展示会営業は、企業にとって大きな可能性を秘めた販促活動です。多くの見込み顧客が集まり、自社の商品やサービスを直接アピールできる貴重な機会と言えます。
しかし、ポイントを押さえないと期待する成果は出ません。
そこで本記事では、展示会営業を成功に導くためのコツ10選と注意すべきポイント、具体的なメリット・デメリットを解説します。
これから展示会営業に取り組もうとしている方は、ぜひ最後までお読みください。
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コンテンツ目次
展示会の目的
展示会の最も重要な目的は、見込み顧客と接点を作り、リードを獲得することです。
多くの来場者が集まる展示会は、自社の商品やサービスを効果的にPRできる機会です。同時に、ブランドの認知度を高め、市場における存在感を高められます。
デモンストレーションや対面の会話を通じて、来場者の興味を引き、将来的な取引につながる関係性を構築できます。
一方で、展示会は既存顧客とのつながりを深める場としても大切です。普段はオンライン中心にやり取りする取引先とも、顔を合わせて直接交流できます。
お互いにメリットのある情報交換ができれば、信頼関係を強化できる場合があります。
長期的なパートナーシップの構築や、新たなビジネス機会の創出につながる可能性も十分にあります。
展示会で効果的な営業のコツ10選
展示会での営業を成功させるためには、戦略的なアプローチが不可欠です。ここでは、効果的な営業をするためのコツを紹介します。
- 展示会の費用対効果を確認する
- 目標を設定する
- 営業しすぎない
- 積極的に名刺交換する
- 適切なブースデザインを決定する
- 事前に集客する
- デモやサンプル、資料を工夫する
- スタッフのトレーニングを徹底する
- SNSを活用した情報発信を実施する
- 展示会後すぐにフォローする
展示会における営業の成果を最大化し、ビジネスチャンスを広げるために、ぜひチェックしましょう。
1.展示会の費用対効果を確認する
展示会にかかる費用は、会場や条件によって前後しますが、100万円〜数百万円ほどです。
決して安くない金額のため、投資に見合った成果が得られるか、事前に費用対効果を検討する必要があります。
参加費用やブース設営費、人件費などを含めた総コストを算出し、見合うリード獲得数や商談成立数の目標を設定することが大切です。
過去の実績データがあれば、参考にした上で現実的な目標を立てましょう。
下記の記事では、展示会にかかる費用の内訳をまとめています。詳細を知りたい方はチェックしてください。
>>展示会にかかる費用や内訳は?安くするポイントや費用対効果の計測方法を解説
2.目標を設定する
展示会で成功を収めるには、明確な目標設定が不可欠です。具体的な数値目標を立てることで、チーム全体の方向性が定まり、効率的な営業活動ができるようになります。
具体的には、以下のような目標が考えられます。
- 名刺の獲得件数:100件
- 商談の件数:20件
- 契約の件数:2件
これらの数字は、展示会の成功を計測する重要業績評価指標(KPI)です。
各フェーズで具体的に設定することで、チームメンバー全員が同じ方向を向いて活動できますし、展示会後の評価もしやすくなります。
達成度を計測すると、良かった点や改善が必要な点が明確になり、次回の展示会に活かすことが可能です。
3.営業しすぎない
展示会では、来場者に対して押し付けがましい営業は逆効果です。むしろ、適度な距離感を保ちながら、興味を引き出すアプローチが効果的と言えます。
そのため、商品やサービスに興味を持たせることに注力しましょう。次回、アポイントメントを獲得できるくらいに相手の関心を引き出せれば、成功と言えます。
また、リードナーチャリングを意識することも大切です。一度で成約することは稀であるため、長期的な関係構築を視野に入れ、段階的にアプローチしていく必要があります。
下記の記事では、展示会でリードを獲得する方法を詳しくまとめています。よくある失敗例なども解説しているので、ぜひご参照ください。
>>展示会でのリード獲得方法を5ステップで徹底解説!よくある失敗例や商談化のコツも
4.積極的に名刺交換する
展示会では、積極的な名刺交換が重要です。来場者が興味を持ってブースを訪れることは少ないため、自ら能動的にアプローチする必要があります。
名刺交換の際は、相手の興味や課題をしっかりとヒアリングしましょう。単に名刺を渡すだけでなく、短時間でも有意義な会話を心がけることで、後のフォローアップがスムーズになります。
また、自社の商品やサービスに特に関心を示した方には、より詳細な説明を行い、次回のアポイントメントにつなげることも考えましょう。
ただし、量だけでなく質も大切です。むやみに名刺を集めるのではなく、自社のターゲットに近い来場者との交流に重点を置くことで、効率的なリード獲得につながります。
展示会後の名刺管理も成功の鍵です。収集した名刺情報を適切に整理し、効果的にフォローアップすることで、展示会参加の価値を最大化できます。
名刺管理の方法やおすすめのツールについては、以下の記事で詳しく解説しています。
>>展示会後の名刺管理はどうすればいい?よくある課題やおすすめツールを紹介
5.適切なブースデザインに決定する
展示会のブースデザインも重要です。ブースの役割は、来場者の注目を集め、商品やサービスの魅力を効果的に伝えることです。
ブースデザインを決める際は、以下の点に注意しましょう。
- 遠くからでも目立つデザインや自社のブランドを明確に示す要素があるか
- 来場者が自然に流れ込み、スムーズに移動できるレイアウトか
- 主力の商品やサービスが一目で分かるよう、効果的に配置されているか
ブースデザインは、単に見た目の良さだけでなく、展示会の目的や自社の強みを伝えることが不可欠です。
適切なデザインにすることで、来場者の興味を引き、滞在時間を延ばし、より多くの商談機会をつくれるようになります。
また、展示会でよくある失敗例として「ブースのデザインにこだわりすぎてしまい、時間とお金がかかる」というケースがあります。
主催者のレイアウトや、オンライン型のブース発注サービスを活用すると、デザインやレイアウトを安価に抑えることが可能です。
効果的なブースレイアウトやデザイン、見落としがちなポイントについては、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
>>展示会ブースの効果的なレイアウトやデザインは?見落としがちなポイントも解説
6.事前に集客する
展示会の成功は、当日の対応だけでなく、事前の準備にも大きく左右されます。当日の来場者を待つだけでは、運任せになってしまいます。
事前集客の方法としておすすめなのが、見込み顧客へのメールやLINEを使った案内です。
展示会の概要や自社ブースの位置、出展する新商品やサービスなどの情報を事前に伝えることで、来場するメリットが明確になります。
また、休眠顧客へのアプローチも効果的です。新商品の案内を兼ねて展示会に招待することで、新たに取引できる可能性が高まります。
長らく接点のなかった顧客であっても、展示会などの機会を通じて参加してくれるケースも少なくありません。
事前集客の際は、来場者特典や事前予約制の商談枠を付けると参加率が向上するため、積極的に取り入れましょう。
7.デモやサンプル、資料を工夫する
展示会では、商品やサービスの魅力を効果的に伝えるために、デモンストレーションやサンプル、資料の工夫も必要です。
実際に触れたり体験したりできるものであれば、特徴やメリットを印象的に伝えやすくなります。例えば、SaaS系のサービスであれば、その場で操作できるサンプル環境を用意しましょう。
また、商品やサービスの案内を事前に練習することも大切です。展示会では多くの来場者と接する機会があるため、簡潔かつ魅力的なプレゼンテーションスキルが求められます。
資料についても、視覚的に分かりやすく、持ち帰って後に見返しても理解できるものを準備することをおすすめします。QRコードを活用し、詳細情報をWebサイトで提供すると良いでしょう。
8.スタッフのトレーニングを徹底する
商品やサービスの知識だけでなく、接客スキルや質問対応力を高めるトレーニングも大切です。想定問答を用意し、練習することで、来場者の質問に適切に対応できます。
チームで統一したアプローチを取れるように、共通のトークスクリプトや対応マニュアルを準備しましょう。スタッフ間で対応に差が出ると、企業としての一貫性が失われてしまいます。
スタッフの対応が悪いと、来場者に「この会社とは付き合いたくない」と思われてしまう恐れがあります。
笑顔や礼儀正しさなど、基本的なビジネスマナーを忘れずに徹底するのがおすすめです。
また、専門的な営業代行サービスを利用するのも一案です。経験豊富な営業代行スタッフを起用できれば、より効果的な展示会運営ができる場合もあります。
9.SNSを活用した情報発信を実施する
展示会中のSNS投稿は、リアルタイムの様子を伝える効果的な方法です。
ブースの雰囲気や新商品の紹介、来場者との交流シーンなどを随時共有することで、会場にいない方の興味も引き付けられます。
臨場感あふれる投稿には、次回の展示会への参加意欲を高める効果があります。
また、ハッシュタグの使い方も重要です。展示会固有のタグと業界で一般的に使用されているタグを適切に組み合わせると、戦略的にオンライン上で露出を増やせます。
投稿が広く拡散されれば、より多くの潜在顧客へリーチできるようになり、ビジネスチャンスの拡大につながります。
SNSを通じて認知が取れると、直接問い合わせが来るケースも少なくありません。
展示会期間中は、SNSのモニタリングと迅速な対応を心がけましょう。
10.展示会後すぐにフォローする
最後のコツは、フォローアップのスピードです。ビジネスチャンスを逃さないために、展示会で名刺交換をした翌日に電話することをおすすめします。
実際に、弊社のクライアントは上記の取り組みをした結果、実施していないクライアントと比べて商談獲得率に4倍もの差が開きました。
フォローアップの基本は、まず展示会参加のお礼を伝えることです。その際、展示会の会話内容に触れ、相手の関心事項や課題に対する解決策を提案できれば、より深い関係構築ができます。
効果的なフォローアップやお礼メールの作成方法については、下記の記事にまとめているので、ぜひご確認ください。
>>【例文あり】展示会来場者へのお礼メールの作成方法!その後のフォローについても解説
展示会営業のメリット
展示会営業には、以下のようなメリットが存在します。
- 決裁権者と交流できる
- ターゲットに近いリードを獲得できる
- 商品・サービスの魅力を直に伝えられる
- 顧客の課題やニーズをヒアリングできる
ほかの営業手法にはない独自の利点もあるため、効果的に活用することで、大きな成果を出せる場合があります。
決裁権者と交流できる
展示会の大きなメリットは、普段はアプローチが難しい決裁権者と交流できる点です。
展示会は、業界の最新情報を一度に集めることができる貴重な機会です。企業の投資判断や戦略立案に大きく影響するため、各社の決裁権者が参加する場合が多くあります。
この機会を活かし自社の価値を直接伝えることで、商談のスピードアップや成約率の向上につながる可能性があります。
テレアポやフォーム営業では、展示会のように決裁権者とすぐにつながれません。質の良いリードを獲得できる貴重な機会と言えます。
ターゲットに近いリードを獲得できる
多くの展示会は、特定のテーマや業界にフォーカスして開催されています。例えば、Webツールや通販、スポーツブランドなど、さまざまな分野に特化した内容です。
このような専門性の高い展示会に参加することで、自社のターゲットに近い来場者と出会える可能性が高まります。提案内容が響きやすくなるため、結果として、効率的にリードを獲得できます。
一般的な広告や営業活動と比較すると、展示会におけるリード獲得は効率的です。
既に自社の提供する商品やサービスに興味を持っている来場者と直接対話できるため、成約までの時間短縮にもつながります。
商品・サービスの魅力を直に伝えられる
展示会のメリットは、自社の商品やサービスの魅力を来場者に直にアピールできる点です。
カタログやWebサイトでは伝えきれない商品の良さを、お客様が直接見て、触れて、体験できます。
例えば、家電製品なら実際に手に取って使い心地を確かめてもらったり、ソフトウェアならデモ画面を操作して使いやすさを実感してもらったりできます。
その結果、購買意欲の向上につなげることが可能です。
また、展示会では来場者の反応を直接観察できるため、商品やサービスに対する生の声も聞けます。
新サービス開発の際の改善ポイントを聞けることもあるので、情報として貴重です。ネット上では拾えない情報を拾える場合も多いため、顧客のニーズを的確に把握できます。
顧客の課題やニーズをヒアリングできる
展示会は、見込み顧客の生の声を聞ける場です。通常のビジネス環境には、このような機会は基本的にありません。
来場者と会話することで、業界の最新トレンドや、顧客が抱える具体的な課題、潜在的なニーズを直接ヒアリングできます。
例えば、どのような目的で展示会に来たのか?どの商品・サービスのどんな機能に関心があるのか?など、具体的かつ詳細な情報を入手することが可能です。
このような情報は、商品開発や改良、マーケティング戦略の立案に役立つため、非常に価値が高いと言えます。
展示会営業のデメリット
展示会営業には多くのメリットがある一方で、考慮すべきデメリットもあります。主な2つのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
- コストがかかる
- 出展に時間がかかる
コストがかかる
展示会への参加は、企業にとって大きな投資です。主なコストには出展料、ブース設営費、人件費、販促物制作費などがあります。
出展料は展示会の規模や場所によって大きく変動し、数百万円かかる場合もあります。魅力的なブースを作るためのデザイン費用や制作費、設営費も無視できません。
また、展示会期間中のスタッフの人件費や、準備期間中の担当者の時間コストも考慮する必要があります。
テレアポやフォーム営業、訪問営業などと比較すると、コストがかかる点に注意しましょう。
出展コストを削減する方法については、「展示会にかかる費用や内訳は?安くするポイントや費用対効果の計測方法を解説」で紹介しています。
気になる方はチェックしてください!
出展に時間がかかる
展示会に出展するには、思っているよりも準備時間と労力が必要です。
まず、展示会の選定から出展の目的設定、ブースのコンセプト決めなど、綿密な計画立案をしなければなりません。効果的なブースデザインの考案と制作、商品サンプルやデモ機器の準備などに、相当な時間がかかります。
また、効果的な接客や商品説明ができるよう、事前にスタッフを教育することも重要です。
展示会後のフォローアップ計画も立てる必要があるため、これらの準備に要する時間は、通常の営業活動を圧迫することが予想されます。
特に中小企業では、限られた人員で展示会に参加するため、通常業務への影響が大きくなりやすいです。専門業者に外注することも検討しつつ、展示会を乗り切っていきましょう。
展示会営業は重要な集客方法のひとつ
展示会営業は、多くの企業にとって重要な集客方法のひとつです。直接顧客と対面でき、商品やサービスの魅力を効果的に伝えられる貴重な機会と言えます。
コストや準備時間などのデメリットはありますが、適切な戦略と準備をすれば、より大きな成果を出せるようになります。
決裁権者との交流やターゲットに近いリードの獲得、顧客ニーズの直接ヒアリングなど、展示会ならではのメリットは非常に大きいです。
展示会後のフォローアップを迅速に実行すれば、獲得したリードが商談や成約につながりやすくなります。
すぐに獲得できなくても、リードを適切に管理し、継続的なコミュニケーションを取ることで、長期的なビジネス関係の構築につながります。
展示会営業を実施すると、普段取れないようなリードを獲得できる場合があります。新規顧客の開拓や既存顧客との関係強化を目指す方は、ぜひ一度取り組んでください。
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