「セールスとマーケティングはなぜ連携が難しいのだろうか」
「セールス部とマーケティング部が上手く協力し合う方法が知りたい」
組織内の部署間の連携は、どの会社にとっても大きな課題の1つです。お互い同じ目標を持っているとはいっても、業務内容や性格など、さまざまな違いが原因で上手く協力できないことがあります。
そこで今回の記事では、セールスとマーケティングの違いやズレが生じる理由、両部署が上手く連携するためのコツを7つ解説します。
記事の最後には、営業のプロに直接相談できるサービスも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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コンテンツ目次
セールスとマーケティングとの違い
セールスとは、自社が提供する製品やサービスを売る行為をいいます。顧客担当者との関係構築やコミュニケーション、問題のヒアリングと解決策の提示を行いながら、自社プロダクトを販売することを目標としています。
マーケティングは、セールスが効率よく売るための仕組みづくりが主な業務です。例えば、業界の動向や市場調査、リード獲得のためのキャンペーン立案などが含まれます。ターゲットが絞り込まれているセールスとは違い、不特定多数の見込み客を対象にしている点が特徴です。
セールスもマーケティングも、リード獲得して育成する点では変わらず、どちらも重要な部門です。同じ目的に向かって動いているにもかかわらず、ズレが生じてしまう理由を以下で解説します。
セールスとマーケティング間でズレが生じる理由
セールスとマーケティングの部署間でズレが生じる理由について、3つ説明します。
目標までのスパンが違う
まず1つ目に、それぞれ目標までのスパンが異なる点が挙げられます。
セールス部では、週や月、四半期などで定められたゴールを達成することが求められ、スピード感のある対応が必要です。しかしマーケティング部では、受注確度ができるだけ高いリードの獲得、ブランディングやPR活動など、期間を一概に定めることが難しい中長期的な業務に取り組んでいます。
従って、2つの部署間で話す言語や目標としているノルマが異なるため、「契約数アップ」「売上増」といった同じ目標を立てたとしても、仲間意識が持ちにくくなってしまうのです。
リードに対する考え方が違う
次に、セールスとマーケティング部では、リードへの考えのズレが生じやすいという点があります。
セールス部は「マーケティング部から引き渡されたリードは、成約につながりにくい」と不満を持ち、マーケティング部では「セールス部はリードを上手く次につなげてくれない」といった認識の違いが、よくあるようです。
この原因として、セールス部が望むリードと、マーケティング部が獲得しようとしている新規リードについて、意見が一致していないと考えられるでしょう。
これは2部署間でよく見られるズレの一例です。リード獲得の時点で問題が発生しているため、その後の営業プロセスに大きな影響を与えてしまいます。
気質の違いへの理解が乏しい
セールス部とマーケティング部との違いは、業務上のものだけではありません。お互いの気質も理由の1つです。
一般的に、セールス部は「狩りタイプ」、マーケティング部は「農耕タイプ」と分けられます。つまり、セールスタイプは狩りに出かける猟師のように走り回るタイプで、マーケティング部は四季の変化に応じて種を植えて育てる温厚な性質です。
「狩りタイプ」は急いで獲物を捕まえるのが好きな人が向いていますが、「農耕タイプ」は時間をかけて野菜を育てる気質を持つ人が向いている、といえるでしょう。
性格の違いからも、お互いの仕事のやり方や考え方が理解できず、関係性に不満を抱いてしまうこともあります。
セールスとマーケティングの連携はなぜ重要か
さまざまな違いがあったとしても、セールスとマーケティングの連携は必須です。2つの部署が連携することは「スマーケティング」とも呼ばれ、協力することで効率性や成果の向上が期待できます。
逆に、上手く連携が取れていなければ、情報が共有されず、リード育成や受注に向けた機会損失の恐れがあります。
どちらの部署も、リード獲得や育成に関する知識や経験が豊富です。違う視点で話し合いや情報共有を積極的に進めることで、相乗効果が生まれ成果拡大が期待できるのです。
セールスとマーケティングが協力体制を築くことで、結果的に収益増も見込まれるので、組織として連携を促す取り組みをする必要があるでしょう。
セールスとマーケティングが連携するための7つのコツ
では具体的に、セールスとマーケティングが連携するにはどうすればいいのでしょうか。ここでは7つのコツを紹介します。
ターゲットのペルソナを共有する
まずは、ターゲットに関する理解を一致するところから始めましょう。
通常、マーケティング部が新規獲得して育成したリードを、セールス部に引き継ぎます。その際、会社として想定しているターゲットと一致しているかどうか確認し、認識を統一する必要があります。
例えば、BtoCビジネスでターゲットが「30代女性」であったとして、「専業主婦」「独身」「OL」のどこの層に属しているのかが明確でなければ、ターゲットが払える金額が変わる可能性があるでしょう。
このように、ターゲットについて細かくペルソナ設定をして、誰に向かってPRしているのか社内で統一することが大切です。
新製品やサービスをリアルタイムで伝える
マーケティング部門が、新商品やサービスを市場に打ち出す際に、リアルタイムでセールス部にも伝えるようにしましょう。
情報を正しく共有するために、製品説明をセールス部にもする必要があります。セールス担当者が既存顧客に対してフォローする際、アップセルやクロスセルが見込めるようになるからです。
もし情報が伝わっていなければ、それは大きな機会損失につながります。マーケティング部は、新商品やサービスは新規顧客に対してだけでなく、既存顧客にもプロモーションをかける必要がある、と認識しておきましょう。
KPIを部分的に共有する
同じ目標に向かって走っていることを意識するために、一部のKPIを共有しましょう。例えば、獲得したリードの数から何件受注につなげたいかなど、KPIをあらかじめ設定します。
お互いの部署がKPIを適宜確認することで、目標達成がされてない場合は「マーケティング部が獲得するリードが問題なのか」、それとも「セールス部のその後のアプローチが悪いのか」など、問題特定がスムーズになるからです。
KPIをどちらも閲覧できるダッシュボードで管理すると、数値を達成するために協力体制ができているか、考えながら日々業務に向き合えるようになります。
共通のKPI設定は、セールスとマーケティングのどちらも経験がある人が決めるといいでしょう。
施策立案にセールスも巻き込む
自社製品やサービス、新機能オプションの施策をプランニングするとき、マーケティングだけでなくセールス部隊も巻き込みましょう。セールス担当者も企画から参加することで、リードへアプローチしやすくなるからです。
さらに、現場について理解が深いセールス担当者から、ターゲットのペルソナ情報をもらうことで、マーケティング部もより効果的なキャンペーンが打ち出しやすくなるというメリットがあります。
現場担当者からマーケティングのアイデアを共有し関係性を深めれば、リードに響くキャッチコピーやプロモーションがイメージしやすくなるでしょう。
双方がフィードバックする場を設ける
マーケティング部は、実際にお客様と接する機会が比較的少ないので、数値だけではリードについて理解が難しくなります。そこで、セールス担当者から新規リードについてフィードバックをもらえれば、質の高い見込み客につなげることが可能です。
逆に、マーケティング部からセールス部に対しては、市場調査の結果や景気の動向など、現場の理解では難しいポイントを共有することで、自社製品やサービスのセールスポイントを効果的に伝えられるようになるでしょう。
週に1回など、マーケティング部とセールス部が集まって話し合う場を定期的に設けると、相乗効果が高まるのでおすすめです。
同じツールを活用する
SFA(営業支援ツール)やMA(マーケティングオートメーション)、CRM(顧客管理システム)など、セールス部とマーケティング部で同じツールを導入するのも、連携を図る上で必須です。
統一されたツールを活用することで、KPIの目標管理、ターゲット分析、案件の進捗状況の共有ができ、施策を打ち出しやすくなります。
企業によっては、セールス部とマーケティング部で違うツールを導入しているケースが見られます。しかし、これではお互い蓄積した資産ともいえる情報を上手く活用できず、無駄が生じてしまうでしょう。
最近では、SFAやMA、CRMが一体となったツールも出てきているので、自社に必要な機能を洗い出して同じツールを活用できるよう、職場環境を整えることが大切です。
SLAを作成し役割や業務フローを明確にする
SLA(Service Level Agreement)を作成するのも、マーケティング部とセールス部との連携に役立ちます。
SLAとは、日本語で「サービス品質保証」「サービス水準合意」などと呼ばれ、それぞれの部署の役割や業務フローを明文化することです。
会社がSLAを作成して、各部署の役割や業務を定義づけておくことで、スムーズに連携しやすくなり争いごとを避けやすくなります。
セールス部とマーケティング部がSLAを導入すれば、マーケティング活動でより高い収益が期待できるとも言われており、作成する企業は増加しています。
セールスとマーケティングを連携してビジネスを加速しよう
セールスとマーケティングは、業務内容はもちろん、目標までのスパンや担当者の気質など、さまざまな違いがあります。しかし、お互いが歩み寄りフィードバックを重ねながら、上手く連携することが大切です。
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