新型コロナウイルス感染拡大の影響でリアル展示会が中止となり、オンライン展示会が開催される機会が増えました。オンライン展示会の特徴を理解せずに出展をした結果、獲得したリードを商談や契約に結び付けられずに悩んでいる企業も増えています。このような失敗は、オンラインリードの質を理解していないことが原因です。
オンラインとオフラインで獲得できるリードの違いについて理解を深め、効果的なアプローチをしていけば、商談率や契約率は上げられます。この記事では、オンラインとオフラインの違いからリードの育て方について分かりやすく解説します。
株式会社FLUEDではBtoBのマーケティングにお悩みの方へ、無料のオンライン相談会を実施しております。
数多くの企業様をご支援してきた経験からBtoBマーケティングに関する質問、疑問にお答えいたします。
コンテンツ目次
オフラインとオンラインのリードの違い
オフラインとオンラインのリードの違いは、以下の通りです。
オンラインビジネスは、全国各地から集客ができるためリードが獲得しやすいです。しかし、オンライン上は情報が溢れているため、その中から選んでもらえる確立は低くなります。Salesforce社の調査結果によると、オンラインリードの商談化率は18.5%。
その一方で、オフラインは市場規模が限定されてしまいますが、商談化率40%と高い数値を誇ります。これらのリードの違いを理解することが、営業戦略を考える上で必要となります。
オフライン | オンライン | |
リード獲得単価 | 30,000円~50,000円 | 2,500円~3,000円 |
商談化率 | 40% | 18.5% |
リードの質 | 商品購入を検討しているため、商談化しやすい複数の製品を比較検討していることが多い フォローアップを望んでいる | エンゲージメント(※1)の段階で離脱することが多い 情報収集の段階のため、コネクト率が低い |
メリット | 商談化率が高い | リード獲得単価が低いリード獲得が容易費用対効果が高い |
デメリット | リード獲得単価が高い市場規模が限定される | エンゲージメントの段階の離脱率が高い商談化まで時間がかかる |
(※1)エンゲージメント:さまざまなチャネルを通じて、企業と顧客の間につながりを作ること。エンゲージメントを強化することにより、商品購買意欲を上げることができる。
オフラインリードの特徴
オフラインとオンラインのリードの違いについて説明しましたが、さらに詳しく確認していきましょう。まずは、オフラインリードについて詳しく解説します。
オフラインリードの獲得方法
オフラインリードの獲得方法には、以下のようなものがあげられます。
・異業種交流会
テーマ目的に興味・関心を持っている人が集まり意見交換をする場。興味・関心が同じのため、会話が弾みやすくて人脈が広がりやすい。
・イベント開催
セミナーや展示会など、顧客との接点を持つ場を設けること。自社製品に興味・関心を持っている人を集められる。
・電話営業
顧客に電話をかける営業手法。場所の制約を受けずに営業ができる。
オフラインリードの質
オフラインのビジネスのメリットは、実際に商品に触れることができて、詳しい説明が受けられることです。商品検討段階に進んでいる顧客が多いため、オフラインリードの質は高くなります。
また、対面接客をすることで、企業側と顧客側の信頼関係が構築しやすくなり、営業電話に出てもらいやすくなります。信頼関係が深まるほど契約率も上がるため、対面で接触した顧客は、ホットリードにカウントされることが多いです。
しかし、1度に大量の人にアプローチすることはできないため、リード獲得件数においてはオンラインに劣ってしまいます。
オフラインリードを獲得するコツ
オフラインのビジネスは、市場範囲が限られてしまいます。立地場所によっても集客力が異なるため、3C分析による戦略が欠かせません。
また、市場範囲が限定的なため、既存顧客にリピーターになってもらったり、新規顧客を紹介してもらう必要があります。そのため、オフラインリードを獲得するためには、顧客1人1人に対する手厚いフォローが欠かせません。
オンラインリードの特徴
次に、オンラインリードの特徴について詳しく解説します。
オンラインリードの獲得方法
オンラインリードの獲得方法として、以下のようなものがあります。
・メール
見込み顧客にキャンペーン情報や会員特典をメールで配信して、購買意欲を喚起させる。
・コンテンツ
読者にとって価値あるコンテンツを制作してファンになってもらって、商品購買に繋げる。
・SNS
拡散しやすいSNS上で情報発信をする。顧客と「いいね」を送り合うことでエンゲージメントを高められる。また、拡散しやすいSNS上でキャンペーンを実施することで、多くのリードが獲得できる。
・SEO
SEO(検索エンジン最適化)は、検索エンジンを通じて顧客獲得ができるように検索エンジンの最適化を図ることをいう。検索結果でコンテンツを上位表示させることで集客ができる。
・Web広告
Web広告は認知度アップではなくて、購買者の集客目的で使用されることが多い。
・動画コンテンツ
YouTubeなどの動画。とくに、ウェビナーが人気。通常のセミナーとは異なり、動画制作をしておけば、何度も放送できるのが魅力となっている。
オンラインリードの質
オンラインであれば、世界中に情報発信ができるため大量のリードが獲得できます。また、リード獲得単価も低いです。
しかし、インターネット情報量は莫大なため、注意力が不足するというデメリットがあげられます。インターネット上の顧客は、さまざまな情報にアクセスできるため、エンゲージメント段階で離脱しやすいのです。
また、情報収集段階の顧客が多くて、商談化に繋げるまでに時間がかかることが多いです。オンラインリードを育成して、商談化率・受注率を上げていけば、費用対効果が高くなります。
オンラインリードを獲得するコツ
オンラインリードを獲得するためには、ターゲット顧客を定めて共感を呼ぶメッセージ配信が必要となります。
顧客が自社商品やサービスを探していない限り、自社ホームページにアクセスすることは滅多にありません。そのため、顧客に興味を持ってもらえるWebページやコンテンツを制作していかなければいけません。
例えば、ターゲット顧客のニーズに最適化したランディングページを制作することもあります。このように、ターゲット顧客を定めたメッセージは配信を行うことで、オンラインリードが獲得しやすくなります。
オフラインとオンラインを融合するテクニック
オフラインとオフラインのリードの違いについて理解して頂けましたか?それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、双方を融合したマーケティング手法を行えば商談率・契約率は上げられます。この記事では、オフラインとオンラインを融合するテクニックについて解説します。
ホワイトペーパーの配布を行う
デジタルコンテンツを提供するだけではなく、ホワイトペーパーの配布を行う企業が増えています。ホワイトペーパーのダウンロードを条件としたリード獲得が得られるのです。それだけに留まらず、各顧客の興味対象が把握できるためアプローチしやすくなり、商談化率・契約率が上がります。
ログ履歴を確認してアウトバウンドコールをかける
コールドコール(飛び込み型の電話営業)は時代遅れです。近年では、ログ履歴を把握できるデジタルツールが登場しています。Webサイトの閲覧履歴やメルマガ開封率などのログ履歴を確認することで、ホットリード(見込度が高い顧客)であるかを判別できます。
このようなホットリードに電話営業することで、商談や契約に結びつけるアウトバウンドコールが主流となってきました。
オフラインイベントとSNSを組み合わせる
オフラインイベントとSNSは相性が良く、集客に成功している企業は組み合わせて活用しています。
世界中のWebマーケティング担当者が参加する世界最大級のマーケティングカンファレンスPabconでは、カンファレンスを宣伝する最高のツイートに商品を送るコンテストを開催。カンファレンス前に、宣伝告知をしてもらうことで、認知度や集客数アップに成功しました。
このように、オフラインイベントとSNSを組み合わせるマーケティング戦略は増えてきています。
補足:デジタルツールで顧客管理を行いましょう
商談化率・契約率を上げるためには、リード育成や顧客の見込度合いの管理が欠かせません。これらの情報は、顧客管理システムを活用して管理をしてください。
リードを管理することで、営業効率化や生産性の向上が見込めます。顧客管理システムには「hubspot」「Salesforce」などがあります。
オフラインとオンラインを融合した成功事例
オフラインとオンラインを融合させることで、商談率・契約率が上げられると説明しました。実際に、BtoBマーケティングで成功して急成長しているのが「株式会社SanSan」です。
株式会社SanSanは、どのようなマーケティング手法でリードの獲得や育成をしているのでしょうか?ここでは、オフラインとオンラインを融合した株式会社SanSanの成功事例をご紹介します。
Step1:コンテンツ配信・ホワイトペーパーの配布
コンテンツ配信やホワイトペーパーの配布をして、顧客との接点(リード)を創出。しかし、BtoCビジネスとは異なり、BtoBビジネスは複雑な意思決定や稟議プロセスを必要とします。そのため、すぐに受注に至ることはありません。
株式会社SanSanでは、リード獲得に成功していたものの、リード獲得から受注までの期間が長いことが問題点として取り上げられていました。BoBビジネスでは、複雑な決済プロセスが絡んでくるため、検討期間が長くなりがちです。このような課題を解決できないかと考えていたのです。
Step2:著名人セミナーの開催
リード獲得から受注までの期間を短くするために、SanSanでは役員職のリードが獲得できる仕組みをつくりました。それが「Sansan Evolution Week」です。このイベントでは、著名人に登壇してもらい、普段聞くことができないビジネスセミナーが開催されています。
役職者が興味を持つセミナーイベントを隔月で開催して、大量のリードを獲得しています。役職者のリードは、それ以外のリードと比較すると、決裁プロセスが短いことが大きな特徴。従って、リード獲得から受注までの期間を短くできるのです。
しかし、役職者のリードが獲得で満足してはいけません。獲得したリードのニーズが低いという問題が出てきていました。
Step3:クローズドセミナー
決裁権を持つ役職者のリードが獲得できても、商談化率が低ければ意味がありません。そのため、決裁権を持つ役職者に対して、自社製品で解決できることや、業界に特化した導入事例をご紹介。
製品導入後にどれぐらいの効果が見込めるのか、費用対効果をシミュレーションセミナーで提示することで興味を持ってもらう工夫をしました。
このようなクローズドセミナーを主催することで、複雑な意思決定、稟議プロセスを突破させ、企業との商談を獲得していったのです。このような営業フローで、株式会社SanSanは、BtoBビジネスで飛躍的な成長率を遂げています。
まとめ
この記事では、オフラインとオンラインのリードの違いについて解説しました。各リードでメリット・デメリットがありますが、融合することで商談率・契約率を上げていくことができます。
ログ履歴を追って営業電話をかけたり、オフラインのイベント告知をSNS上で行ったり、オフラインとオンラインを融合することで、リード獲得・育成を効率化していくことができるのです。リード獲得や育成の方法は、さまざまです。
この記事でも、BtoBマーケティングのリード獲得・育成の成功事例をご紹介しましたが、その他にも方法はあります。ぜひ、オフラインとオンラインを融合した営業戦略を検討したいという方は「営業DX(FULED)」までご相談ください。
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数多くの企業様をご支援してきた経験からBtoBマーケティングに関する質問、疑問にお答えいたします。