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マーケティングリソースマネジメント(MRM)とは?BtoBマーケを効率化!

2021.06.28

2023.06.08

BtoBマーケティング

BtoBマーケティングは、企業が利益を上げていくにあたって、重要な役割を担います。しかし、無駄にコストをかけてしまったり、やみくもに施策を増やしてしまったりした結果、失敗した経験をもつ方も多いのではないでしょうか。

そこで、リソースの配分を最適化できる、「マーケティングリソースマネジメント(MRM)」という考え方に注目が集まっています。

この記事では、「マーケティングリソースマネジメント(MRM)」の概要やメリット、実施のポイントなどを解説します。

株式会社FLUEDではBtoBのマーケティングにお悩みの方へ、無料のオンライン相談会を実施しております。

数多くの企業様をご支援してきた経験からBtoBマーケティングに関する質問、疑問にお答えいたします。

マーケティングリソースマネジメント(MRM)とは?

マーケティングリソースマネジメント(MRM)とは、企業のマーケティングに必要な「人」「資源」「時間」「費用」といったリソースを、適切に管理する活動のことです。必要な施策に対し、必要なリソースを割り当てることで、費用対効果を最大限に高められます。

ひとえにBtoBマーケティングといっても、Webコンテンツ・Web広告・ダイレクトメール・メルマガ・SNSなど、さまざまな施策があります。

マーケティングリソースマネジメントを実施することで、「どの施策に効果があり、これからも予算投下すべきか」や、「どの施策に効果がなく、撤退すべきか」といったことが明らかになるのです。経営学的に見れば、「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PM)」の概念に近いと考えればわかりやすいかもしれません。

コストがかかるうえ、施策の成果がブラックボックスになりがちなマーケティング活動において、リソースを適切に管理していく「マーケティングリソースマネジメント」の重要性が高まっています。

マーケティングリソースマネジメント(MRM)のメリット

マーケティングリソースマネジメントを実施するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、2つのポイントでご紹介します。

費用対効果を最大化できる

第一に、費用対効果を最大化できるメリットがあります。企業が行っている複数のマーケティング施策について、「どれくらいの費用をかけて、どれほどの成果が出たのか」が明確になるからです。

たとえば、ある企業において、オウンドメディアの運用・リスティング広告への出稿・展示会への出展の3つの施策を実施しているとしましょう。それぞれの施策にかかった金額とコンバージョン数は、以下だとします。

  • オウンドメディアの運用…予算:500万円、コンバージョン:100件
  • リスティング広告への出稿…予算:250万円、コンバージョン:60件
  • 展示会への出展…予算:100万円、コンバージョン:10件

上記の場合、コンバージョン1件あたりの費用が最も安いのは、リスティング広告(4.16万円)です。逆に最も高くついてしまうのは、展示会への出展(10万円)になります。

分析の結果、展示会の出展へかける予算を減らし、リスティング広告へ再配分する、という判断ができるでしょう。一方でマーケティングリソースマネジメントができていないと、全体視野が持てないため、費用をいたずらにかけ続けたり、施策の種類をやみくもに増やしたりしてしまいがちです。

施策単位での客観的な分析が可能になる

マーケティングリソースマネジメントをすることで、1つのマーケティング施策に対しても、客観的に分析することが可能になります。

たとえば、BtoBマーケティング施策の一環として、リスティング広告へ出稿したとしましょう。マーケティングリソースマネジメントがされていない状況だと、投下した予算や、コンバージョンへつながった件数などが数値情報として把握できていないため、その時の雰囲気で成果を判断しがちです。

一方でマーケティングリソースマネジメントにおいては、リスティング広告への出稿費用・運用にかかった人件費・クリック数・コンバージョン数・売上に寄与した金額など、リソースの投下状況と結果を事細かに把握します。客観的な情報がいくつも集められるため、的確な分析が可能になるのです。

BtoBマーケティングの全体像と施策

上記で、BtoBにおけるマーケティングリソースマネジメントの概要やメリットについて説明しました。ここでは、BtoBマーケティングの全体像を整理したうえで、リソース配分をする方法を解説します。

BtoBマーケティングは、顧客の検討段階によって、以下のプロセスで分けられます。

  • リードジェネレーション:見込み客を新たに獲得するための活動
  • リードナーチャリング:見込み客を育成するための活動
  • リードクオリフィケーション:購買見込みの高い顧客を選別するための活動

マーケティングリソースマネジメントをする際は、それぞれを別次元で管理する必要があります。たとえば、リードジェネレーションとリードナーチャリングでまとめて管理していると、資源配分の方法によっては、どちらかの施策へ割く予算が極端に少なくなってしまうこともあるからです。

また、一度リソースの配分を決めた後は、施策を成功させるための戦略を立てる必要があります。BtoBにおいては、以下のステップで取り組むのがおすすめです。

  1. 課題・目的を明確化する
  2. ペルソナを作成する
  3. カスタマージャーニーマップを作成する

マーケティングリソースマネジメントを実施していくにあたって、リソース配分を決めるだけでなく、その後、いかに適切な戦略を策定していくかも重要な要素だといえるでしょう。

関連記事:BtoBマーケティングの戦略策定のステップを徹底解説!基本用語や手法もご紹介

BtoBマーケティング施策の優先順位の考え方

全体的なリソース配分を決定し、最良な戦略を策定したあとは、施策単位でのリソース配分を検討する必要があります。ここでは、BtoBマーケティング施策を実施する際の優先順位の考え方をご紹介します。

まずは全体のマーケティングプロセスから考える

まず、上記で整理したマーケティングプロセスをもとに、施策の内容を、顧客の導線に合わせてカスタマイズしていきます。たとえば、ウェブコンテンツの集客施策であれば、以下が考えられます。

  • 認知拡大:Webサイトへできるだけ多くの方に訪問してもらう
  • コンバージョン:資料請求や問い合わせをしてもらう
  • 商談:コンバージョンへ至った顧客を育成し、商談に持ち込む
  • 受注:商談を実施し、受注へ持ち込む

Webサイトがまだ立ち上がったばかりであれば、まず認知拡大に努めるべきでしょう。そのためには、SEOやリスティング広告といった施策へリソースを投下することになります。

ある程度Webサイトの認知拡大が進んでいるのであれば、コンバージョンの増加に向けてリソースを割きます。具体的には、サイト設計の見直しやバナーデザインの変更、訴求方法の改善などが挙げられるでしょう。

ターゲット顧客をもとに考える

次に、狙いたい顧客層に合わせて、リード獲得施策を実施する順番を決めていきます。

たとえば、中小企業がターゲットであれば、初心者向けのHowTo記事を作成したり、中小企業向けのメディアへ露出したり、といった施策へ優先的に取り組みます。

特定の業界を対象としていれば、その業界における自社サービスの導入事例を作成したり、業界紙へ広告出稿したり、といった施策が考えられるでしょう。

マーケティングリソースマネジメント(MRM)で失敗しないコツ

ここでは、マーケティングリソースマネジメントの実施で失敗しないためのコツを、合計で3つご紹介します。

適切なKPIを設定する

マーケティングリソースマネジメントを実施する際は、KPIの設定が最重要になります。どの指標をKPIとするかによって、成果の度合いが大きく変わってくるからです。

たとえば、マーケティング施策の一環として、SEOコンテンツを作成していたとします。その際、KPIとして考えられるのは、「PV数」「ランディングページへの遷移数」「資料ダウンロード数」「問い合わせ数」「リードへの転換数」などです。

マーケティングリソースマネジメントにおいては、全体視野でのリソース配分も考えていくため、異なる施策との比較検討がしやすいKPIを設定するのが望ましいでしょう。

各施策のアプローチ方法を把握する

マーケティングリソースマネジメントの注意点として、その施策がよかったか、悪かったかという点だけで判断しがちなことが挙げられます。実際には、費用対効果の悪い施策であっても、アプローチ方法を少し変えるだけで、成果が大きく改善することもあるからです。

たとえば、リード獲得のために自社セミナーを開催していたとしましょう。そのセミナーでは、社内の講師が1時間にわたり講義を行い、終了後、アンケートを実施してリードの獲得に努めています。成果が悪ければ、マーケティングリソースマネジメントの観点だと、予算を削減する方向になる可能性もあるでしょう。

しかし、セミナーに外部講師を採用したり、講義形式を双方向の対話形式に変えたりすることで、成果が大きく向上する可能性もあります。マーケティングの成果は、リソース配分だけでなく、アプローチ方法によっても変わる部分があることに留意することが大切です。

PDCAサイクルを回す

マーケティングリソースマネジメントは、一時的ではなく、継続的に取り組み続けることが重要です。リソースの配分が正しいのかどうかを常に確認し、必要に応じて計画を立て直すことも考えましょう。

PDCAサイクルを回していくには、MRMツールの活用がおすすめです。それぞれの施策でリソースがどのように使われているのかを一目で確認したり、施策ごとの計画を効率的に立てたりできます。

マーケティングリソースマネジメント(MRM)ができるツールをご紹介

ここでは、マーケティングリソースマネジメントにおすすめのツールをご紹介いたします。

Sitecore Content Hub

Sitecore Content Hubの公式ホームページで詳しく見る

Sitecore Content Hubは、Sitecoreが提供するマーケティング担当者向けのMRMツールです。主に、デジタルアセット管理・製品コンテンツ管理・マーケティングリソース管理といった機能を利用できます。

Sitecore Content HubのMRM機能においては、複雑なマーケティングプロジェクトの計画や運営を一貫してサポート。スケジュール設定やチーム内でのファイル共有、専門家の共同作業ツールなど、リソースの管理に欠かせない機能が搭載されています。

また、テンプレートを使用してプロジェクトをスムーズに立ち上げたり、ステージゲート法に基づいてワークフローを設定したりすることが可能です。社内外のチームで効率的にプロジェクトを進められるMRMツールです。

マーケティングリソースマネジメント(MRM)を理解し、実践してみよう

この記事では、マーケティングリソースマネジメント(MRM)の概要やメリット、実施方法などについて解説しました。効果測定があいまいになりがちなマーケティングにおいて、リソース管理の重要性が日に日に高まっています。

ぜひこの記事を参考に、自社のマーケティングリソースを把握し、コストパフォーマンスの最大化につなげてみてください。

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松永創

FLUED CEO / 代表取締役 Hubspotシニアスペシャリスト

B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。 HubSpotゴールドパートナーとしても認定され、サポート実績多数。WEBを中心としたオンライン施策から、インサイドセールスや展示会といったオフライン施策まで幅広く支援している。携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。 B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。