてしまいます。だかといって営業が何をしているのかを頻繁に尋ねたり、厳しい報連相のルールを求めたりすると、営業担当者も信頼されていないと思ってしまうでしょう。上司としては、部下の管理という通常業務を行なっているので致し方ないのですが、そうはいっても信頼関係が重要であり、距離感もお互いにとってベストな形で取れることが理想でしょう。
上司は、部下の一挙手一投足を気にして細かく連絡するのではなく、最低限のコミュニケーション頻度に押さえ、信頼することもポイントです。しかしながら、営業担当者が若手であったり、転職したてで上司のサポートが必要だったりする場合は、頻繁にコミュニケーションをとって然るべきです。
営業で独り立ちできる担当者に関して言えば、裁量を与え、最低限の管理に留めるとテレワークもうまくいく可能性が上がります。上司と部下の信頼が確立された関係でいることが、テレワーク導入の成功の前提となるのです。
意識的な社内のコミュニケーションを心がける
管理しすぎないという前のコメントと一見矛盾するようですが、テレワークについて一般的に言えることとして、物理的にオフィスでメンバーが集まる機会が激減するため、コミュニケーションの頻度は絶対的に下がります。
そういう場合に備え、意識的なコミュニケーションの頻度を上げてくことが重要です。例えば、チーム全体のミーティングや上司との1on1ミーティングを必ず週に一度は設け、定期的な情報共有の場を設けるのも良いでしょう。また、オフィスアワーを設け、部門間を跨いだ交流の場を用意し、上司や部下、同僚間での関係を維持向上することも大切です。
タイミングや状況が許せば、オンラインだけではなく、オフラインでの会合の場を設けるのもやはり重要です。コミュニケーションのリアルタイム性は、オフラインに勝るものは現時点ではないからです。
テレワークは、いままでオフィスで直接会ってコミュニケーションすることが当たり前になっていた状況とは異なります。コミュニケーションを積極的に取らないと、滅多に関わらない人とは本当に数ヶ月、半年と話す機会すらなくなります。一人ひとりができるだけ意識して、コミュニケーション活性化につながるアクションをしていくと良いでしょう。
対顧客・対社内で信頼関係を築いていく
テレワークだからこそ、行動を基準に信頼関係を積み上げて構築して行くことが、成功のポイントになります。顧客、社内の関係者と信頼関係を構築していくには、下記のようなアクションを取ることを心がけると良いでしょう。
- メールへの返信をできるだけ早く行う
- 電話に出られなかったら、折り返せるタイミングでコールバックする
- 期日までにリクエストされた質問の回答や資料を準備し、回答する
- わからないことは納期直前になって確認しない、疑問はすぐに解消する
- 進捗状況をできるだけこまめにチェックする
- 粗相があった場合は素直に謝罪する
- 良いことがあった時は相手を褒める
- 相手の行動に対する感謝を述べる
いかがでしょうか。テレワーク時に注意すべきポイントとして参考までに記載していますが、テレワークだからという内容ではありません。多くの人が、どんな時もそうあるべきと納得いただける内容でしょう。テレワークだからといって、何か特別なことをする必要はないのです。
オフィスで仕事をする場合、例えばアクションが遅くなった場合は、社内にいれば本人にフォローアップが直接できるかもしれませんが、テレワークの場合は同じようにはできません。しかしながら、テレワークでも電話やチャットを通じ、コミュニケーションを取ることはできますし、別の方法で自分の行動をフォローすることは可能なのです。
「やるべきことをやってくれる」という信頼を少しずつ社内外の関係者に積み上げて、信頼貯金を増やして行くことが、テレワークにおいても営業が成果を出す上で欠かせない基本的な行動と言えるでしょう。
まとめ:営業職のテレワーク導入を成功させるなら営業DXへご相談を
営業職でも今やテレワークは普及してきており、まだ導入されていない企業も、いずれその対応に迫られるかもしれません。これはテレワークを導入できる/できないが良い/悪いの話ではなく、世の中の流れによって働き方も変わってきており、それに順応できるよう企業も準備をしておくことが重要であるということを意味します。
オフィスに来て必ず仕事をしなければならない職種や業種はありますが、必ずしもそうではない場合、従業員へ働き方の選択肢を提示するのは、会社への帰属意識や、長期的な人材確保の点からも得策だと言えるでしょう。
営業のテレワーク導入を検討しているが、どこから始めたらいいのかがわからない、というお悩みがあれば、営業DX.jpにご相談ください。
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