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BtoB-ECサイトとは?
「BtoB-EC」とは?
BtoB-ECとは、企業間(BtoB)の取引において、Webサイトやスマートフォンアプリなどの電子的手段を用いて、インターネット上で注文や決済などを行う方式のことです。イメージを持っていただくためにBtoCを例にとると、楽天やアマゾンを利用されている方は多数いらっしゃるかと思いますが、それが対企業でも行われていると解釈するとわかりやすいかと思います。
企業間取引の最もベーシックな手段として、発注者と受注者が相対して口頭や電話やメールで注文内容を伝える方法があげられます。今でもこの方法によって取引が行われていますが、実際はどちらかの当事者が相手のいる場所まで物理的に移動する必要が生じるため、時間的・金銭的など様々なリソースやコストがかさんでしまいます。
これを回避するために登場したのが電話やFAXでした。定期的に注文するような商材であれば、対人でのやりとりから、通信方法を用いたやりとりで完結できるようになりました。その後、そのやりとりさえも最小限にできる手段が登場し、EC上のマーケットプレイスで受発注を行うことができるようになりました。ECサイトであれば、必要な製品を必要な時に必要な個数注文ができるようになります。取引自体も同じ製品を何度も購入しているのであれば、注文の受発注、契約、配送までをECで完結できるなど、多くのメリットがあります。
BtoB-ECは最近のトレンドですが、これまでは電話やFAX、そしてメールでも同様に注文の受発注を行なっていました。それが時代の流れと共にインターネットの普及からネット上の取引、つまりECサイトを通じての取引に遷移していきました。いまだに、電話、FAXの受発注が行われている中小企業、零細企業もありますが、BtoB-ECという取引方式が主流になってきているのは間違いありません。
BtoB-ECサイトの市場規模
BtoBの電子商取引は352兆円でBtoCの約19倍
BtoB-ECサイトの市場規模はどのくらいかご存知でしょうか。下記のグラフをご覧ください。
日本のBtoB-EC市場規模の推移(2015年〜2019年)
出典:総務省「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業」(電子商取引に関する市場調査)BtoC-EC市場規模の推移(単位:億円)
出典の資料は総務省の公的なレポート「日本のBtoB-EC市場規模の推移」です。資料には日本国内の電子商取引の動向がBtoC、BtoB、さらにはフリマアプリに代表されるCtoCについて解説されています。今回のテーマであるBtoB-ECサイトの市場規模は2019年で352兆円です。この数値は前年比2.5%と微増ですが、過去5年間連続して市場規模は成長しています。
参考までに同年2019年のBtoC-ECにおける19兆円の市場規模と比較すると、BtoB-ECサイトの市場規模はBtoCの約18.5倍ととてつもなく大きいことが窺えます。普段利用する消費者の感覚からすると、生活消費におけるECサイトの存在感は肌感覚として感じられると思いますが、BtoB-ECサイトの規模が突出していることは意外と知られていない事実かもしれません。
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BtoB向けECサイトで売上が上がらない3つの原因
市場規模こそ大きいBtoB ECですが、大きく成功し売り上げを伸ばしている企業もあれば、ECサイト運営で苦戦している企業も多く存在しています。そこでBtoB ECサイトで売上が上がらない原因を分析し、どのような点に気をつければ売れるサイトを作れるようになるのかご紹介します。
集客への努力不足
BtoB向けECサイトが売上につながらない原因の一つ目は、サイトへの集客に対する施策が不十分であることが大きな原因の一つです。
オフラインやオンラインで顧客へのアプローチを行い、キャンペーンを打ち、リードをフォローし、商談の機会を設け、CRMにて顧客の行動ややりとりを蓄積し。。。といった通常のBtoBアプローチがあります。一方でECサイトはよく「自動販売機」に例えられます。皆さんも普段物を買うときにお気に入りのECサイトでネットサーフィンをしながらマウスをクリックするだけで商品を買われていることでしょう。ECサイトを訪れるユーザーはECサイトで必要な情報を入手し、ユーザーファーストの情報を提供することで、結果的にコンバージョンをしているのです。
そうは言っても、ただサイトを立ち上げて放置しておけば自動的に商品が売れていくほど簡単なものではありません。自動販売機をどこに設置するのか場所選びは極めて重要であり、自動販売機が利用される頻度が高そうな場所(例えばオフィスの憩いのスペースや、公園、食事をする場所)に設置できるかで集客の勝負はほぼ決まります。売上が上がらないサイトはこうした努力をあまり考えないケースが散見されます。
集客に関しては、人目につく場所、欲しいときに購入してもらえるような場所に置く、それが最も重要な戦略です。ECサイトも同様です。サイトを立ち上げるのは大変でも、そんな気苦労を理解する消費者はいません。人目に触れて、必要なときに利用者が使いやすい状況を作り出す必要があるのです。
サイトへの訪問者が少ない状況であれば、ECサイトへたくさんのユーザーが訪れるための施策(SEO対策や広告)に力を入れる必要があるでしょう。集客ができていないECサイトは集客への努力を怠っている可能性があります。自社サイトの検索キーワードを調べ、検索順位をつぶさにチェックし、対策をしているかで結果は大きく変わってきます。
使い勝手の悪いサイト設計
2つ目は、サイト設計に問題があるケースが考えられます。
サイトへの訪問者数(PV数)は決して悪くないのになぜか売上につながるコンバージョンや問い合わせ、会員登録、メルマガ登録が少ないケースです。そういう場合はサイトそのものの作りや設計に問題がないか、見直してみましょう。
サイト設計といっても様々な要因が絡んでいると考えられます。
- デザイン(シンプルにわかりにくい、メッセージが伝わらない)
- 情報設計(コンバージョンまでの動線が悪い)
- 商品検索機能(分かりにくい検索機能)
- 商品購入の仕組み(カートの使い勝手)
これらはほんの一例ですが、自分がユーザーになったときを考えてみましょう。
- サイトに訪問する目的は何か
- 目的を踏まえたとき、マウスはスムーズに情報にリーチできるようデザインされているか
- 必要な情報はストレスなく手に入るか
- 不要な情報が邪魔をして迷いを生じさせていないか
、、、などなど考えることはいくらでもあります。
Google Analyticsのようなアクセス解析のツールを使用すると、サイト訪問者がどのページに最初に訪れるか(ランディング)、どのようなルートでサイト内を回遊し、どこで離脱したか、コンバージョンしたかを把握することができます。こうした便利なツールを使い、自社のサイトの設計を見直すことが極めて重要です。
属人的な運営体制
3つ目は、ECサイトの運営体制に問題がある場合です。
訪問者数も順調で、狙い通りの注文数もあるが、運営体制が確立されておらず、受発注の仕組みや配送までのプロセス、カスタマーサポートなどがマニュアル化されず、属人的になっていないでしょうか。
体制を整え、仕組み化することで売上を今以上に上げられそうですが、運用体制が確立されていない場合、注文に対する対応が回らなくなっていることが予想されます。例えば今までの販売チャネルからECサイトが加わったり、新規事業が立ち上がり、業務量が膨大に増えるケースが考えれらます。
人手不足により仕事が回らないということが可能性として考えられますが、忙しい中でもできるだけ仕組みを整え、マニュアルを作り、誰が行ってもできるルールを作っておくことが重要です。運営体制を改善し、売上が増えるのであれば早々に改善の余地を探ることをお勧めします。
また、システムの使い勝手や管理の悪さも影響していることも考えられます。運用ルールを確立し、属人性を排除しつつ、システムの見直しや機能改修を行い、原因解明をするなど、何が問題なのかを可視化していきましょう。
3つの原因に手を打ち、売れるサイトを作るコツ
継続的なSEO対策
BtoC同様、BtoBでも継続的なSEO対策は必須です。キーワードで検索した際に、会社名や業界や製品など、キーワードで検索上位に来るよう、SEO対策に力を入れてみることは重要です。
製品紹介の記事や、活用事例、顧客が必要としている情報をタイムリーに提供する記事を作成し、徐々に効果が出てくるよう継続して情報提供を行っていきましょう。
また、SEO対策に加え、広告出稿やSNS対策、業界のメディアに掲載してもらったりイベントに出たりなど、集客を増やすような対策をすることで、貴社のECサイトの場所(検索順位)をみられやすい場所(検索順位の1ページ目)に移動できるようになるかもしれません。
ユーザー目線でのサイト設計
使い勝手の悪いサイト設計については先ほど触れました。ではユーザー目線のサイト設計にするにはどうしたらいいでしょうか。それは端的に使い勝手の悪いサイトの逆を考えてみれば答えがでます。
- シンプルでわかりやすいデザイン、簡潔なメッセージ
- コンバージョンまでの動線を意識した情報設計
- 機能的で無駄のない商品検索機能
- カートの使い勝手を意識した設計
例えばですがAmazonのサイトをイメージしていただくと分かりやすい思います。BtoCで利用されることが多いですが、BtoBでも基本的に顧客に対する考えは変わりません。ユーザーの検索履歴に応じたレコメンド機能や、コンバージョンを意識した動線、統一されたブランドイメージや、必要な情報が網羅的かつ最低限表示されており、ワンクリック特許のように購入に至る顧客の心理を極限まで追及したカートの使い勝手など、アートの領域と言えますし、学ぶことは多いかと思います。
とにかくユーザーの使い勝手、こうであったらいいなと思う機能や工夫を追求することが、ユーザーが何度も利用したくなるサイト設計に繋がります。企業の商材やユーザーの属性情報によってサイト設計は多少異なるものの、基本的な考え方は変わりません。ユーザーファーストのBtoB ECサイトを追求しましょう。
運営体制のルール化
売れるサイト設計の話を前の章で紹介しました。続いては、サイト設計や見た目などのUIについてだけではなく、バックエンドについての重要性をお伝えします。
売上が上がるサイトとは運用体制のルールがしっかりされています。ガバナンスが利いている、という言い方もできますが下記のような点が盤石であればあるほど、ECサイトの運営がしっかりしており、売上につながってくると言えるでしょう。
- 商材に最適化された受発注のシステム
- 受発注の情報と配送情報の連携がスムーズ
- 在庫管理がリアルタイム
- 商品の問い合わせ対応がスムーズ
- システムの保守運用ルールが明確で安定稼働
ECサイトの見た目が美しく使い易いことは重要ですが、裏方業務があってこそその効果は発揮されます。運用体制という見えない部分ではありますが、企業間の取引であり、安心して利用できる体制があればユーザーは何度も利用したくなりますよね。運用体制といっても様々ですが、何かあったときの対応がしっかりしており、安定してサイトが運営されており、サポートもホスピタリティーに溢れているといった、運用体制がルール化されて安心して利用できることは売上の上がるサイトの必須条件です。
決済手段を増やす
みなさんはこんな経験はないでしょうか。
お気に入りの商品を何度も綿密に比較サイトで調べ、価格もリーズナブルで、購買欲が高まっています。さぁいよいよ商品を購入しようと決意し、ウキウキと購買プロセスを進めて必要情報を入力していましたが、自分の持っているクレジットカードが対応しておらず、購入を諦め結局離脱してしまう、といった具合です。
少なからずこうした経験がある人はいらっしゃると思います。売れるサイトとは、ユーザーのニーズに応えられるサイトです。それは決済手段も同様です。ニーズに応えるためにはクレジットカードやモバイル決済、電子マネーなど、できるだけ多くの決済手段に対応しておきましょう。
これはむやみやたらに決済手段を増やすべきだとは言っていません。大手のカード会社や、利用者数が多い決済手段は最低限抑えておき、貴社の商品を購入するユーザー層のニーズに応えられるような準備をしておくことが重要なのです。極端な例ですが、地域や場所や年齢層によっては、最も優れた決済手段が現金払いで、それも集金が最大の解決策かもしれません。
BtoB ECサイトであれば、コーポレートカードである可能性もおそらく多いでしょう。機会損失を失わないよう、できるだけ多くの決済手段に対応し、購入までわき道を見る隙をできるだけ与えないようにホスピタリティー溢れる動線を作っておきましょう。
関連記事:BtoBもクレジットカード決済が一般的!?調査結果・メリット紹介
まとめ:自社サイトの弱点を分析し、BtoB ECサイトの売上アップを図ろう!
今回は意外と知られていないBtoB ECの市場規模の情報から、売上に苦戦しているBtoB ECサイトの原因、そして売上アップにつながるコツについて触れてきました。オフラインアプローチである実店舗や人対人のコミュニケーションを介す方法に比べ、BtoB ECサイトはデジタル戦略が非常に重要な要素となります。
オンラインのアプローチであるBtoB ECサイトの戦略は、オフラインでの体験をそのまま横展開すれば成功するわけではありません。ECサイトの特性や、顧客の行動心理、Webの知識などフル活用することが必要です。さらに、自社サイトの設計や使い勝手を意識した構成にする必要があり、一筋縄ではいきません。
ただし、BtoB-ECサイトも正しく理解し、自社サイトの弱点を分析し、改善をしていくことで、貴社の売上に大きく貢献する重要な販売チャネルにもなり得ます。自社で戦略設計から運営を行う方法もいいですが、デジタル戦略、マーケティングなどに特化したコンサルティングパートナーやITベンダーに相談し、重要な戦力に仕立て上げるのも手かもしれません。デジタル戦略に遅れをとらぬよう、プロにご相談してはいかがでしょうか。
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数多くの企業様をご支援してきた経験からBtoBマーケティングに関する質問、疑問にお答えいたします。