2022年6月19日に発売された㈱FLUED・松永と、㈱ネットショップ支援室・山本氏の共著『業務効率化からはじめるBtoB営業DX』より、営業DX先進企業のインタビューをご紹介します。
営業DXツール導入までのいきさつや、 デジタル化によって解決できた問題からまだ残されている課題まで徹底取材しました。
プロジェクトの責任者ならではの 苦労話を交えながら、現場のリアルな声をお届けします。
今回は、デジタルツール導入により受注業務の効率化を実現された株式会社サザコーヒーホールディングスさまのインタビューです。
- 導入ツール:BtoB専用 ECシステム( BtoB-EC )、 キャッシュレス決済システム
- お話:執行役員 営業部長 谷口 肇さん
- 聞き手:株式会社ネットショップ支援室 山本 皓一朗氏
コンテンツ目次
伝票整理に月132時間。DX推進に舵取りを
山本:まずは、御社がどのような事業を展開されているのかご紹介ください。
株式会社サザコーヒーホールディングス谷口肇さん(以下・谷口):コロンビアにコーヒー豆の自社農園を持ち、コーヒーの製造、販売、卸しを行っています。 1969年、茨城県で創業し、「サザコーヒー」の名でカフェ事業も展開しています。現在、直営は 15店舗です。
山本:早速ですが、営業DXツールを導入するに至った経緯を教えていただけますか?
谷口:長く問題となっていたのが、直営店を含む卸売先、約600社分の伝票を手作業でパソコン入力していたことです。注文は電話とFAXで受け付けていましたから、その個別の対応も大変でした。
山本:月に何件ぐらいの注文があるのでしょう?
谷口:繁忙期の12月は、1カ月で3000件ほどになります。それらをひたすら手打ちしていたので、営業担当は朝早くに出勤して一件一件処理していました。
山本:本来のお仕事である営業業務に支障が出ていたのでは?
谷口:4人でそれぞれ1日1時間半ほどかかっていましたから、月に換算すると132時間を事務作業に取られていました。そこで、BtoB-ECの導入を検討することになったんです。
山本:サザコーヒーホールディングスさんには、弊社のBtoB専用ECシステム「楽楽B2B」をご利用いただいています。「楽楽B2B」を選んだ理由を教えていただけますか?
谷口:まず、社内で使用していた販売管理ソフトとデータの自動連携ができていたことです。そのため、他のシステムを変更することなく、コストダウンを叶えながら、 それでいてスピーディーに導入できる点が大きな決め手になりました。 実際、導入にあたってはそこまで時間がかからなかったと思います。
山本:導入がスムーズに行われた、ということですね。
谷口:専用サイトをオープンするまで2〜3カ月で、その間は手厚くサポートしていただいたので助かりました。弊社はそもそもアナログな会社ですので(笑) 。
山本:サポートなしでは、やはり難しかった、というご感想ですか?
谷口:どうしても、最初のうちは分からないことが出てきますから、適宜質問しながら解決できて大変心強かったです。
山本:「楽楽B2B」導入後の職場の様子を教えていただけますか?
谷口:営業担当の伝票処理にかける時間を90%ほど削減できました。
山本:月に132時間取られていたのが……、 そのうちの120時間ほどをカットできた計算になりますね。それは、すごい!
谷口:はい、弊社のこの取り組みについては、2021年8月に日本経済新聞さんに大きく取り上げていただきました。事務作業が減った分、おかげさまで営業業務に集中できるようになりました。社員の顔も明るくなりましたよ。
山本:それだけ、伝票処理の仕事が重荷になっていたのですね。
谷口:営業というリアルに数字を追わなければいけない仕事に加え、日々の事務作業も膨大でしたから、負担が大きかっただろうと、今さらながら痛感しています。
「掛払い決済代行サービス」 で経理事務を自動化
山本:それでは、BtoB-EC専用システム導入にあたっての、 業務フローをご紹介いただけますか?
谷口:弊社では、「楽楽B2B」を導入しました。
デジタルツール決定
↓
ECサイト作成(サイトデザイン決定、商品の登録、取引先ごとの価格設定、販売管理ソフトとの連携など)
↓
直営15店舗にテスト導入
↓
取引先全社に導入
という流れです。 デジタルツール決定から直営15店舗へのテスト導入までが、2〜3カ月です。
目指すはWeb受注率100%
山本:今後取り組みたい課題や目標などはありますか?
谷口:まずはWeb受注率の向上です。 「楽楽B2B」の導入で、約600社のうち230社ほどがネット注文に切り替わりました。これを、いずれはすべてWebで対応したいと思っています。次に、 「マネーフォワードケッサイ」の導入です。
山本:現在は、請求書発行から代金回収まですべて自社で行われているのですか?
谷口:クレジットカード会社と契約してクレジットカードでの支払いは可能にしていますが、より多くのお客様と安心してお取引ができればと「マネーフォワードケッサイ」の導入を検討しています。うまく活用すれば経理事務が自動化されるので、かなりの効率化が図れるはずです。そこから、新たな販路拡大につながればと思います。
山本:ネット注文が増えたことで、営業担当のみなさんも本来の業務に集中できるようになったのでは?z
谷口:はい。従来のお客様だけでなく、おかげさまで新規開拓に取り組む余裕も生まれてきました。今後は県内外を問わず、広く販路を拡大していきたいと思います。
営業DX推進でココが変わった!
- 電話、FAXでの注文をネット注文にシフト
- 月132時間のパソコン入力時間を約 90%削減
- 営業業務に集中し、 販路拡大のきっかけに
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株式会社ネットショップ支援室 代表・山本 皓一朗氏と株式会社FLUED 代表・松永の共著『業務効率化からはじめるBtoB営業DX』が2022年6月19日に発売されました。
明日からでも始められる営業DXのヒントが詰まった1冊となっておりますので、営業DXを進める第一歩として、お手に取っていただければ幸いです。