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展示会ブースの効果的なレイアウトやデザインは?見落としがちなポイントも解説

2024.06.28

2024.08.01

BtoBマーケティング

展示会ブースの出展は、企業にとって新規顧客獲得や商品・サービスの認知度向上の絶好の機会です。

しかし、ブースを単に設置するだけでは成功は望めません。

効果的な展示会の出展には、戦略的なアプローチと綿密な準備が不可欠です。

本記事では、展示会ブースに効果的なレイアウトやデザインで意識すべきポイントなどについて詳しく解説します。

実際の成功事例もご紹介するため、展示会の成果を最大化するための貴重な指針としてください。

展示会の出展を検討している方や過去に思うような結果が得られなかった方は、この記事を参考に、次回の出展計画を練り直しましょう。

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展示会ブースのレイアウトパターン

展示会のブースのレイアウトには、主に以下4つのパターンがあります。

  • 商談型
  • 商品展示型
  • セミナー型
  • 体験型

出展の目的や取り扱う商品・サービスによって、どれが適切か異なります。それぞれ見ていきましょう。

商談型

商談型は、来場者と個別の商談や打ち合わせができるようにブースにテーブルと椅子を配置したレイアウトです。

商談ありきのレイアウトのため、来場者の訪問を多く期待できる場合に向いています。

落ち着いて話しができるように、レイアウトのデザインは控えめにすることが重要です。

プライバシーに配慮するために、半個室のような空間を作る場合もあります。

また、商談スペースとは別に、商品展示スペースを設けると来場者の興味を引き付けることが可能です。

商談スペースと展示スペースのレイアウトのバランスを考えることで、来場者とスムーズにコミュニケーションを取れるようになります。

商品展示型

商品展示型は、自社の商品やサービスを来場者に直接見てもらうことを目的としたブースです。

商品の魅力を十分にアピールし、認知を取りたい場合に適しています。

ブースの中央に大きなディスプレイを設置し、商品サンプルや実物を展示するのが一般的です。

来場者が商品に触れたり、試用したりできるようにすることで、商品の特長を効果的に伝えられます。

また、商品の説明パネルやデモンストレーション用のスペースを設けると、来場者の理解をより深められます。

商品展示スペースとともに、商談スペースを設置すれば、興味を持った来場者とのコミュニケーションも可能です。

セミナー型

セミナー型は、自社の商品やサービスの専門性や技術力をアピールするのに適したブースです。

来場者に知識や情報を提供したい場合に、効果的です。

ブースの一部にセミナースペースを設置し、定期的にプレゼンテーションやデモンストレーションを実施します。

セミナー中は、来場者が座って話を聞けるよう、椅子を用意します。

セミナー中に人が集まれば、来場者の注目を引けるため、さらに人を集めることも可能です。

また、セミナー終了後に商談スペースを活用すれば、来場者との商談につなげられます。

体験型

体験型は、来場者が自社の商品やサービスを直接試せるブースです。

例えば、化粧品ブランドであれば、メイクアップコーナーを設置し、来場者が実際に商品を試せます。

商品を試している様子がほかの来場者の目に留まりやすいため、ブースへの集客効果も期待できます。

来場者に商品の魅力を直接感じてもらいたい場合に、最適です。

楽しみながら商品・サービスの特徴を理解できるため、購買意欲を高められます。

また、来場者の滞在時間が長くなる傾向があり、商談につながりやすいのも特徴です。

BtoB企業の場合は、商談型やセミナー型が多いように感じます。展示会の目的や自社の強みを考えた上で、ブースのレイアウトを選びましょう。

展示会ブースのデザインを決める上で意識したい点

展示会ブースのデザインを決定する際は、以下の点を意識しましょう。

  • ターゲットに合った装飾になっているか
  • 訴求ポイントがシンプルになっているか
  • 立ち寄りやすい雰囲気であるか
  • 目を惹くデザインであるか
  • ブランドに合ったデザインになっているか

上記の点を意識しながらデザインを決めれば、効果的なブース作りができるようになります。

ターゲットに合った装飾になっているか

展示会に来場するのは、自社の商品やサービスに興味を持つ可能性が高いターゲット層です。

そのため、ブースのデザインは、ターゲットの好みや関心に合ったものにする必要があります。

例えば、若者向けの商品を扱う場合は、明るく活気のあるデザインが効果的です。

しかし、シニア層をターゲットにする場合は、落ち着いた色合いで大きく読みやすいフォントを使用するのが適しています。

ターゲットの特性を理解し、それに合ったデザインを心がけることで、来場者の興味を引き付けられます。

出展ブースを派手にすれば、集客ができるわけではない点に気をつけましょう。男性と女性のどちらをターゲットにするかによっても、展示会ブースのレイアウトは変わってきます。

訴求ポイントがシンプルになっているか

展示会では、多くの企業がブースを出展しています。

その中で自社のブースを際立たせるためには、訴求ポイントをシンプルかつ明確にすることが重要です。

ブースのデザインは、商品やサービスの主要なメリットを一目で理解できるようにしましょう。

複雑な説明や過剰な装飾は避け、来場者に伝えたいメッセージを簡潔に表現することを心がけます。

写真やイラストを使用すると、より効果的に訴求ポイントを伝えることが可能です。

立ち寄りやすい雰囲気であるか

来場者がブースに立ち寄るかどうかは、ブースの雰囲気に大きく影響されます。

閉鎖的で入りづらい雰囲気のブースは、来場者に敬遠されがちです。

ブースのデザインは、開放的で明るい印象を与えるようにしましょう。

スタッフが来場者に気軽に声をかけられる雰囲気づくりも大切です。

また、ブースの入り口付近に、来場者を引き付けるような装飾や展示を配置すると、立ち寄りやすさが増します。

目を惹くデザインであるか

ターゲットに合った装飾が大切とお伝えしましたが、そのターゲットの目を惹くデザインである必要があります。

展示会場には多くのブースが並ぶため、自社のブースを埋もれないように工夫することが大切です。

周囲のブースと似たようなデザインだと印象に残りにくいため、他社と差別化できるデザインを考えましょう。

色使いやレイアウトに独自性を出すことで、来場者の目を引き付けられます。

また、照明やデジタルサイネージを活用し、ブースに動きを加えるのも効果的です。

ただし、派手すぎるデザインは逆効果になる場合もあるため、バランスを考慮してください。

ブランドに合ったデザインになっているか

展示会ブースは、自社のブランドイメージを来場者に伝える重要な機会です。

そのため、ブースのデザインは企業の価値観やブランドの個性を反映したものにしましょう。

企業のロゴやコーポレートカラーを取り入れ、ブランドとの一貫性を保つことが大切です。

また、ブランドの雰囲気に合った素材やデザイン要素を選ぶことで、より効果的にブランドイメージを演出できます。

ブースデザインとブランドイメージが統一されていれば、来場者によい印象を残せます。

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展示会でブースを出す際にかかる費用

展示会でブースを出展する際にかかる費用は、一般的に100万円から数百万円程度です。

この金額には、ブース出展費や施工・設備費が含まれ、内訳はざっくり以下の通りです。

  • 出展費:30万円〜50万円
  • 施工・設備費:60万円〜100万円
  • デザイン費:20万円〜100万円
  • 展示物・配布資料制作費:10万円〜60万円
  • 運営スタッフの人件費:1.5万円〜3万円/人
  • 集客費用:10万円〜50万円

ブース出展費は簡単に言えば場所代で、3m×3mサイズのブースで10万円から50万円ほどかかります。

そのため、ブースを広く確保すれば、その分コストが上がっていきます。

また、ブースの施工・設備費は、ブースを作る際にかかる費用です。

自社で準備すれば、材料費や人件費で済みます。

しかし、材料や施工の難易度などによって変動しますが、外部に依頼すると60〜100万円はかかります。

ほかにもいろいろな費用がかかりますが、展示会への出展を検討する際は、総合的に判断し予算を適切に管理することが重要です。

展示会の出展費用について、より詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。安くするためのポイントについてもお伝えしています。

>>展示会にかかる費用や内訳は?安くするポイントや費用対効果の計測方法を解説

展示会のブース作りより重要なポイント

Sandboxの使い方

展示会にブースを出展する際、ブースのデザインだけでなく、以下のポイントが重要です。

  • 出展の目的や目標を定める
  • ペルソナを明確にする
  • ブースの場所を決める
  • 当日は積極的に足を動かす
  • 終了後はすぐにフォローする

これらを意識することで、展示会出展の成果を最大化できます。

出展の目的や目標を定める

展示会出展の成功は、明確な目的と具体的な目標設定から始まります。

展示会出展の主な目的は「認知度を上げる」や「商談を増やす」です。

しかし、実際にはこの2つの目的を完全に分けにくく、多くの場合はグラデーションのように両方の要素が混在します。

このような状況では、商談数アップを主な目的とした方が、後から成果の評価がしやすくなります。

その理由は、具体的な商談数や成約率などの数値で測定できるため、投資対効果(ROI)を明確に把握できるからです。

そのため、漠然とした目標ではなく、以下のように具体的な目標を設定しましょう。

  • 名刺交換の枚数:100枚
  • 商談件数:30件
  • SNSでの投稿数:50件

目的や目標が明確になれば、それに向けたブース設計やスタッフの行動指針が定まります。

ペルソナを明確にする

展示会には多様な来場者が訪れますが、全ての人に対して効果的にアプローチすることは困難です。

契約する必要のない方や、偶然ブースを通りかかった方の連絡先ばかりを集めても、成果にはつながりません。

そのため、自社の商品やサービスに最も興味を持ちそうな理想的な顧客像(ペルソナ)を設定することが重要です。

例えば、マーケティングや営業ツールを販売する場合、次のようなペルソナが想定できます。

コスト削減に関心が高い中小企業の経営者(45歳)。特に、マーケティングや営業に関する業務効率を検討している」

ペルソナが明確になれば、ブースのデザインや展示内容、スタッフの対応方法など、ターゲットに合わせた戦略を立てられます。

ブースの場所を決める

展示会のブース出展において、多くの企業がデザインに注力しがちですが、実はブースの位置を押さえることの方が重要です。

適切な場所選びは、ブースへの来場者数や商談の機会に大きく影響します。

人の動線を考慮した上でブースの場所を決めることが大切です。

来場者の自然な流れに沿った位置にブースを設置することで、より多くの人々の目に触れる機会が増えます。

例えば、会場の隅や柱の陰など、来場者の動線から外れた場所は避けるべきです。

また、意外かもしれませんが、入り口と出口に近いブースは死角になりやすい傾向があります。

一方、角のブースは人を呼び込める範囲が広く確保できるため、非常におすすめです。

複数の通路から来場者にアプローチできるため、注目を集めやすく、多くの人々とコミュニケーションを取る機会が増えます。

当日は積極的に足を動かす

展示会当日は、ブース内で来場者を待つだけでなく、スタッフが積極的に行動することが重要です。

ブースに興味はあるけど、なかなか入ってこない方もいるため、スタッフ側から積極的に声をかける必要もあります。

ただし、押し売りにならないよう、相手の様子を見ながら適切なアプローチを心がけましょう。

また、来場者の中には、簡単に話を聞きたいけれど、ブースでがっつり説明されるのは避けたいと考える方もいます。

このような方には、ブースの外で簡単に説明するなど、柔軟な対応が求められます。

スタッフは常に全体を見渡し、適切な対応をすることが大切です。

「こんにちは!今回の展示会で何か気になる商品やサービスはありましたか?」など、簡単にコミュニケーションを取るところから始めるといいでしょう。相手の反応を見ながら、徐々に自社の製品やサービスの話題につなげていくのがポイントです。

終了後はすぐにフォローする

展示会終了後の素早いフォローアップは、成果を最大化するために不可欠です。

展示会は一般的に水曜日~金曜日にかけて開催される場合が多くあります。

しかし、翌週の月曜日に電話するのでは遅すぎるケースがあります。

時間が経つにつれて、相手の記憶が薄れていく恐れがあり、競合の商品・サービスに決めてしまうケースも少なくありません。

競合他社よりも先にアプローチすることで、商談につながる可能性が高まります。

できれば、展示会当日にアポイントを打診することがおすすめです。

その場における印象や興味が新鮮なうちに次のステップを提案することで、商談に進展する確率が高くなります。

弊社、株式会社FLUEDのクライアント様の事例では、展示会で名刺交換した翌日に電話をした結果、商談獲得率が4倍も上がったケースがありました。日数が経過してしまうと、商談獲得率も下がっていくように感じています。

また、下記の記事ではリードを集めるブースの作り方について詳細に解説しています。気になる方は、ぜひご参照ください。

>>リードを集める展示会ブースの作り方|やりがちな失敗例も紹介

効果的な展示会ブースの成功事例

最後に、展示会ブースの効果的な運営方法を理解するために、成功事例を確認しましょう。

株式会社アイアットOEC

岡山県岡山市を拠点とする株式会社アイアットOECは、クラウドサービスや情報処理サービスを提供する企業です。

同社は「Japan IT Week 春 2017」に出展し、ブース代+装飾費用で300万円に対して、720万円の売上を達成しました。

注目すべきポイントは、シンプルなシステムブースを採用し、オペレーション重視の設計を実施したところです。

多くの企業が派手な木工ブースを選ぶ中、あえてシンプルな設計を選択。角小間のメリットを活かし、3面のスペースを効果的に使用しました。

また、集客戦略として、ピンクのユニフォームを着たコンパニオンを配置し、視覚的な注目を集めました。

コンパニオンは、チラシ・ノベルティ配布や声掛けを担当し、来場者の足を止めた後は、説明員がフォローする体制です。

この戦略により、展示会では1,500枚もの名刺を獲得し、その後の売り上げにもつながっています。

ブースのデザインに力を入れなくても展示会に出展した事例です。チームの連携プレイが良いですね。

ロート製薬株式会社

大手製薬会社であるロート製薬株式会社は、第22回JAPANドラッグストアショーでブースデザイン表彰を受賞しました(2022年8月)。

この成功は、展示会ブースの企画・制作を担当した会社の戦略的なアプローチによるものです。

同社は、単なる景品配布に頼らず、創造的なデザインと効果的な内容で来場者の興味を引くことに成功しました。

12小間(間口11,880×奥行き8,910mm)のスペースを最大限に活用し、約3ヶ月の入念な準備期間を経て臨んだ結果です。

予算が限られている中、高品質なクリエイティブを提供できた点が大きいと予想されます。

この事例は、適切なデザインと運営戦略により、競合の激しい展示会環境でも優れた成果を上げられることを示しています。

株式会社ヤプリ

株式会社ヤプリは、アプリ開発・運用・分析をノーコードで提供するアプリプラットフォーム企業です。

同社は、2023年9月27日から29日にかけて幕張メッセで開催された、「第5回PR EXPO 2023秋」に出展しました。

新サービス「Yappli UNITE(ヤプリユナイト)」の展示ブースを出して、大きな成功を収めました。

出展の主な目的は、新サービス「Yappli UNITE」の認知拡大とリード獲得です。

結果として、設定した目標を上回るリードを獲得できました。

ブースは3小間(間口8,100×奥行6,000mm)のスペースを使用し、約3週間という比較的短い準備期間で完成。

この迅速な準備と効果的なブース設計により、新サービスの特徴を効果的に訴求することに成功しました。

展示会のブース出展よりもその後のフォローが大切

展示会でのブース出展は、多くの見込み客と接点を持つ絶好の機会です。

しかし、真の成功は展示会後のフォローにかかっています。

名刺交換やリード獲得に成功しても適切なフォローがなければ、努力が水の泡となってしまいます。

展示会の直後は、来場者の記憶が鮮明なうちに迅速な対応が必要です。

効果的なフォローには、個別の電話やメール、詳細な資料の提供、デモ環境の構築などが含まれます。

展示会は商談の入り口に過ぎません。

その後のフォローこそが、展示会投資を実際の売上に結びつける鍵です。

弊社、株式会社FLUEDでオンラインとオフラインの展示会・イベントを一覧にまとめました。下記より無料でダウンロードできます。

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松永創

FLUED CEO / 代表取締役 Hubspotシニアスペシャリスト

B2Bマーケティングエージェンシーでベンチャー企業から大手IT企業、製造業など様々なマーケティングに携わる。 HubSpotゴールドパートナーとしても認定され、サポート実績多数。WEBを中心としたオンライン施策から、インサイドセールスや展示会といったオフライン施策まで幅広く支援している。携わった企業/プロジェクトの数は500以上に及び、スピード感あふれるコンサルティングには定評がある。 B2Bマーケティング/営業DXなどのテーマを中心になど講演多數。