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営業活動で使いたいKPIとは?設定するメリットや留意点を紹介

2021.04.30

2023.06.08

営業DXコラム

営業活動をしていると、「KPIを設定することが重要」だと聞いたことが一度はあるのではないでしょうか。大切とはわかっていても、日々の忙しい業務で設定をおろそかにしてしまっているかもしれません。

そこで本稿では、営業KPIの意味、設定するメリット、営業の場面でよく使われるKPI、設定時の留意点を解説します。

一旦立ち止まってKPIについてもう一度考え直し、営業活動のPDCAサイクルを回せるようになりましょう。

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営業KPIとは

KPIは、営業担当者が目標を達成する上で重要な中間指標です。たとえば、1か月でチーム全体で100万円を売り上げる目標を立てたとします。しかし、それだけでは具体的に日々の活動で何を目標にすればいいかわかりません。そこでKPIとして「毎日15本の電話営業をする」「1週間につき1件新規契約を結ぶ」といった中間目標を立てることで、大きな目標が達成しやすくなるというわけです。

KPIは、英語のKey Performance Indicatorの略称で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。KPIを設定することで、やみくもに営業活動をするのではなく、毎日の小さな目標を達成しながら業務を進めることが可能になります。

営業活動でKPIを設定するメリット

営業担当者ごとや営業プロセスごとにKPIを設定することで、PDCAを回しやすくなるというメリットがあります。つまり、Plan(計画)→Do(実行)→Check(確認)→Action(改善)といったサイクルにおいて、目標までのプロセスをそれぞれ数値化することができます。

例えば、電話営業で、特定の業種や地域の潜在顧客に架電すれば獲得率が上がるとわかった場合、「架電数」というKPIを増やしたり、テレアポ人員を増加させたりすることで営業活動が促進されます。

また、KPIは営業活動を目に見える形で数値化できるので、営業担当者の業績を評価しやすくなり、モチベーションアップにつながるでしょう。

営業KPI設定前に必要なKGIとは

KPIを設定するには、KGIの設定が不可欠です。KGIとはKey Goal Indicatorの頭文字で、日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれています。営業では売上高や利益率がKGIで、KGIを達成するためのプロセスでKPIが設定されます。

そのため、まずはKGIを決めなければ、KPIを設定することができません。ゴールがなければ、どこに向かって走ればいいかわからなくなるからです。また、日々の業務に忙殺されないためにもまずはKPIを意識して、最終目標であるKGIを念頭に置いて行動することが大切です。

営業でよく使用されるKPI

では営業でよく使用されるKPIにはどういった項目があるのでしょうか。以下に9種類のKPIを解説します。

リード数

リードとは、見込み客のことをいいます。リード数を多く獲得するということは、確約数が増えて目標の売上高といったKGIに近づくということです。そのため、営業活動ではKPIとしてリード数を設定し、獲得方法や獲得後のナーチャリング(育てる)方法を検討します。

MQL

MQLとは、英語でMarketing Qualified Leadの略で、日本語では「マーケティング活動で創られたリード」といわれます。上記で解説したリードにはいくつかの段階があり、「すぐ購入したい」と購入意欲の高いリードと、「いつか機会があれば」と温度感の低いリードと幅があります。

そこでMQLの数をKPIとして設定し、温度感が高くすぐにでも購入する意欲のある顧客を生み出すために、メールマガジンの配信、無料セミナー開催など、情報を提供してリードを育てる活動が必要です。

SQL

SQLは、英語でSales Qualified Leadの略称で、日本語で「営業活動で創られたリード」と呼ばれています。上記のMQLと似ていますが、たとえばリードへの架電やリードの要望に合わせた見積もり作成、リードの問題解決をするような機能の提案など、営業担当者がカバーできる活動が挙げられます。SQLの数をKPIとして設定すれば、確約に近いリードの獲得を目標にできるでしょう。

商談数

商談数も重要なKPIの1つになります。テレアポで新規顧客を獲得したり、過去に連絡を取ったことのある既存顧客を掘り起こしたりすることで、目標の商談数を達成するよう営業活動していきます。商談数はわかりやすいKPIとなるため、設定している企業は多いでしょう。

商談獲得率

商談獲得率とは、営業活動を行った件数のうち、商談につながった割合を表しています。BtoBのテレアポでは100件の見込み客にアプローチして、そこから数件獲得できれば御の字といわれています。アポの獲得が商談獲得に直結しているわけではないので、シビアな数字となるでしょう。しかし商談獲得率をKPIに設定し、上げる努力をすれば確約につながる可能性が高くなります。

受注率

受注率とは、新規開拓などで獲得した商談数のうち、受注につながった割合をいいます。当然ながら、受注率は高い方が売り上げが立てられるようになります。受注率をKPIに設定して数字の伸びが悪い場合は、商談に何か問題があると考えられます。商談する方法や担当者、提案内容を再検討する必要があるといえるでしょう。

平均顧客単価/LTV

平均顧客単価とは、顧客が商品やサービスに支払う平均額を意味します。英語ではLife Time Value(ライフタイムバリュー/LTV)と呼ばれています。当然ながら、平均顧客単価が高いほどKGIを達成しやすくなります。わかりやすい指標であるため、KPIとして設定する企業が多いようです。

受注までのリードタイム

リードタイムとは、もともとは物流用語で、商品の発注から納品に至るまでの時間を表します。営業活動に当てはめると、ファーストコンタクトから受注までの時間を意味し、短ければ営業効率が高いといえるでしょう。そのため、KPIを受注までのリードタイムで設定すれば、営業活動の生産性を高めることを目標にできます。

パイプラインのステージにおける滞留時間

パイプラインとは営業活動の一連の流れをパイプと考え、マネジメントする手法です。道路のパイプのように、営業活動においても、営業フローが常に滞りなく流れている必要があり、どこかの営業ステージで滞留してしまうと受注が困難になってしまいます。営業フローをスムーズに動かすためには、営業活動の各ステージで滞留時間を短くすることを意識する必要があるでしょう。その時間をKPIとして数値化し、管理します。

営業KPI設定時の留意点

ここまでは、営業でよく使われるKPIを説明してきましたが、設定する際にはどのような留意点があるのでしょうか。4点解説するのでぜひ参考にしてください。

営業担当者が動かせる数字を設定

KPIとして、営業担当者が営業努力で動かせる数字を設定するようにします。たとえば、顧客との商談数や平均顧客単価は動かせますが、一般的に商品の利益率は動かせません。企業によって動かしやすい数字は異なるので、最適なKPIを設定するようにしましょう。

KPIの設定数はなるべくシンプルに

KPIを設定することで、営業担当者に混乱やプレッシャーを与えすぎないことが大切です。すべての営業フェーズにおいてKPIを設定し、一度に複数管理する必要があると、営業担当者がどれを最優先にすればいいかわからなくなり、モチベーションが下がる可能性があるからです。

企業ごとに異なるKPIを設定

設定すべきKPIは、企業によって異なります。具体的な数値はもちろんのこと、何の項目で設定すればいいかも変わってきます。そのため、書籍やネットなどの情報を真似するのではなく、自社の営業プロセスをもう一度見直して、適切なKPIを選ぶ必要があります。

達成状況の適宜確認

KPIは一度設定すればいいのではなく、適宜達成状況を確認し、場合によっては再設定することが大切です。あまりにも高い目標のKPIにしてしまい、現状の数字とまったく異なれば、変更する必要があります。一度決めた数字を変えることに抵抗があるかもしれませんが、現状と合わせて柔軟に変更する姿勢も重要です。

あまりにもKPIが達成できないと、営業担当者のモチベーションが下がってしまう可能性があります。もちろんKPIを甘すぎる設定にしてはいけませんが、調整しながら営業活動を進めていくといいでしょう。

KPIを設定して営業活動のPDCAサイクルを回そう

本稿ではKPIの意味や設定するメリット、営業プロセスの中でよく使用されるKPIについて解説しました。KPIを設定する重要性は理解いただけたかと思いますが、実際どのように自社の営業活動で設定すればいいかが難しく、なかなか決められないという方もいらっしゃるかもしれません。

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松永創

FLUED CEO / 代表取締役 Hubspotシニアスペシャリスト

B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。 HubSpotゴールドパートナーとしても認定され、サポート実績多数。WEBを中心としたオンライン施策から、インサイドセールスや展示会といったオフライン施策まで幅広く支援している。携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。 B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。