マーケティング手法のひとつとして、展示会が注目を集めています。
展示会マーケティングとも呼ばれるこの方法は、商品やサービスの実演と対面コミュニケーションができるため、集客に効果的です。
本記事では、展示会を活用したマーケティング戦略の立て方や戦略ポイントについて、分かりやすく解説します。
メリットや注意点もまとめているので、BtoBのマーケティング担当者はぜひ最後まで読んでお役立てください。
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コンテンツ目次
マーケティングの一環として展示会を選ぶメリット
企業のマーケティング活動において、展示会出展を選ぶメリットは以下の通りです。
- 対面で数多く営業できる
- 特定のテーマに興味のある方が集まる
- 自社の商品やサービスを宣伝できる
- 既存顧客と再度接点を持てる
展示会には、ほかのマーケティング手法にない独自の利点があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
対面で数多く営業できる
展示会は、多い時は3日間で300社近くの方と接点を持てるマーケティング手法です。
一般的な展示会は、平日の3日間に開催され、来場者は自社の都合に合わせて来場日を選べます。
通常の営業活動では1日に数社程度しか訪問できませんが、展示会なら1日で最大100社近くの見込み客と商談や情報交換ができます。
対面コミュニケーションの強みは、商品やサービスを実際に見て、触れて、体験してもらえることです。
オンラインや電話では伝えにくい内容も、相手の反応を見ながら調整できるため、より良い提案ができるようになります。
特定のテーマに興味のある方が集まる
展示会の大きな特徴は、特定のテーマや業界に特化して開催されることです。
例えば、以下のようなテーマです。
- ECビジネス関連
- 製造業向けITソリューション
- 不動産・建設業界
- DX関連
このように明確なテーマがあることで、来場者はそのテーマに関心を持った方に絞られます。
自社のターゲット層と合致する展示会を選べば、効率的に見込み客と出会え、集客がしやすくなります。
自社の商品やサービスを宣伝できる
展示会は多くの来場者に一度に商品やサービスを紹介できる貴重な機会です。
セミナーの開催や印象的なブース装飾を通じて、直接の商談がなくても自社の認知度が高まります。
特に、商品やサービスのデモンストレーションやプレゼン、トークショーをすると、より多くの来場者の関心を引くことができます。
既存顧客と再度接点を持てる
既存顧客との関係性を再度つくれる点も、展示会のメリットです。
新商品やサービスのお披露目として既存顧客を招待することで、自然な形で接点を持てます。
また、日常業務に追われて疎遠になっていた顧客とも、展示会という場を活用して情報交換が可能です。
対面で会話することで、商品やサービスのアップセル・クロスセルの機会にもなり、ビジネス拡大のチャンスも生まれやすくなります。
展示会におけるマーケティング戦略の流れ
展示会を成功させるには、綿密な計画と実行が大切です。ここでは、展示会マーケティングの下記7つのステップを詳しくご説明します。
- 目的を決める
- 出展場所を決定する
- 展示会用のコンセプトを考える
- 展示会の準備をする
- 展示会当日を迎える
- 展示会後の後処理を実施する
- 展示会の効果を測定する
一つずつ確認しましょう。
1.目的を決める
展示会の成功には、明確な目的設定が欠かせません。多くの企業の目的は、売上もしくはブランディング・認知向上のどちらかです。
ただし、展示会の場ですぐに商品やサービスの販売ができるわけではないため、リード獲得を目指します。リードとは、商品やサービスに興味がある見込み客のことで、名前や電話番号、メールアドレスなどの情報のことです。
企業の目的によって、定める数値目標が以下のように異なります。
売上を重視する企業 | ブランディングや認知度向上を重視する企業 |
名刺交換200件アンケート回答150件アポイントメント獲得20件 | ブース来場者数500名デモンストレーション1日10回SNSシェア100件 |
このように、目的に応じて適切なKPIを定めることで、展示会の成果を明確に測定できるようになります。
2.出展場所を決定する
展示会を選ぶ際に最も重要なのは、自社の商品やサービスと展示会の親和性です。
IT関連のサービスを提供している企業であれば「Japan IT Week」や「Japan DX Week」など、業界に特化した大規模展示会があります。
近年は従来の会場型展示会に加えて、オンライン展示会という選択肢も増えています。予算や出展の目的、ターゲット層などを考慮して、最適な展示会を選択しましょう。
より詳しい展示会情報については、「イベント一覧資料」をご参照ください。弊社、株式会社FLUEDで、BtoBマーケティングに役立つ展示会情報(オフラインとオンライン)をまとめました!
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3.展示会用のコンセプトを考える
展示会では数多くの企業がブースを出展するため、同業他社の中で埋もれないように工夫することが大切です。
明確な自社コンセプトを確立する必要があります。効果的なコンセプトを作るには、ターゲットとなるペルソナや提供する価値、解決する課題を具体的に定義します。
自社でクラウドセキュリティサービスを開発している会社を例にして、見ていきましょう。
コンセプトは「専門家いらずで始められる!中小企業の味方クラウドセキュリティ」です。
要素 | 内容 |
ペルソナ | ITツールに不慣れな中小企業の経営者・IT担当者 |
提供する価値 | 低コストの高度セキュリティソフト+専門家による導入支援 |
解決できる課題 | 専門知識がなくても導入できる安心のセキュリティ対策 |
このように、誰に(ペルソナ)、何を提供し(価値)、なぜ必要か(課題)を明確にすることで、展示会の訴求ポイントが定まります。
4.展示会の準備をする
展示会の成功は、入念な事前準備にかかっています。事前集客からブース準備、人員確保まで、抜け漏れのない準備が必要です。
まず大切なのが、ブース設営の準備です。来場者の目を引き、かつ商談がしやすいブースデザインとレイアウトを設計しましょう。
商品やサービスを効果的に展示できる什器の配置や、企業メッセージを伝えるパネル、バナーなどの装飾品も用意する必要があります。
また、人員の配置も不可欠です。受付やプレゼンテーション、商談、デモンストレーションなど、それぞれの役割に適した人数を配置すると、来場者対応の抜けが生じません。
ブースデザインやレイアウトの詳細については、下記の記事で解説しています。
>>展示会ブースの効果的なレイアウトやデザインは?見落としがちなポイントも解説
5.展示会当日を迎える
展示会当日は、早めに会場入りしてブースの設営をします。什器やパネルの設置、商品の配置、機材のチェックなど、開場前にすべての準備を整えましょう。
また、チームメンバー全員で当日の動きを最終確認することが重要です。担当エリアや交代時間、商談の引き継ぎ方法など、細かな運営ルールを共有します。
認識合わせができれば、チームで連携して、来場者と積極的な交流ができるようになります。
展示会のリード獲得方法や商談化のコツについては、下記の記事で詳しく解説しているのであわせて確認ください。
>>展示会でのリード獲得方法を5ステップで徹底解説!よくある失敗例や商談化のコツも
>>展示会営業の決定版ガイド|成功するためのコツ10選から適性企業まで徹底解説
6.展示会後の後処理を実施する
展示会が終了したら、まずブースの撤去と備品の片付けをします。
しかし、展示会が終わったからと言って気を抜いてはいけません。
最も重要なのは、獲得したリードを迅速にフォローすることです。名刺交換をした方には、翌営業日までにお礼メールを送り、具体的な商談やアポイントにつなげていきます。
また、商談の可能性や緊急度に応じて顧客データに優先順位をつけることで、効率的なアフターフォローができます。
お礼メールの書き方や効果的なフォロー方法については、下記の記事をご参照ください。例文を使って解説し、分かりやすくまとめています。
>>【例文あり】展示会来場者へのお礼メールの作成方法!その後のフォローについても解説
7.展示会の効果を測定する
最後は、展示会の効果測定です。
展示会の成果は、定量的・定性的の両面から測定する必要があります。定量面では、事前に設定したKPIの達成度を確認します。
例えば、以下のような項目です。
- 名刺獲得数の目標達成率
- 商談実施件数と成約率
- 投資対効果(ROI)の算出
名刺獲得数を3日で300枚とした場合、290枚であれば未達、320枚であれば達成と判断します。
一方、定性面における評価も忘れてはいけません。例えば、これまでアプローチできなかった業界と商談できた場合、今後ビジネスチャンスが拡大する可能性が高まります。
これらの総合的な評価をすることで、次回の展示会に向けた改善点が明確になります。
展示会におけるマーケティング戦略のポイント5つ
効果的な展示会マーケティングを実施するには、以下のポイントを押さえることが大切です。
- 事前に集客する
- アンケートを取る
- アフターフォローは翌日までに実施する
- 結果は中長期で考える
- マーケティング活動のひとつとして捉える
上記を実践せずに場当たり的な対応をしてしまうと、貴重な商談機会を逃してしまう恐れがあります。
事前に集客する
展示会の成功は、事前の集客活動にかかっています。
DM(案内状)の送付や自社サイトでの告知、SNSでの情報発信など、複数の方法を組み合わせることで、より多くの見込み客を集められます。
特に、久しく接点のない顧客に対しては、展示会を関係性を再構築する機会として活用しましょう。
アンケートを取る
来場者のニーズを正確に把握するために、アンケートの実施は効果的です。
商品やサービスへの関心度や導入時期を尋ねることで、購入フェーズにいる顧客を見極められます。
アンケート作成の具体的な方法は、下記の記事をご参照ください。実際の展示会でそのまま使える例文も掲載していますので、ぜひご活用ください。
>>展示会のアンケートを作成する5つの方法は?ポイントや例文を使って解説
アフターフォローは翌日までに実施する
展示会後のアフターフォローは、スピードが命です。
FLUED社のクライアント事例によると、展示会翌日にアフターフォローを実施した場合、商談化率が4倍になったデータがあります。
来場者の記憶が鮮明なうちにアプローチすると、商談に進みやすくなります。
そのため、土日や祝日であっても、必ずメールで連絡を入れましょう。
これらの総合的な評価をすることで、次回の展示会に向けた改善点が明確になります。「展示会で名刺交換させていただいた○○です」と具体的に伝えると、相手も思い出しやすくなります。これらの総合的な評価をすることで、次回の展示会に向けた改善点が明確になります。
結果は中長期で考える
展示会の成果は、短期的な成果だけでなく、中長期的な視点で評価することが重要です。実際、展示会から数ヶ月後に問い合わせが来るケースも少なくありません。
そのため、見込み顧客との関係性を育むリードナーチャリングが大切と言えます。
具体的には、業界のトレンド情報や自社の活用事例、お役立ち情報などを定期的に提供し、顧客の課題解決をサポートする姿勢です。
継続的に価値を提供していけば、見込み客から信頼が得られるようになります。
こうした継続的なアフターフォローは、CRMツールやMAツールを活用することで効率的に管理できます。
顧客の反応や興味関心を可視化し、最適なタイミングでアプローチしましょう。
マーケティング活動のひとつとして捉える
展示会は、マーケティング活動全体の一部として考えることが大切です。
たとえ目標とした成果が得られなくても、必要以上に落ち込む必要はありません。単にその展示会に自社のターゲット層が少なかったことが考えられるからです。
むしろ、展示会で得られた経験や知見を活かし、Web広告やメールマーケティング、セミナーなど、ほかのマーケティング活動と組み合わせられます。
その結果として、より効果的な顧客開拓ができるようになります。
展示会におけるマーケティング戦略の注意点
展示会出展は大きなチャンスである一方で、考慮すべき重要な注意点が2つあります。
- 出展するにあたり100万円〜数百万円はかかる
- 通常業務に支障が出る場合がある
上記、費用面と人的リソースについて、事前に十分な検討が必要です。
出展するにあたり100万円〜数百万円はかかる
展示会への出展には、予想以上の費用が発生します。1回の出展で最低でも100万円、大規模な出展の場合は数百万円の予算が必要です。
主な費用項目は、以下の通りです。
- 出展料
- ブース施工・設備費
- ブースのデザイン費
- 展示物・配布資料制作費
- 運営スタッフの人件費
- 集客費用
出展費用の詳細や費用対効果の計測方法については、下記の記事でまとめています。
費用対効果や出展にかかる費用を抑える方法も紹介しているので、ぜひご参照ください。
>>展示会にかかる費用や内訳は?安くするポイントや費用対効果の計測方法を解説
通常業務に支障が出る場合がある
展示会の準備は、通常業務と並行して進めることになります。
展示会専用のチームがある企業であれば問題ありませんが、多くは既存スタッフが通常業務とかけ持ちで対応することになります。
そのため、会期が近づくにつれて、準備作業が通常業務を圧迫しやすいです。この課題を解決するには、早めの準備着手と、明確な役割分担が重要と言えます。
社内に展示会を運営する人員がなければ、外部に委託することもできます。
マーケティング戦略を練って展示会を最大限活用しよう
展示会は100万円以上のコストがかかるものの、効率的にリード獲得ができるマーケティング手法です。
対面のコミュニケーションを通じて、商品やサービスの価値を直接伝えられる点が最大のメリットと言えます。
入念な事前準備をして、展示会後のリードナーチャリングをしっかりと実施すれば、中長期的に大きな成果を得られます。
展示会を単発のイベントとせず、継続的なマーケティング施策の一環として活用していきましょう。
下記より展示会の開催情報をチェックしてください!オフライン・オンラインそれぞれでイベントが記載されています。
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